三話 敵機来襲
三話目です。読んでいただき大変ありがとうございます!
1939年12月8日未明
「う~さぶ・・・」
少し明るい夜道をある一人の水兵が歩いていた。
「しかし・・・ここいらで雪が降るなんてなぁ・・・」
此処は日本一、ニを争う海軍の軍港、そこの海を見渡せば連合艦隊の戦艦群が日の出の僅かな光を浴びてシルエットを浮かばせていた。
そう、呉軍港なのだ。この水兵は寒いのも暑いのも嫌ということでここ呉軍港に配属されたのだった。寒さのせいで平均男性の身長より少し低い彼は前かがみになり身長は更に小さくなった。彼は体を震わせ足早に自分の‘‘家‘‘へと帰っていくため港町を過ぎていく。
10分たってようやく彼は‘‘家‘‘もとい海軍兵舎に戻ったのだった。
その時にはもう雪はやみ朝日が昇ってきていた。
「うわあ・・・もうこんな時間か・・・」
もう一眠りしたいと考えていた彼は朝日の昇り具合からその考えははかなく消えてしまったため一人つぶやいていた。
「よお」
そんな彼を気にせず上から声をかけられた。
そこには長身の水兵がもう一人立っていた。
「おう渡部、早い出勤だな?善行章があと二つは増えるぞ?」
彼は上を見上げるように言った。
「よせやい、両方とも‘‘抜け出し‘‘だろ?神野?」
彼らもまだ10代後半,遊びたい年頃であった。
夜に抜け出して遊びに行くのは日常茶飯事であった。
そこから何気ない話をして厳しい軍隊の一日が始まる・・・はずだった
渡部は海の向こうから一機の航空機を見た。
「ん・・・?演習か?」
「どうした?渡部」
神野は背が低く見えないようだ。
「ほら、乗れ」
渡部は神野を肩車した。ーいつもこのようなことをしているため二人には
「お馬の大将」というあだ名が付けられているのはまた別の話である。ー
神野は肩車をしてもらい手をひさしのようにし、目を凝らすと一機の航空機が見えた。
「おー航空機か!演習かもしれんな?」
「いや、演習とは聞いていない。輸送機かな?」
「このあたりには滑走路は無いよな?渡部?」
「ああ、じゃあなんだろう・・・編隊できてるし・・・第一航空戦隊の協力の抜き打ちの訓練かな?」
「それはありえるかもな・・・ま、早起きした甲斐があったもんだ。」
このように考えられるのは神野しかいないだろう、と渡部はひそかに心の中で思った。
「そうだな。」
と答え二人は笑っていた。
しかし彼らの笑みはすぐに消えた。
航空機が一斉に軍艦、軍需工場にふりかかり爆撃したのだった。
それに機銃掃射も鬼のごとく猛威を振るっていた。
敵戦闘機の搭乗員は神野と渡部を見逃してはいなかった。
高度を下げ速力を落とし確実に狙いを定めて7.7mm機銃の発射レバーを引いた。しかし神野らは咄嗟に障害物に身を隠し難を逃れた。
7.7mm弾が虚しく彼らがいた地面を掘り下げていっただけだった。
命拾いをした彼ら二人の頭上を戦闘機が通り過ぎていった。
「神野・・・さっきの見たか?」
「ああ、国際標識こそ塗りつぶされていたがあれはF4F・・・アメリカ海軍だ・・・渡部どうする?」
二人は目配せした。当然やる事は目に見えている。しかし、目の前で起こったことが大きすぎて行動できないのだ。だが次の瞬間彼らは同じことを考えていた。
「俺達が行動しないと、多大な犠牲者が出る」と・・・
その考えが浮かんだ瞬間彼らの行動は早かった。
渡部は衛兵所に行き電話で・・・
神野は伝室へ行き電信で・・・
「「敵機来襲!!これは演習ではない!!」」
この伝令は日本に激震を与えたのだった。
二人の運命と日本の運命は世界に巻き込まれていったのであった。
ついに登場人物が出てまいりました。神野さんはもともと原作では菅野でしたがデストロイヤーと被ってしまう!という事で変えさせていただきました。
勿論登場人物はまだまだ出てきますが主人公はまだ決まっておりません。
読んで頂きありがとうございます!どれほどの方に読んでいただけているのかは分かりませんが自分の作品を読んでいただけるだけでうれしいです!
本当にありがとうございます!




