第二十三話 理由
俺たちは何とかドラゴンを倒し、ギルドに戻った。気になったことは他の冒険者が一人も居なかったことだ。どうなってるんだ?ギルドには普通に冒険者は居るのに。
「あの」
俺は近くに居た冒険者に声をかける。
「はい、何でしょうか?」
冒険者はこちらを向く。見た目はシンプルな服装、目は綺麗なサファイア色、外国人も綺麗な目をしてるもんな。
「町にドラゴンが来たのは知ってますか?」
俺はそう聞く。ドラゴンなんていたら普通なら気づくはずだからだ。
「・・・、あの誰にも言わないでください、じつはドラゴンが居たことは知ってます。けど、僕たちはドラゴンなんて倒したこと無いし、それに急に現れたんですよね。そのドラゴンは」
俺は驚く。何で急に出てきたことを知っているのだろう。
「何でそれを、それに強い冒険者たちは居ないのかこの町には?」
俺が更に聞く。
「この町には強い冒険者は居ません。この町は僕たちのような初心者冒険者だらけ、ドラゴンなんて戦ったら負けるのは火を見るよりあきらかです。だから、陰で隠れて見ていたんです。そしたらあなたたちが来て倒したので、僕たちはここに戻ってきて休憩してるって訳です。強くなりたいですけど、最初からドラゴンに挑むバカな初心者冒険者は居ませんよ」
冒険者はそう言った。
確かに普通、スライムとか弱い魔物になれてから強い魔物に挑むのが普通だが、でも、自分の町じゃないか。守らないのか?
「急に現れたと言うのは?」
俺は気になったことを聞く。
「それなんですが、ある大陸に全てを支配する男が居るって聞いたことがあるんです。けどその大陸がどこにあるか、名前すらわからないです。多分そいつがこの町に魔物を出しているんじゃないでしょうか?何かを始末するために」
冒険者はそう言った。
「分かりましたありがとうございます」
俺はお礼をいい、自分の席に戻り、仕事を再開する。
何者かが狙っているのは多分俺たちだろう。この世界の人間では無いし、それに俺たちが居る場所に魔物がよく現れる。誰なんだ、俺たちを狙う者は。
昼、
「ふぅ、何とか昼まで分は終わった。疲れた~」
俺はため息をつき、ぼーと天井を見つめる。
「ねぇパパ、さっき冒険者に話しかけてたでしょ何話してたの?」
美憂が俺に向かって聞いてきた。
「ああ、どうやらこの町に強い冒険者は居ないらしい。今居るのは初心者冒険者だらけだそう、それでドラゴンが居ることは知ってたが怖いから隠れてたんだと」
俺はそう言った。
「え~、怖いって子供じゃないんだから」
美憂はあきれている。まぁ、普通ギルドの職員が魔物を前線で倒すなんて聞いたことない。普通なら冒険者が前線で戦うのが普通なんだかな。
「まぁ、初心者なら仕方ない怖いのは当然だ。若いのに死ぬのは親不孝だからな。気持ちは分かる」
俺はそう言う。俺も小さい頃は親に色々と迷惑をかけた。親は泣きながら心配したこともあった。自分の子供がどれだけ大事にされている事が分かったよ。
「それと、俺達を狙う者が居るらしい」
俺はもうひとつの事を言う。
「私とパパを?」
美憂が不思議そうな顔で聞く。
俺は頷く。
「そいつがどこの大陸に居るか分からんがそいつがドラゴンやらなんやら出していると言うらしい。何者なんだろうな、俺たちがなんかしたとか?」
俺は考える。しかし、今は何も思い浮かばない。
「いずれ、会うことになるかも知れないね。その人。その時は悪い人なら潰す、いい人なら話を聞く。これが良いと思う」
美憂は笑顔でそう言った。
つ、潰すって。怖!
「お昼もうすぐ終わるよ~」
サクラさんが声をかける。
「あ、はい」
俺たちは弁当を食べる。今日は動いたので腹がよくへっていた。だからよりいっそう美味しく感じたよ。
「あの?」
受付の前に女の人が立っている。うつむいているので顔は見えない。
「はい!」
サクラさんが受付に着き、女の人の前にたつ。
「今日はどのようなご用件でしょうか?」
サクラさんが女の人に聞く。
「そこに居るその二人に用があるの」
女の人はうつむきながらそう言った。
「あ、はい」
サクラさんは不信を抱きながらこちらに来た。
「あの、お二人に用があるみたいですよ」
サクラさんは俺たちにそう言った。
「え?俺たちにですか?」
俺は驚き、受付の方を見る。見た感じ、綺麗な黄色の髪、うーん、会ったこと無い人だな。
「分かりました。行こう美憂」
俺は美憂を連れ、女の人の前に来る。
「何でしょうか?俺たちに用があるんですよね?」
俺は聞く。
「外に来てください」
女はそう言ってギルドから出た。
「行こう。武器を持ってな」
俺たちは武器を背負い外に出る。
建物の隅に女が居た。
「あのなんでしょうか?」
俺が聞く。
「ふふふ、あの方があなたたちを殺せってね。あははははは」
女はこちらを見てふてきに笑っている。
目の片方が赤くなっている。
異常だ。
「あの方?誰だそいつは!」
俺は声をあらげる。
「知らないまま私に殺されるわ。私はフレアと一緒に居たいだけだから」
女は剣を俺たちに向けたのだった。
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