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ユリカ界  作者: 碾貽 恆晟
第1部 2つの勇者の物語
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第1章 6話

誤字報告お願いします。

出来るだけ直します。



 ナータリウヌ家に双子が生まれた。現在3歳半の僕は一度見たきりで普通に過ごしているけど。薄情だって?そんなことはない。ただ家庭教師の人たちの授業という名の拷問がすごいことになっているだけさ。では紹介しよう僕の一年の努力の結晶。まずはトップバッター、地理と歴史。半分しか覚えていないと思う。けど数年後学園などで掘り下げてやるかもしれないから関係ない。だってないかもしれないだろ、カリキュラムに。セカンドバッター、魔法。最初の授業で二ついっぺんに修行はしないようなことをのたまっていたくせに、魔素を操作しながら情報量を魔素の殻に込めろというむっちゃ振りで一年を過ごした。魔素に情報量をどのくらい込められたか測る機会があるのだ。誰だこんなもん作ったやつ‼︎これのおかげで僕がノルマを達成できなかったら魔法の座学の宿題が加算されるという鬼畜仕様になったんだ。そして、唯一息抜きではないはずの授業が息抜きなってきている剣術の授業。今ではイバリ先生と模擬戦をやるときもある。一週間に一回くらいだけど。ちなみに一週間は8日で4廻。創日、滅日、在日、虚日、生日、死日、聖日、魔日となっている。


 そして、魔法の授業の時間


 「これまでよく修行に耐えた。さて、これからは新しいことやろうと思う」


 「本当にひどい修行でした」


 「ふむ、そう思うか」


 「はい」


 今の僕の偽りのない気持ちだ。


 「それは当たり前だ。何故ならお前に貸した課題は超上級者向けといってもいい課題だ」


 「……なんでそんなものを最初から一年間もの間、僕はやらされていたんですか」


 「それはだな……試しに言ってみたら少しだができていたのでこれを極めさせたなら、後楽じゃね?と思い立ちこの修行を一年やることに決めたのだよ」


 「そっ」


 「そっ?」


 「そんな理由で授業内容決めたんですか⁉︎」


 「当たり前だ。見てみないことには教える相手がどういうふうに教えるかどうかは決まらない。それにこの方法が一番効率的で効果が有る」


 「……そうなんですか」


 「さてと、それではまず復習だ。魔法には魔技と魔術と二つの種類があった。さらに魔技には放出系と備蓄系がある。放出系は体外に魔素を放出することで波動などの攻撃を可能とする。備蓄系は体内に魔素を貯めることでその魔力を自分のエネルギーとして使用する。さて質問だ魔素と魔力の違いは?」


 「魔素は【神界】から【現界】に現れたそのままの状態のことで、魔力は魔技や魔術を使うために性質を変えた魔素のこと」


 「よろしい。それと、【神界】から【現界】に現れたそのままの状態の魔素を魂を持つ存在が取り込んだ後の魔素を元魔と呼ぶことがあるので覚えておくように。それでは続きだ。魔術にも魔技と同じように二つに分けることができる。事象魔術と概念魔術だ。この違いを述べよ」


 「事象魔術はこの世界の物理方式に基づいて事象を改変する魔術。概念魔術は過程を無視して結果のみを起こす魔術です」


 「その通り。事象を改変するため事象魔術と呼ばれるようになったが、概念魔法は魔術を行使する人の概念をそのまま結果として起こすことから概念魔術と呼ばれるようになった。それと、精霊魔法や龍魔法というのがある。精霊魔術は精霊に自分の元魔を対価として渡すことで行使してもらう、もしくは自分で使えるようにしてもらう魔法。龍魔法も過程は同じだ。自分で魔法を使えるようにして貰えば解ると思うが精霊は繊細な魔術を、龍は威力の高い魔法を使えるようになる」


 イーザ先生は机に置いてあったコップを持って水を飲んでから話を再開する。


 「これからお前にやってもらうのは体外の魔素を使った魔術の行使だ。お前にやってもらった修行では体内で魔殻に情報を込めてもらったが体外の魔素でもできるようになってもらう。それに伴って魔殻に込める情報の仕方を変えてもらう」


 「何故ですか?」


 「それはだ。お前は一つの魔素の魔殻にそれぞれ情報を込めてはいなかっただろ。それをいきなり一つずつの魔素の魔殻込めていけとは言わないが、二つに分けて、三つに分けてとできるようにしろ」


 「理由を言っていませんよ」


 「そんなに急ぐな。ちゃんと話してやる。これまでお前は魔術を行使するに必要な魔力をひとつと考えて情報を込めていただろ。それを、最小単位である魔素一つ一つに込められるようになれば魔術の威力は上がる。さらに相手の魔術で妨害がしにくい。大抵の魔術妨害をするときは魔素の配列を乱して魔殻に込められた情報を使えなくさせるのがほとんどだ。もちろん魔素そのものの存在に対して効果のある魔術妨害もあるが、実戦ではまず使わない。使用する魔力が阿呆みたいに高くなるからな。それともうひとつ、お前には魔素に属性をつけることだ。解ると思うが属性がついた魔素とついていない魔素では効率、威力が違う。魔素に属性ついたのとは違う属性の魔法を行使すれば威力が落ちたりすることがあるが」


 そう言いながらイーザ先生はコートの懐のあたりから白い玉を取り出した。


 「それはなんですか?」


 「これでお前の得意な属性を見る。すべての魂を持つ存在がが持っている”在”以外の属性を調べる。まず手を置いて魔力を流せ」


 言われた通りにすると玉から3つの色が出た。白と灰色、黒だった。


 「ふむ、”聖”属性と”虚”属性、”魔”属性か。”聖”属性の方が比率が大きいな。お前が魔素に纏わす属性は”聖”属性だ」


 「ハードルが一気に上がっている気がするんですが?」


 「もっと上げてほしいか?」


 「誠心誠意、努力して取り組みます」


 「うむ、よろしい、それと魔技の修行も続けろよ」



 そうして、地獄の授業がいまここに開幕したのだった。



 = = = = = =



 剣術の時間


 「これからは魔技を使った戦いの指導をこれから始める」


 あれだ、ちょうど家庭教師の指導が始まってから一年だから修行の内容が一段階上がっているのだろう。僕はただ遠い目をしてこの世界の無情さを噛み締めるのだった。うれしくない。


 剣術の修行は本当に実戦がメインになってきた。そしてイバリ先生にボコボコにされた。



_____________________________________




  地獄の授業が始まって数週間後、初めてナータリウヌ家の店に入るわけなんだが、これはナータリウヌ家の次男としてどうなんだろうか?毎日勉強して、魔法の練習をして、剣術の練習をして、授業しかしてない⁉︎そんなことはない陰日に授業はないし一週間に一回は休みがあった。そのとき俺は何をしていた?本を読んだり、家族(主にシャー姉)と話したり、以上、これだけ。なんてひどい幼少期、他の子だと泣いちゃうぞ。


 「どう思った?」


 まだ外見しか見ていないのに質問をしてくる父のクラリウス。


 「大きいですね」


 そう、ナータリウヌ家の経営するナータリウヌ商会の本店はとても大きいのだ。100年近い歴史を誇る商会であり今だに衰えを知らない。経営状況は不動の盤石で持って赤字の「あ」の字もない。そのナータリウヌ商会の本店は3階建で、周りの家の敷地回ってみた感じ、5こ分はありそうだ。一階は透明の金属で店内がわかるようになっており、左側には服が並んでいる。開いている入り口を入って右側は外から見えないように普通の金属、レンガでできているように見える、本当に外見上はだけど。絶対高い素材を使っているんだろう。さて右側と左側は区切ってあり左側は食べ物などが並んでいた。父は物珍しそうに店を見ている僕にはあまり気を留めていないようでどんどん先へ行く。ついて行った先にはエスカレーターがあった。父と一緒に乗った。着いたのは3階。「好きに見ていなさい。後で迎えに行く」と言って父はどこかへ行った。暇なのでぶらぶらと歩いた。3階は武器が置いてあった。あまり興味が湧かなかったので2階に階段を使っておりた。日用品、本などが置いてあった。本を読んで時間を潰したらいつの間にか父が迎えに来ていた。


 「今日、店を見てどう思った」


 父が言った。


 「いろんなものが置いてあるね」


 「何か気に入ったものはあったか?」


 「……本」


 「そうか、本か。面白かったか」


 「見ていて飽きはしなかったよ」


 「そうか」


 その後、どうでもいい話をして家に帰った。父は何をしたかったのだろう?謎だ。けれど、陽日の休日をこういうふうに使うのも悪くはないと思った。



主人公はちゃんと剣術の授業もしてますよ(話は短いけど)。

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