殺人事件
「うわー、ひろっ」
「……」
浮ついた様子のクラスメイト(0)がはしゃいでいる。
俺たちは能力を確認した後に部屋へと案内された。
しかしどうやら部屋数に限りがあるそうで、二人一組で同部屋にされた。
その結果、俺は知らん奴(0)と同部屋にされた。
「うわ、窓もベッドある」
「……普通あるでしょ」
「俺んち窓もベッドもないんだ」
「なんかごめん」
「まあ嘘だけどー」
「……」
こいつクソが。
俺と同部屋のこの男(0)、身長は160もないだろう。
髪はキノコ頭でDV男のような見た目だ。
「君の能力ってさ、かなりヤバいよね」
「え?」
「だってさ、セックスしたらバレるんだろ? 君がいると絶対にセックスできないじゃん」
そうか。
そうか?
別に俺がいてもセックスはできるだろ。
「分かってなさそうだね」
「ま、まあ……。勝手にセックスすればいいのでは……?」
「そうはいかないのが人間だよ。羞恥心、それがある以上は他人にセックスをしたかどうかバレるのは嫌がるのが人間だ」
「確かに……」
「君の能力は本質的に他者を縛る事ができる。羞恥心に依ってね」
確かに、確かにそうだ。
そう聞くとなんか強そう。
「人間の羞恥心を刺激し、行動を縛る能力。それが君の能力の本質だよ」
「なんか、かっこいい」
「そこで、だ」
彼(0)は足を組んだ。
手を膝に乗せ、俺を見た。
「俺と手を組まないか?」
「どういうこと?」
「俺の能力は『相手の目を見ると相手が目を反らす能力』だ」
「はぁ」
「相手の行動を制御するという面で見ればお前と同様の能力。俺たちは協力できる」
彼(0)は俺に手を差し出してきた。
その手を取るか俺は一瞬悩んだが、しかし協力しない理由もないため彼(0)との同盟を結ぶこことした。
「お、そうだ。お前、俺の名前を知らないだろ。俺の名前は佐々木 紘一。よろしく」
そうして一晩が経過した。
朝起きると、周囲が騒がしくなっていた。
人死にがあったそうだ。
死んだのは、姫様だった。




