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敵艦隊ヲ迎撃セヨ!!  作者: 信濃
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七話 再会・・・

前回の続きです。

弟「神野圭一」だった。


神野(幸市)は身内との再会に心底驚いていた。

もともと神野は尋常小学校を卒業したが実家の奉公先が見つからず口減らしなどのため軍隊に入った。うってかわって弟の圭一は運動も勉強も出来、地元からは「一高も夢ではない」と神童扱いされていた。

昨年に貰った「一高に入学するのが楽しみだ」という旨が書かれていた文をもらい神野も嬉しかったのを覚えている。

本来ならば勉学の道を進んでいるのにどうして軍隊の身で目の前にいるのか・・・それにあっけにとられていた。

驚いていたために黙ってしまった神野を圭一は兄の体に異変があるのではと思い彼に声をかけていた。

「兄貴、大丈夫か?俺の事、分かるか?」

まるで精神病者に話しかけるようにゆっくり話していた。その声に目を覚まされて神野は一呼吸をおき答えた。

「ああ・・・大丈夫や、直撃やないからたいしたことは無いで圭一・・・」

その言葉に安堵したのか圭一はほっと胸をなでおろした。

だが大丈夫といっても頭に捲くりつけてある鉢巻はほぼ白を残さず、真紅に染まっていた。頭の処置も必要だがまず確認しなければいけないのは瞳孔の確認だった。

圭一は白衣の左胸にあるポケットに突っ込んでいた小さめのライトで神野の目を左右交互に当てて瞳孔の状態を確認した。

もし異常があれば脳震盪の可能性があったが、異常はなく脳などの内部の損傷は無かった。それを確認し、圭一はぬるま湯を含ませたガーゼを持ってきて鉢巻に押さえつけた。

神野は傷口に染みて少々痛がっていたがこの処置をせねば血で頭にへばりついた包帯を取るときに頭皮と一緒にはがれ、ケロイド状態になるので必要な処置だった。

頃を見計らって包帯を丁寧に剥ぎ取ると黒々しく血が固まった傷口が見えた。

もちろん圭一にしか見えず神野は何も思っていない。

少々厄介やな・・・と圭一は考えつつも新しいガーゼに消毒液をつけて傷口の周りを殺菌し、終えた後一応他の部位も消毒を始めた。

その一連の行為を神野はまるで行水のように感じていた。

「よし・・・これでええ・・・」

その声でうとうとしていた神野ははっと起きた。あまりにも気持ちよすぎて眠くなってしまったのだ。

「ああ、ありがとう」

お礼を言うと共に神野は尋ねてみた。

「どうしてお前は軍隊にいるのか」

と・・・それは「どうして学問の道に進まなかった」その意味も含まれていた。それを聞いた圭一は少し顔に陰りをおびさせた。

「親父が借金の連帯保証人になってたんやけど・・・当人がおらんようになって保証人に役が回ってきたんや・・・うちには兄貴が稼いでくれとったお金でやりくりしてたんやけど、あまりにも多額すぎて家が倒産しそうになっとる。だから俺は軍隊に入った。」

先ほど書いたとおり神野は口減らしのために軍隊に入ったと書いたが、それと共に神野は圭一のために一高の授業料を負担してやろうと考えていた。

それももはや夢の藻屑となった。

兄貴として何かしてやろうと考えていたが何も出来なかった・・・

その声は神野にさらに無力感を与えていた。




どうもこんばんは。最近カメラの70Dを購入した信濃です。

個人的には70Dのフォルムがとっても好きです。中古じゃないです。

今回の作品はぶっつけ本番で昼ぐらいに執筆していたのですが間違えてページダウンしてしまい合計5000文字がなくなりまして・・・ストーリーが変わっているところが多々あると思いますがご了承ください。そしてあと一話か二話をはさんで遂に違う章(?)に移りたいと思います。神野さんの弟さんは原作では「神野守」でしたが2005年に放送された「男たちの大和」に影響されていた時代だったので、登場人物の「内田守」に似てるやんけ!という事で変えさせていただきました。ご意見・ご感想おまちしています。

日本は反逆ののろしを上げる事はできるのか!?次回もお楽しみに!


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