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ユリカ界  作者: 碾貽 恆晟
第1部 2つの勇者の物語
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第1章 8話

誤字報告お願いします。

出来るだけ直します。



 俺は自分の魔法の属性が判ってから、徹底的にその属性の得意、不得意を叩き込まれた。”在”の属性。これは全てのものに宿る魔素だそうだ。よってこの属性は誰もが持っている属性ということになる。そして、この属性は他の属性と組み合わせることでその組み合わせた属性に補強をしてくれるのが最大の特徴だ。例えば、”火”の属性に”在”の属性を補強すると、火という現実がここに在るということを補強してくれるからだ。なので、”在”の属性を自由に扱えるようになると事象の改変が楽になる。次は”聖”の属性。これは事象魔術がなく、概念魔術しかない。これはどういうことかというと、先ほども例に挙げた”火”の属性で説明しよう。”火”の属性には実際の”火”という事象と、不死などの概念魔術がある。このように、属性には概念魔術しか存在しない属性がある。これを概念属性という、またこれ以外の属性を混合属性と言う。概念属性には ”創” ”滅” ”在” ”虚” ”生” ”死” ”聖” ”魔” ”時” ”空” 最後に”幻”の11つの属性がある。僕が持っているのは何れも概念属性だけだ。そんな話は置いておいて”聖”の属性について話を続ける。”聖”の属性は治療、結界、魔を払うのに使うことが多いい。僕は違うこともできるけどこれはまだ実戦で使えるようなものじゃないので秘密。また話が傍にそれそうなので次に行く。次は”聖”属性と対になっている”魔”の属性だ。これは、使う人のイメージが顕著に出る属性の一つ。肉体の強化、支配などが最もたる例だろう。これに関しては、”聖”の属性と合わせて使っている。なぜなら”聖”と”魔”の属性を合わせて使うと相乗効果ができるものがいくつかあるから重宝をしている。一番判りやすいのは肉体の強化だろう。肉体の強化と治癒が両方行われるので魔素が尽きない限り疲労が蓄積されにくいようになった。修行が厳しくなったので嬉しくない。まぁそんなことは傍に置いておいて最後に”在”の属性と対になる”虚”の属性。こいつが曲者で、”在”の属性と一緒に使って初めて効果を成すというものだった。”虚”の属性は存在をうつろにするというのが根本的な能力なので攻撃で相手に投げた物を実際にはない物としたり、魔術において”在”の属性で存在をあることにしつつ”虚”の属性で実際には無いように欺いたりすることができる。攻撃魔法もあるがやりすぎ感が否めない。なぜならその魔術が存在を虚無とするからである。”滅”の魔法と何が違うのかいまだによく判らない。イーザ先生には違うということが判っていればいいそうだ。


 そして、習った魔術を実際に使ってみようとなったのが半年前。結界の魔法を使うためとイーザ先生から容赦なく放ってくる攻撃魔法を必死で防ぐも地面からの攻撃は予想できずもろにくらい。”聖”魔術や”魔”属性で作った魔術の槍や弾丸は同系統の魔術で相殺され、それらを数を増やし至る方向から攻撃しても結界で防がれ。数日間は落ち込んだ。今ではどうにか相手になってきているので魔法戦もできるようになっているが、一度も勝てていない。


 「また負けた」


 「ふん、まだ数年しか生きて居ないお前に負けたら私はサケリウス帝国最強の魔導師の看板を下ろさなければならなくなるぞ」


 「サケリウス帝国最強の魔導師、誰がですか?」


 「私がだよ」


 「いつからですか?」


 「200年くらい前からだな」


 「僕の聞いた人の寿命とかけ離れているんですが」


 「言ってなかったか?私は魔人だぞ」


 「魔人……、ってなんですか?」


 「教えてなかったか?」


 「はい」


 「それでは説明しよう。人間は魔法使いであれ剣士であれ鍛冶師であれ、魔素を無意識に使う。この魔素は使うことによって肉体と親和性が高くなる。そして、その親和性がある一定の基準を超えた時、人は魔人となる」


 「どれだけ魔素をうまく使えるかってことですか?」


 「それだけとは言わないが魔人になるにはそれが一番の近道だな」


 だったら魔素をもっとうまく扱えるようになったら魔人になれるのか?


 「お前は私より魔素の扱いに関しては上になってきているからそれ以外の何かを鍛えないと変わらないと思うぞ」


 「そうですか」


 「魔素の量でしょうか」


 「最近、私を超えただろ」


 「……」


 「お前は、まだ体が大人になっていないのが一番の理由だと私は思うが」


 「なぜですか」


 「お前の年は、4歳か」


 「4歳半です」


 「どっちだっていいが、その歳はまだ成長期だ。余程のことがない限り魔人にならないぞ」


 「そうですか」


 「10歳までは魔人にはならないのが普通だ」


 「例外はいるんですか?」


 「一応な」


 「ヘ〜」


 「ほら、休憩は終わっただろ、始めるぞ」


 「は〜い」


 疲れた。もういやだ。これが今日の感想だった。



_____________________________________



 「そろそろ教会の洗礼式だな」


 「そうですね」


 「お前は”聖”属性を持ってるから教会に勧誘されるかもな」


 「縁起でもない」


 「いやいや、魔力が多くてさらにサケリウス帝国最強の魔導師と鬼剣の弟子、実戦経験がないのを差し引いても、これほどお買い得な人物はそうそういないぞ」


 「あの鬼剣って誰ですか」


 「お前の剣と武技の授業を担当してるやつだよ」


 「……やっぱりそうですか」


 「知らなかったのか?」


 「知るわけないじゃないですか」


 「ふ〜む、そうか」


 「だいたい、どうしてそんな人たちに家庭教師をしてもらっているのか理解に苦しむんですが」


 「それはお前の父親が、見てやってくれと言ったからに決まっているだろう」


 「いったい父はなんなんですか」


 「サケリウス帝国最大の豪商だろ。人脈が広いのは当たり前だろ」


 「よく来ましたね」


 「一回見てダメだと思ったらもう来なくてもいいと言われたので、そこまで言うなら来てみたらこいつは、と思い修行をつけてやることにしたんだ。私の弟子は少ないぞ。よって教会は絶対お前を勧誘する」


 「”魔”属性持っているんですが」


 「教えたろ。”聖”と”魔”の属性を合わせて使うと混沌属性になる。”在”と”虚”の属性を合わせて使うと現世うつしよ属性。因みにだけど、”創”と”滅”を合わせて使うと常世とこよ属性となって、”生”と”死”だと不滅属性となる。これらはとても貴重な属性だ。なぜなら、事象魔法の属性を持っている人の方が圧倒的に多いからだ」


 「けど、どれか一つなら珍しくともなんともないでしょ」


 「そうだ、二つの相反する二つの概念属性を持っているのが珍しいんだ。引っ張りだこだぞ。くくく」


 「何笑ってるんですか。弟子の大事ですよ」


 「お前にとってはそこまでじゃないだろ。一生に一度の洗礼式だ。せいぜい楽しめ」


 「洗礼式は何度かあるでしょう」


 「そりゃあそうだが初めての洗礼式は5年前に生まれた子供全てを一度に集めるのは盛大にやるからだぞ」


 「そうですね」


 「うむ、解ったら修行を続けるぞ」


 無慈悲だ。やはり教会の勧誘なんかより絶対修行の方が疲れる。


話、動いていますよね……?

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