人類は衰退しました。安心してください、ロボットには乗ってます
スチームパンク程度の理不尽科学技術による、頭頂高8m規模のロボットファンタジー。
「聖刻」関係のすべての創作者に心からの敬意と、
「星の屑作戦」に関わるすべてに惜しみない感謝をこめて。
追記:「パンツァードラグーン」開発者への賛辞を。
「塔を建設した赤道付近の群島について、その後の気候安定はどうだ」
「年平均気温22,3度。季節偏差+-3。理想的ですね」
「条件が良すぎるな。移民部門との調整は大丈夫なのか?」
「該当の惑星、管理番号1092までは資源小惑星帯のゲートを2度乗り継ぎます。初期開拓の条件としては良くないですからねぇ」
「こればかりは、微細機械派と足並みがそろってな。情報漏洩・生命財産のリスクを低下させた研究環境の構築、ということで一致した」
「敵の敵は味方、という奴ですな」
「さて諸君、我々の遺伝情報研究が思う存分に生かせる時が来たようだ」
*
「おい、本当かよ? いまさら移民団がやってくるったって、どうすんだよ。上の連中、絶対に大丈夫だっていって好き勝手させてたろ? まずいんじゃねえか」
「微細機械での自律型疑似生命体って、要は怪獣型の殺戮ロボット作ってるわけだろ? そんなところに移民団とか、やばいだろ? なんで来るんだよ」
「ここでの暴走が問題になったらしい。保安部の噂だと、内部告発で情報流されたみたいだぜ」
「いや、うちの方はまだいい。塔で一律に制御出来るし、最悪、機能停止して回収できるからな。奴らの方は、生物兵器作ってたわけだろ? 雷をまき散らす空飛ぶトカゲとか、ファンタジーの幻獣そのものらしい。おまけに、繁殖はじめてるとか」
「それ、なんてドラゴンだよ? 趣味に走りすぎてるだろ」
「機構も、尻尾切りを考えてるみたいだぜ。研究中止命令、とか噂でてる」
「もっとヤバい話もあるぜ。『移民団の円滑な植民のために、現地で恒久的な支援を行うべし』って辞令が存在するんだよ」
「マジか、こんな僻地に島流しかよ?」
*
発:惑星開発機構管理惑星管理番号1092移民団
宛:惑星開発機構第七管区
亜空間移送門の安定度低下。
当該地域の装備にての転移不可。
また、開発機構研究チーム同士の武力衝突を確認。
救援を請う。
繰り返す、救援を請う。
*
我らが父祖は星の海を越ゆ。
星々を渡りて、この地に降りぬ。
あまたの竜・甲獣を下僕とし、楽園を築けり。
されど、父祖のうちに罪深き者あり。
望むこと多く、我らが神の裁きを受く。
かくて、我らは罪の子は、贖罪の日々を過ごす。
神の許し給う日まで。
神の許し給う日まで。