第七話 地下
俺たちは今日もマラナさんのご飯を食べる。今日は、野菜だけでなく、肉も出てきた。久しぶりの肉で俺はメチャ嬉しくて、娘よりがつがつ食べたよ。
翌朝、
「今日から学校だよ、美憂」
いつものように服装を整えながら、美憂に言った。
「うん!パパは仕事?」
美憂が聞いてきた。
「うん。でも、明日は休みだから明日は一緒に行こうな」
俺は美憂の頭をがさがさと撫でる。
「美憂ちゃん。はいこれ」
マラナさんが制服を持ってきた。どうやら、マラナさんが着ていた物だろう。
娘は制服に着替える。
俺が言うのは変ではないがかわいい。黒の制服に胸辺りにリボン、ヒラヒラのチェック柄のスカート、悪くない。
「嬉しい!」
娘は嬉しそうにはしゃいでいる。
なんだか、和むな。俺も子供の頃は新しい制服を着たときはめちゃくちゃはしゃいだもんな。
「じゃあ、私たち先に行くね。スペアキー渡しておくよ」
マラナさんは鍵を渡して美憂と学校に向かって言った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「よし、俺も行くか」
俺は椅子から立ち上がり、鞄を持ち家から出て鍵をかける。
「よーし、今日も頑張りますか」
俺はそう言い、会社に向かって走り出す。
会社内
「おはよ、美憂ちゃんは学校に行ったかい?」
ドームさんが話しかけてきた。
「おはようございます、はい美憂はマラナさんと一緒に学校に行きました」
俺はドームさんにそう言う。
「そうかい、今日なんだけどまず、これを地下に持っていってくれるかい?」
ドームさんは書類が入った箱を渡してきた。
「え?地下って?ここ地下があるんですか?」
俺は驚く。普通地下を作るなんてここはよっぽど倉庫が無いのか。
「はい、でも地下って何処にあるんですか?」
俺はドームさんに聞く。
「ああ、そうだね。ここを出て受付の横に階段があるから、そこを降りて行けば地下があるよ」
ドームさんはそう言い、自分の席に座り、パソコンを打ち始める。
「分かりました」
俺はそう言い、部屋から出る。
言われた通りの場所にいくと、確かに階段がある。
カツカツ
俺は階段を降りる。
少し、古そうな階段。
そう思い、階段を降りるとそこに沢山の箱が置かれてある。
「こ、これは、凄い数だな。うん?ここか」
俺は空いている場所に箱を置く。
そして、帰ろうとしたとき!
「ねぇ、遊ぼうよ」
声をかけられた。振り返るとそこには美憂くらいの大きさの女の子が立っていた。俺は汗が止まらない。なぜなら、その子は半透明で、少し寒気がしたからだ。
「ひぃー!ゆ、幽霊か!」
俺は腰を抜かし動けなくなる。
女の子はそっと俺のもとに近づき、
上に乗ってきた。
「遊ぼうよ、あなたが死ぬまで一緒に、私寂しいの」
女の子は俺の顔にキスをする。
しかし、触れた感触はないが寒気が更にひどくなる。
「どうして、俺なんだ?他の人と話したりしたらどうなんだ?」
俺は震える声で女の子に向かって言う。
「みんな、見えないんだよ。でもあなたは私が見える。ねぇ、遊ぼう!遊ぼう!遊ぼう!」
女の子は急に首を絞めてきた。
「くっ、苦しい!や、やめてくれ!う、うぅ・・・」
俺はその場で気絶した。
「あれ?気絶したの?まぁ、またあなたがここに来たら遊んであげるね」
女の子はスーと消えた。
「あの!あの!」
誰かが俺を揺らしてくれてる?いや、声をかけてくれてるのか?
「う、うう」
俺は少し目を開ける。
そこには受付の人がいた。
「は!あの!俺は一体?」
俺は辺りを見る。
しかし、女の子の姿がない。
消えたのか?
「あの、気絶してましたよ?どうしたんですか?」
受付の人が聞いてきた。
「ああ、何でもないよ」
俺はもう一度辺りを見渡し、階段を上った。
うーん。
「・・・」
俺は部屋に戻る。
「あれ、遅かったわね。どうかしたの?」
ドームさんが俺に聞いてきた。
「いやぁ、何でもないですよ」
俺は苦笑いしながらも席に座りパソコンを打ち始める。
「なにかあったときは相談するのよ」
ドームさんはそう言ってくれた。
俺は頷き、仕事に打ち込む。
あの霊、誰かに似ていたような。ううん、そんなわけ無いよね。
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