第二十話 サクラさんと傷
俺たちはグレードさんの屋敷に機材や物を持っていった。少し時間はかかったが全部入れることには成功。そのあと、機材や物の配置を考えていてたら、23時になってしまった。
「あ、もうこんな時間!サクラさんはもう帰ってもらって大丈夫ですよ」
俺は時計を見ながら言う。集中してたら時間なんて忘れるもんなんだな。
「大丈夫です私の家は、家に帰りたくないので」
サクラさんはそう言った。
「え?それって!」
続けて言おうとしたとき、
「パパ」
美憂に止められた。
「それならサクラさんはこっちをお願いしていいですか?」
美憂はサクラさんに向かって言った。
サクラさんは笑顔で頷き、美憂に言われた所をしている。
「美憂。どうして止めたの?」
俺は小声で聞く。
「人には聞いたらダメなところもあるの。時間が経てば話してくれると思うし」
美憂は小声で俺に言った。
そうしてやる内に0時を回る。
「ふぅ、なんとかこれで終わりだ」
俺は荷物を戸棚に置き、作業終了。外にギルドはこちらの看板も置き、これで分かるはず。
「明日から仕事ですね。頑張りましょう二人とも」
俺は美憂とサクラさんに向かって言った。
そうして、俺たちは家に帰る。
その頃には1時を回っている。俺も美憂もくたくた。家に着いたとたん疲れがどっと出て二人とも廊下でバタリと倒れた。
翌朝、
「う、うう。おもい~」
俺は目を覚ます。上に美憂が乗り掛かって寝ていた。
「美憂、朝だぞ。朝御飯食べて行かないと!」
俺は美憂を起こす。
そうして、眠いながら朝御飯を作り、そして食べ、服は仕方ない!こういうときに消臭剤があればな。と思いながら手を繋ぎ美憂と家を出る。
「もう、今日帰ったら絶対お風呂入るから」
美憂は少し不満そうな顔だった。まぁ、当然か。お風呂も入ってない。服も昨日のまま、女の子にとったら嫌だろうな。
「分かった。服も洗濯するから」
俺はそう言いグレードさんの屋敷に向かう。
そして、数分して屋敷に着いた。まだ、人はおらず静かだった。
俺たちは中に入り、パソコンや印刷機の電源を起動させる。
ウィーン
直ぐに起動したようだ。
「よいしょ」
俺は席に座り、仕事を始める。
今さらだけど、座るときによいしょって言うよな。なんか知らんけど。
美憂も仕事を始める。
そうして、またこのカタカタと言うパソコンの音が部屋に響くのだった。
ガチャ
「おはようございます、二人とも」
入ってきたのはサクラさんだった。
しかし、俺はサクラさんを見て、手が止まった。
サクラさんの顔に殴られた痕や傷などがあったからだ。
「サクラさん。あの、その傷は?」
俺はサクラさんに向かって言った。
「少し、転んだだけですよ」
サクラさんは笑顔でそう言った。
しかし、俺は納得しない。だって転けただけで殴られた痕は出来ないはず。
「あの、家で殴られているんですか?お父さんとかに?」
俺は直球で聞く。普通は聞かないが。
「・・・、やっぱりバレますよね。そうです、これは私の父がやったものです。酒癖が悪いし、金使いもあらい、あげく暴力。私は死ねば楽になれるのでしょうか?」
サクラさんは涙目で聞いてきた。
俺は席を立ち何も言わずサクラさんを抱きしめた。
「は!」
サクラさんは驚く。当然だろう。でも俺はそれしか思いつかなかったからだ。
「え、えっと地味さん?」
サクラさんが聞いてきた。
「辛かったんだよね。苦しかったんだよね。仕事の間は誰もあなたを傷つけたりしません。だから安心してください」
俺は優しくそう言った。俺も一度だけこう言うことがあったから、あの時見たいにそう言った。
「う、うわぁぁーん!!!」
サクラさんは泣き出した。辛い事を知ってもらえたからだろう。
俺は何も言わずにサクラさんの背中を撫でるだけだった。
「パパはすごいよ」
美憂はそう呟くのだった。
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