かわいい男の娘には、逆ラッキースケベをさせろ。
とりあえず、衣服を洗濯している間は、ヒノの私服を借りてよいということで。
だったら、遠慮なく着させて貰おうじゃないか。
今の僕は美少女の姿(男の娘だが)なのだし、可愛い服も似合うだろう。
それは良いとして。
そろそろシャワーを浴びる為に、服を脱ぎたいのだが―――。
「あの、ヒノさん? どうしてまだ僕の部屋にいるのですか?」
「はい? 何か問題ありましたか?」
「いやいやいやいや! あるよ!!!」
この部屋はシャワー付きだ。
だが、着脱室までは付いていない。
一応、台所の様なスペースで仕切られてはいるが・・・。
ほぼ丸見えである。
「僕ですね、今からシャワーを浴びます。
その為に、今から服を脱ぎます。
でも、ヒノさんがいるので服を脱げません」
「何故、私がいると服を脱げないのですか?」
「あのね! 男の子だって裸を見られるのは恥ずかしいんだよ!!!
「でも、女の子だって、気になる方の裸には興味あるんですよ?」
「変なとこで対抗しないで!? というか見る気マンマンじゃん!?」
ヒノは真面目な少女なのだけど、どこか世間とはズレてる節がある。
「まぁそれは冗談です。とはいえ服を洗濯するにも、まず脱いでくれないと出来ませんので」
ちょっと待って、この子「冗談です」と言えば、なんでも許されると思ってないよね?
「それは確かにそうだけどね!? 脱ぐまでは外に出ててもいいんじゃない?」
「うむ、それもそうですね。ではそうします」
そうして、ヒノは一度だけ何か悩んだ顔を見せると、部屋の外へと出て行った。
一瞬何を悩んだのかは、考えない事にしておこう。
「・・・さてと」
上着を脱いで、ダボダボでゆるゆるのシャツも脱ぎ捨てる。
そういえばこのシャツ、こんなにダボダボだっただろうか?
どうやら男の娘になったせいか、身体が元よりも縮んでしまったらしい。
ズボンは、腰の紐をきつく縛る事でずり下がる事は無かったのだけれど・・・。
良く考えたら、僕はこんな部屋着でこの異世界をうろうろしてたのか。
魅了の魔法のお陰か、こんなダサい格好でも誰も気にしていなかったみたいだが。
などと思いながら、するりとズボンを下ろし、下着も脱ぎ捨てる。
「うーん・・・」
裸になって改めて、自分の身体の変化を感じてしまう。
肌はシミひとつ無く綺麗で、何故か毛も無くスベスベであった。
異世界に転移しただけでも不思議な事なのに、何故、姿まで変わってしまったのだろうか。
などと考えていると。
「あ、莉灰さん? そういえば、タオルを渡していませんでした」
「きゃーーー!!!」
いきなり部屋のドアが開き、ヒノが入り込んできた。
「・・・ふむ」
そして僕の方を見て、何か納得した顔をする。
「ふむ、じゃないですから! 何いきなり入ってきてるのさ!」
「いえ、タオルが無いと困ると思ったので、急いで持ってきました」
「それは確かにありがたいけど!」
「それと、脱ぎ終わったようですので服を持っていきますね」
と言いながら、ヒノは部屋の中まで入り込んできた。
「あぁ~~~! 結局こっちまで入り込んできちゃうんですかい!!!」
「莉灰さんに持ってきてもらっても良かったのですが、服を持ったままでは、前を隠せないと思いまして」
「それは・・・一理ある」
「まぁ、既に見てしまったので、一回見られるのも二回見られるのも同じだというのでしたら、構いませんが」
「あ、そうですか。見えてましたか・・・」
隠すのが遅かったらしい。
「それでは、タオルはここに置いておきますね」
「あー、ありがとうございます・・・」
「それでは、ごちそうさ・・・失礼しました」
「ごちそうさまって何!?」
そうして、ヒノは僕の脱ぎ捨てた服を持って部屋を出て行った。
「まったく・・・」
・・・カギをかけてなかったのも良くなかっただろうか。
タオルはもう貰ったし、念の為にカギを掛けておこうか。
そう思い、ドアへ向かうと。
「莉灰さん? もう一つ忘れていたのですが」
「えっ?」
またまた突然、ドアが開き、ヒノが部屋に入ってきた。
「あ・・・」
しかも今度は、真正面の、至近距離である。
「・・・莉灰さん、シャンプーとボディソープを忘れてました」
流石に、ドアを開いた目の前に僕がいて驚いたのか、ヒノは少し驚いた様子であった。
そして、彼女の視線は下を向いて、止まる。
「きゃーーー!!!!!!」
ヒノという少女は、真面目だが遠慮はしない少女であった。




