第五話 馴れた仕事
俺は早速仕事に取りかかる。書類の作成、文字を打つなら朝飯前だ。俺は文字を打っていく。
カタカタ!カタカタ!
「あんた、中々やるね、昔こんな仕事してたのかい?」
パソコンを打ちながら、ドームさんが話しかけてきた。
「あ、はい。そうです。色々としごかれて」
俺も打ちながら答える。
「そうかい、今この仕事は不人気でね。君みたいな若い人が入ってくれるとありがたいんだよね。打つだけなのに何で入ってくれないんだろうね」
ドームさんはため息をつきながらパソコンを打っている。
「う~ん、まぁ簡単というか地味だからじゃないですか?俺も地味な仕事をしてきたのでこの仕事は悪くないですが、確かに、この仕事はただ打ち込んでいかだけですからね」
俺はそう答える。
俺もあの会社で部下に言われたな。地味な仕事嫌です。もっと、何か地味じゃない仕事ありませんか?ってな。でもよ。その仕事を誇りに思ってやってるやつも居るんだぜって言いたかったな。
俺はそう思った。
「まぁ、仕方ないことなのかね。まぁ、君が入ってくれただけでもありがたいね」
と嬉しそうな顔をしているドームさん。なんだかこっちも嬉しくなるよ。
そして、昼
「ふわぁ~、ようやく昼か。疲れた」
俺は椅子から立ち上がり、部屋から出る。
ギルド内には色々な冒険者が居る。それに種族も。ドワーフだったり、魔族って言えばいいか、それにエルフまで居る。ここは本当に異世界なんだとさらに実感したよ。
俺は近くの店でリンゴっぽいのを買い、食いながら、部屋に戻る。
中ではドームさんが弁当を食べていた。
「お弁当ですか?」
俺がドームさんに聞く。
「そうよ。私の主人が作ってくれてね。いつも私の事気にかけてくれるから嬉しいのよ」
と本当に嬉しそうな顔をしている。
俺は少しだけ顔が曇る。
「どうしたんだい、悩みごとかい?聞くよ」
ドームさんが俺に聞いてきた。
「実は・・・」
俺はここに来たことを話したり妻の事を話したりした。
「へぇー、じゃああんたとその娘さんは違う世界から来たってことかい?凄いこと聞いちゃったよ」
ドームさんは嬉しそうなの顔をする。
続けて、話すのだが真剣な顔になり、
「大切な人を失うのは辛いことさ。私もいつ、主人が亡くなるか分からない、だから1日1日を大切に生きようと思ってる。人の命はひとつしかないだろ、だからさあんたも娘さんと仕事が休みの時はここの世界でも目一杯遊んだりな。そしたら、辛さも少しは和らぐはずさ」
と言ってくれたドームさん。
俺はいつの間にか瞳には涙が。
「あ、涙が」
俺は手で拭う。
「男が泣くんじゃないよ」
とドームさんは背中を押してくれた。
「ありがとうございますドームさん。頑張ります」
そして、昼の時間が終わり、また仕事が始まる。
カタカタ
パソコンの打つ音が響く。
横の印刷機みたいな奴から俺が打った文字が紙に写り出てくる。
もう、この仕事に馴れたな。でも、何か楽しい。
俺は少しだけ笑顔になり、仕事をする。
そして、数時間が過ぎていき、18時になった。
「ふわぁ~、終わった。えーっとこれをここに」
俺は書類の整理をし始める。
「あんた、このあと時間あるかい?」
ドームさんが声をかけてくれた。
「まぁ、家に帰って娘と遊ぶくらいなので」
俺はそう言った。
「じゃあ、あんたの娘さん連れてきて。私はここで待ってるから」
ドームさんがそう言った。
「分かりました」
俺はそう言い、家に帰る。
走ったのでさほど時間は経っていない。
ガチャ
「おかえり、地味さん」
マラナさんが声をかけた。
近くに美憂の姿も。
「ただいま、ちょっと美憂連れて上司の所に行ってくるわ」
俺は美憂を抱き抱える。
「そうなの?今日の仕事どうだった?」
マラナさんが聞いてきた。
「うん!楽しいよ。ありがとねマラナさん」
俺はそう言い、家を出て全速力で走る。
「はぁ、はぁ」
俺は走る。
そして、上司の所に着いたのは10分位だった。
「はぁ、はぁ」
俺は息を切らし、何とか呼吸を整える。
「そんな走らなくてもいいわよ。それより、この子が美憂ちゃん。可愛いね」
ドームさんが美憂の頭を撫でる。
美憂は少し嬉しそうだ。
「何処に行くんですか?」
俺はドームさんに聞く。
「まぁ、行ったら分かるよ」
ドームさんはそう言った。
少し歩いていくと、学校が見えた。
「あれ、学校ですよね」
俺はドームさんに聞く。
「そうよ。美憂ちゃんは学校に行ってみるのはどう?」
ドームさんは俺に向かって言った。
「まぁ、勉強は大事ですからね。美憂はどうする?」
俺は美憂の方を向く。
「お友達出来る?怖くない?」
美憂は少し不安そうな顔で俺を見てくる。
「じゃあ、明日学校を見学しましょうか。明日は仕事休みだしね」
ドームさんはそう言った。
「そうですね」
俺はそう答える。
「じゃあ、ギルド前で待ってるわね」
ドームさんはそう言って家の方に帰って行った。
「学校」
美憂は学校をぼーと見ている。
「帰ろう」
俺は家に向かって歩いた。
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(by美憂)