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    4 【勇者の心得と適性検査】

 僕達は試験会場である教会へ向かっていた。

 会場の入り口には白猫が座っており、白猫が受検者たちを案内している。


『入場順で扉に入ってください。転移魔術で各試験場へ進めます』


 転移魔術か。この前マリルに教わったな。とても便利な魔術だった。


「ゼインが先に入っていいよ」


 後も先もあまり関係ないような気もするが、今は何を言っても意味がない。試験に集中することにしよう。

 僕はマリルが言った通り先に扉に入った。すると一瞬体が発光し、気づいたら何もない部屋にいた。

 なるほど。転移魔術で受検者を各試験場に移動させたというわけか。不正をさせないための対策といったところだ。

 何をさせる気かは知らないが、入学試験で不正などする奴が勇者になれるとは思えない。――とまあ、難しいところだな。

 ――すると、頭に女性の声が響いた。


『ただいまより、適性検査を開始します。この説明は一斉に放送されています。では、はじめます』


 ふむ。これは《念話》の魔術か。

 これも不正対策だな。


『質問1。神聖剣を使っていたと伝わる異世界から来た来た勇者の名前は?』


 これは簡単だ。僕は自分の名前しか覚えていなかったわけではない。

 何故かはわからんがこの勇者の名前だけは覚えていた。まあ、記憶を失う以前にこの勇者にものすごく憧れていたとかそういう理由だろうが。

 答えは、サクラ・テンドウ。――勇者サクラだ。


『質問2。勇者の従霊は主に白猫と言われています。では、他に従霊にできる精霊を挙げてください』


 従霊とは勇者に従える精霊のことだな。教会の前にいた白猫も、この学園の教師の従霊だろう。

 答えは、精霊なら何でも自分の従霊にできるだ。――ある意味引っかけ問題だ。

 まあ、人型の精霊やユニコーンなどの精霊は従わせるのが困難だがな。

 ただし、魔精霊だけは、勇者は従わせてはならない。魔族領域に生息する精霊だからだ。


『質問3。「勇者の心得」を全て答えなさい』


 ふむ。「勇者の心得」か。これは適性どうこうの問題ではなく、勇者を志すのであれば知らないとまずいのではないか?常識だぞ、これ。

 ――まあ、勇者も知らなかった僕が言えることではないがな……。

 確か内容は、


「一つ、魔族を許してはならない。

 一つ、魔族を殺すことをためらってはならない。

 一つ、聖剣を手放してはならない。

 一つ、仲間を見捨ててはならない。

 一つ、魔族になってはならない。」


 だったな。

 中にはかなり聞いていて気分の悪いものもあるがな。


 このように勇者や魔族に関する質問が20分ほど続き、終わると新たな扉が現れていた。


とうとう始まった入学試験——

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