幕間書簡(13) ユーゼフ・バランとエルヴェ・ルクラ・クラルメ
みなさま
いつも『神霊術少女チェルニ 往復書簡』をお読みいただき、ありがとうございます!
『〈連載版〉』で第3部分が最終回を迎えたのに合わせて、今話にて、『往復書簡』の連載投稿につきましても、約2ヶ月のお休みをいただきたいと思っています。
それに合わせて、須尾見より、みなさまにお知らせ(連載終了ではありません!)があり、10月1日に活動報告ページに記載させていただいていますので、ご覧いただけましたら幸いです。
須尾見蓮 活動報告ページ
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1888685/blogkey/2870323/
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『往復書簡』の連載投稿再開は、12月6日(月)を予定していますので、お知らせをご覧いただき、また、『フェオファーン聖譚曲 op.Ⅰ 黄金国の黄昏』(https://ncode.syosetu.com/n9771hf/)をお読みいただきながら、チェルニと須尾見のことを忘れずにいていただけますとうれしいです!
また、書籍プロモーションのためのショートショートレビューも募集させていただいております。皆様のお言葉で、ぜひ『神霊術少女チェルニ(1)神去り子爵家と微睡の雛』を盛り上げていただけましたら幸いです。
○『神霊術少女チェルニ』ショートショートレビュー募集企画
https://forms.gle/u39WQqTSEbAgtzVUA
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どうぞよろしくお願いいたします!
幕間書簡(13)
ユーゼフ・バランとエルヴェ・ルクラ・クラルメ
〈キュレルの街の町立学校で校長を務めるユーゼフと王立学院の前学院長であるエルヴェとの書簡〉
∞
エルヴェ・ルクラ・クラルメ先生 御机下
朝晩、いくらか冷え込むようになってまいりましたが、お元気でいらっしゃいますか、先生? 大切な御身なのですから、くれぐれも無理をなさらず、ぬくぬくと着膨れしていただきますよう、お願い申し上げます。
さて、いつもお心にかけていただいております、不肖の弟子から、先生にご報告がございます。わたくし共の町立学校の天才児であり、可愛い教え子でありますところのチェルニ・カペラ嬢が、本年度の王立学院の入学試験において、外部受験生として試験を受けることとなりました。
先生もご存知の通り、チェルニ・カペラ嬢は、特待生としての入学が決まっておりますが、本人の卓越した実力を示し、入学後の騒音を少しでも消し去るためには、入学試験に挑むべきだと考え、推奨した次第でございます。
わたしたちの可愛い〈サクラっ娘〉は、思慮深い反面、非常に素直に好意を受け取ることのできる生徒であると同時に、困難に立ち向かう勇気に溢れております。サクラっ娘のためのみならず、ぬるま湯で茹だった傲慢な生徒たちに、大海の存在を知らしめる意味でも、望ましい成り行きであると信じております。
王立学院の生徒たちは、それなりに優秀であるとはいえ、わたしたちの可愛いサクラっ娘に及ばぬこと、火を見るよりも明らかですからな!
ということで、先生。キュレルの街の町立学校の教職員の総意として、われわれは今後とも、サクラっ娘を応援し続ける所存であり、その決意の一環として、わたくしも王立学院に職を得たいと考えております。かねてからのお勧めをお受けいたしますので、サクラっ娘を教えられる立場に置いていただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
サクラっ娘は、入学したての七歳の頃から、ずっと校長室に遊びに来てくれました。ポケットに入れた父上の手作りおやつを、小さな手で半分に分けて、いつもわたしに食べさせてくれたのです。〈校長先生の方が身体が大きいから〉といって、どんなときでも必ず、大きい方のおやつをくれるような生徒を、可愛く思わないはずがありません。
高度な学びの場である反面、心根のねじ曲がった者の少なくない王立学院で、サクラっ娘の心が傷ついたとき、すぐに支えられる場に居たいと、心より願っております。
ユーゼフ・バラン拝
追伸/
今回、王都へは単身で赴任する予定でおります。わが恐妻は、わたくしと王立学院の相性の悪さ……というか、驕慢な貴族に対して、いたずらに反骨精神を発揮してしまう、わたくしの悪癖を理解しており、すぐにキュレルの街に帰ってくると思っているようです。教育者たる者、可愛い教え子のためなら、耐え難きを耐える生き物である点、理解しておらぬようです。今度こそ、短気を起こして帰ったりしませんよ、わたくしは!
←→
親愛なるユーゼフへ
相変わらずの手紙をありがとう。まったく、きみときたら、とことん権威や身分というものが嫌いなのだね。大抵の者の場合、そうした反抗心は、〈妬み嫉み〉と表裏一体になっているものだが、きみは違うからね。
きみのことを、〈学会の反逆児〉と呼ぶ者もいるけれど、それほど可愛げのある者ではないと、わたしはいつも思っている。ユーゼフ・バランは、革命家だよ。国の体制そのものに牙を剥きかねない、筋金入りの革命家だ。ルーラ王国が安定した国であり、きみの関心が学問に向いていたのは、僥倖だったと思っているよ。
さて、その反骨精神に溢れたユーゼフが、遂にわたしの招聘に応じてくれたこと、誠に嬉しい。きみの素晴らしい学識によって、ルーラ王国の中枢を担うであろう子供たちに、薫陶を与えてやりたいのだよ、わたしは。
きみのことだから、〈サクラっ娘〉のためといいながら、学ぶ意欲のある全ての生徒に、等しく手をかけてくれることはわかっている。よろしく頼むよ、ユーゼフ。
それにしても、チェルニ・カペラ嬢にお目にかかれるのが、今から楽しみで仕方がないよ。ユーゼフが天才児と呼び、〈神威の覡〉で在られる御方様が特別視なさり、錚々(そうそう)たる方々が推薦者として名を連ねられ、あの高徳のコンラッド猊下に王立学院を威圧させた少女……。
わたしなどには、とても想像が及ばず、興味を掻き立てられているのだよ、ユーゼフ。何よりも、小さな手でおやつを割って、大きい方をユーゼフに差し出してくれた、可愛い〈サクラっ娘〉に、わたしも早く会ってみたいものだ。
できたら近々、王都まで出てきてはもらえないかね? きみの職務内容や、単身赴任する家についても、打ち合わせをしておこう。きみに会えるのを、楽しみにしているよ。
エルヴェ・ルクラ・クラルメ
(前書きと同内容です)
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