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没落者のソナタ  作者: 琴乃葉楓
亡国姫の独唱
4/12

焦土

()()からの話をするならば、まさに地獄絵図という表現が相応しいと思う。

放たれた炎は、最初に着弾地点周辺の木造建築を焼き、徐々に範囲を広げた上で私の求める人材以外を()()()()()()()焼き殺したのだ。

いたるところから、男女関係なく悲鳴が上がり、命からがら街を出ようと正門の前まで逃げた者たちは、料理人以外は等しく「罪の茨」によって圧殺された。


また、放たれた炎が特殊な性質を持っており、水を掛けても消火することができず、火の手から逃れようと川に飛び込んだ人間も見事に焼死した。


「《原初の火(イフリート)》。アナタのおかげで、何人も人的資源(料理人)を生きたまま捕まえられたわ!本当にありがとう!!」

すると、原初の火は嬉しそうに私に近寄ってきたかと思うと、急に跪き言った。

「私も、女王陛下の為に働けて嬉しいの!もしよければ、私に名前をつけて!そうすれば、もっと役に立つことができるようになるわ!!!」

名前ね〜、正直どうでもいいのだけど…

そう思いながらも真面目に思考を始める。

殺戮…はダメでしょ〜、さ・つ・り・く……さ・く…サク!!!

「あなたの名前は今日からサクね!!!」

めちゃめちゃ適当な気はしたが、これ以上は思いつかないと思い、早めに思考を放棄して決定してしまう。

しかし、サクはそれ以上に、私から本当に名前が貰えたことが嬉しいらしく、跪きながら「エヘへ」などと言い満面の笑みを浮かべている。

これが、庇護欲ってものなのかしら?

少し、胸の内が暖かくなったような気がした。

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