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妖刀と鬼と......  作者: 上石うらた
二章
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43話

 鬼神の手によって意識を手放した物部太郎は、暴走状態となっていた。尻尾まだ生やし、火を吐いている。この形態は言わば第四形態であろう。


「またか」


 鬼神は前回も龍化した太郎とは戦っている。その時は奇を衒った一撃により、鬼神を喜ばせることができたが、今度はそうはいかない。


 何故なら、確実に鬼神が太郎の一撃を封殺していくためである。殴りも蹴りも何もかもを一つずつ確実に沈める。


「ギィァァァァ」

「尻尾まで生やしおって......ちょうど良い。ここで躾けてやるか」


 太郎の一撃一撃を潰し、そして満を辞して太郎を落としにかかる。鬼神が軽く絞めると暴走した太郎の意識が再び途切れる。


「起きろ」


 鬼神は脳へ血の巡りを促すために、鳩尾を押し込む。


「ぱぁっ!!」

「起きたか。龍化をしろ」


 目覚めたばかりの太郎には伝わっていない様子であるが、鬼神は有無を言わせない。


「わからぬか? ならばまた眠れ」

「な......!!」


 太郎が言葉を喋る前に、太郎を暴走状態へ促す。現状、太郎の龍化は感情の起伏が激しくなった時と、自らの防衛のためにしか発動できていない。


 これを自らで扱えるまで鬼神は、太郎を何度でも暴走状態にし、落とし続ける。


「起きたか。では龍化をしろ」

「だから......う!?」


 6度目の目覚めである。何度も何度も倒されたことで、3回目にはすでに太郎は、自らが危険な状態にあると理解していた。そして遂に、太郎の体と心の底までも理解したのである。これは危険な状態であると。


「お?なんだこれ? 」

「やっとか。及第点にも満たないが、これ以上待たせるのも忍びない。我に一撃を打ってみろ」


 太郎の体に現れたのは鱗のみである。だが、龍化であることは間違いない。太郎が鬼神に攻撃をしようと腕に力を入れると、腕へと鱗が移動する。


「よし!! いくぞ!!」


 走り出すとともに鱗は足に移動し、攻撃しようとすると手に移動する。確実に龍化をものにしていた。


「甘い」


 太郎の一撃は確かに威力が増していた。桁違いである。だが、鬼神は今までの一連の流れと同様に、太郎を暴走状態へ落とし、眠らせるのであった。


「守りを疎かににしあって」


 鱗の移動を攻撃に回していた。それにより、防御に回すことができなかったのである。これは太郎の能力不足である。


 そして、鬼神は、ぬらりひょんを山の中から見つけ出すと声をかける。



「そいつを持っていくことを許す」

「ありがとうございます」


 なんとか龍化を身につけた太郎は、鬼神からすれば及第点であったのだろう。迎えに来て様子を見ていたぬらりひょんに太郎を拾わせると、瞬く間に消えたのであった。


「よもやここまでとはのぅ。無事でよかった」


 鬼神の元へ向かった時は、余程のことがなければ無事で済むだろうと考えていた。しかし、想像以上に食い下がったのであろう。


 ぬらりひょんは安心からか一息つくと、少し身に余る太郎を背に背負い、引きずりながら帰っていった。


後書き無い方が良さそうな雰囲気あるので、あまり書かない方向で行きます。

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