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そして、突然の襲撃者と魔物 01

 

 

「あら、次のお客さんは可愛らしいわね?」


 女性はこちらに気がつくと、この沢山の死体が転がってるという状況で、にこりと笑った。


「どこかで見たことあるわね。確か、お国で有名な騎士さんだったかしら?」


 女性の手には、鉤爪の様に曲がった形状の刃物が握られていた。


  

「あいつが、例の殺人鬼ね・・・!」

 

「その様ですね」 

  

 ミナトとヒノの二人は、女性を睨み付ける。


 

 なるほど。


 どうやら、この二人の少女は、この殺人鬼の女性を探していたのだろう。


 それで、僕の事をその殺人鬼ではないかと思い疑っていたらしい。



「騎士のお嬢さん達。腕に自信があると聞いているけど、二人だけで私に勝てるのかしら?」


 女性は挑発するように色っぽく笑う。



「随分と自信家ね。悪いけど、私たち二人だけどは言ってないわよ」


 すると、外で慌しい足音が聞こえる。



「あら?」 


 そしてホールの扉が乱暴に開き、数人の兵士達が姿を現した。



「まぁ、私達二人でも十分勝てるだろうけど、途中で逃げられても困るからね。外は完全に包囲させてもらったわ」


 窓の外には兵士達の姿が見える。


 どうやら、援軍は今入り込んできた兵士達だけではないらしい。


 大勢の兵士達がこの建物の周りを囲い込んで、完全に包囲している。



「沢山の仲間を殺した罪は償ってもらうわよ。この殺人鬼め!!!!」


 ミナトの握る剣の刃が、眩い光の粒子に覆われる。

 

 僕にはそれが一体何なのか理解出来ないが、間もなくここで戦いが始まるのだろう事は理解出来た。

 


(・・・やばい)


 どうしよう、ここにいたら戦闘に巻き込まれてしまうだろう。


 何処かに逃げなきゃと思い、こっそりと二人から距離をとっていると。 



「うふふ。ところで、私も一人だけとは言ってないわよ?」


「なんですって?」

 

 それを聞いて、ミナトとヒノの二人が、キッと僕を睨む。



「ち、違う! 違うから! 僕は何も関係ないです!」


「そんな言葉、信用すると思ってるの!? もし妙な動きをしたら問答無用で切り刻むわよ!? いい!?」


 なんて理不尽なのだろう。


  

 その時、地震でも起きたのか地面がぐらりと揺れる。


「っ・・・!?」



 地震は一瞬で収まったが、しかし。


 

 バリン!!! と窓ガラスを突き破って、一人の兵士がホールの中に入り込み、そして床に転がり落ちた。



「なっ!?」


 その兵士は手足があらぬ方向にへし折れている

 

 最早、息はないだろう。


 割れた窓からは、黒く長い何かが不気味に蠢いているのが見えた。



「・・・今のは、魔物!?」


 ヒノが呟く。



「ふふふ。紹介するわ」


 

 そして、バキバキバキ!!! とホールの壁を突き破り、黒い巨大な生命体が姿を現す。


 その姿はまるで巨大なタコの様で、身体からは大きさの異なる触手が幾つも生えている。


 その胴体の上部には、鋭い牙の生えた大きな口が開いていた。


 

「私のお仲間よ。名は"魔海"」



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