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一つの部屋に大勢が集まっていた。
そのほとんどが野次馬であり、そして異世界人どもでもあった。
「これが、姫様の死体……?」
なぜここまで野次馬が多いのか。
それは姫(2)の死体が普通と異なるからだ。
血は流れておらず、眠っているかのようだ。
しかしその両目は溶けており、まるで涙を流すように白色の液体を目から零す。
どうやらこの世界の人間は死ぬと目が溶けるらしい。
佐々木 紘一(0)が皆にそう教えていた。
彼もまたこの世界の人間から聞いたそうだ。
姫(2)は死んだ。
だが、どうやって死んだかが謎なのだ。
従者曰く、姫(2)は自殺するような人間ではない。
この世界の人間の急所が俺たちの世界と同様かは知らないが、外傷は見当たらない。
そして姫(2)は自室にて死体が発見された。
姫(2)の部屋を掃除しようとしたメイド(0)が今朝、発見したそうだ。
彼女(2)の部屋は完全に密室であり、侵入した形跡もない。
今、死体を発見したメイド(0)が犯人として、地下牢へ幽閉されている。
数十分が経つと、皆は姫(2)の死体に興味を無くして自室へと帰っていった。
いまだにこの場へ残っているのは鶴城 優斗(0)と青柳 花音(0)、山田 善悪(0)に鈴木 健(0)だけだ。
同盟を結んだ佐々木 紘一(0)はすぐに自室へと帰った。
「なあ、そろそろ俺らも帰ろうぜ」
山田 善悪(0)が話しかけてくる。
たしかにそうだ。
だが、俺は姫(2)の数字が5から2に下がっていることがどうにも引っかかる。
最初の数字を見間違えたのか?
確かに記憶が曖昧だ。
まあどうしようもない。
俺は姫(1)の死体から目を反らした。
「ッ!! やはり減っている!」
時間経過か、それとも何らかの条件があるのか。
いや、生きている奴の数字は減っていない。
死んだ奴は数字がだんだん減っていくのか!?
「青柳さん! 時間を数えてくれ!」
「えっ、あっ、はい!」
時間経過。
時間経過だとしよう。
もしも時間経過によって数字が減るなら、死亡推定時刻が分かる!
「……という訳だ!」
「なるほど……、もしかしたらあのメイドさんが犯人ではないかもしれないんですね! 分かりました、時間を数えます!」
青柳 花音(0)の能力は『十秒を正確に刻める能力』。
それで時間を計る。
そして約二時間後、遂に数字が消えた。
おそらく0になったら消えるのだろう。
5から0になるまで、10時間かかる。
あのメイド(0)は犯人ではない!
別の犯人がいる!
見つけなくては!
見つけることで俺の能力を証明しなくてはならない!




