一話 激動 ~男たちの戦い~
一話 激動
敵艦隊、貴艦隊ヨリ距離約200マイル、〇―九―九、速力三十ノット、Z級空母ヲ含ム
空母二、戦艦五、護衛空母三、巡洋艦五、駆逐艦十三ナリ。甲板ニ敵機ナシ。
G島からの二式水上偵察機(二式水偵)からの連絡は艦橋に激震を与えた。
こちらの艦隊は、正規空母三隻、戦艦二、軽巡洋艦四、駆逐艦七、特殊潜航艇四隻
並びにラバウル基地の荒鷲たちである。おそらくこれは敵艦隊の強襲であろう。
我が鎮守府に攻める足がかりとしてこのラバウル基地が敵は欲しいのだろう。
「閣下・・・ここは迎撃すべきと自分は考えます」
隣に居た主席参謀が言った。
はたしてそうだろうか。自分は冷静になるため目を閉じた。
確かに航空機の数ではこちらが有利だ。
しかし、ラバウル基地に居るパイロットは実戦を未経験のパイロットは半数以上だ。
未熟なパイロットは迎撃並びに直掩に上げよう。
残りの航空機は敵艦隊にむかわせるか?
いや、今ラバウルにあるのは、一昔前の九九艦爆と九七艦攻だ。
魚雷並びに二五号爆弾、六〇号爆弾も足りない。これでは、彼らは敵の餌食になるだろう。
もし、敵艦隊が突破してきて艦隊決戦になったらどうする?
我々の大事な正規空母並びに貴重なパイロットや乗組員の命が奪われる。
それは避けたい・・・
私は目を開けた。艦橋に居る全員の視線が私に集まるのを感じた。
私は一呼吸おき、気になるあの事を航海長に聞いた。
「敵艦隊の主目標が現在地であるとして、会敵はいつだ。」
質問を聞かれた航海長は先ほどから海図と睨み合いをしており何かを計算していた。
もはや私が聞く前に計算を済ませているだろう。
「敵補給地があり敵は補給を優先すると見て・・・恐らく二十七時間後かと!」
時間はあるな・・・
「砲術長、弾・装薬はあるか」
電声管から少々くぐもった声が聞こえてきた。
「はっ、満杯であります」
ふむ・・・決断するしかあるまい・・・
「通信長!近くの軍港に打電!“至急応援ヲ求ム”だ。暗号はいらんぞ、平文で打て」
「了解!」
通信長は伝令にその旨を伝えた。
伝令が艦橋のドアを開け、勢いよく外のラッタルに姿を消した。
その瞬間から、艦橋内、いや、艦隊が動き出した。
そう、先ほど私が出撃を命じたのだから。
どうも作者(?)の信濃です。読んでいただき真にありがとうございます。
初めての小説また執筆なのでお見苦しい点もたくさんありますが蔑みの目で見てください。よろしければご意見なども頂きたいです。
また、この場をお借りいたしまして一つ謝らせてください。それはこの小説には太平洋戦争の頃に使われた軍艦名・作戦名・史実などが含まれています。戦争体験者の方、遺族の方・・・決して自分の作品は皆様方や英霊方を愚弄するものではありませんがもし気分を悪くされたら申し訳ありません。
以上です。重ね重ね大変ありがとうございました。