第十四話 ミオは美央
俺は美憂を部屋までおんぶし、部屋の中にあるスーツを渡した。
「これ、ママが仕事の時に来てた服だよね」
美憂は俺に聞いてきた。
「ああ、実はそれはミオから貰ったものだ」
俺は美憂に向かって言った。
そうこのスーツはミオから貰ったもの。
「ミオってさっきの幽霊?」
美憂が震える声で聞く。
「ああ、あの幽霊なんだけど実は美央なんだ。黙っていてすまない。気がついたのは七年くらいなんだ」
俺はそう言った。
そう、それは七年の時、
地下
「はぁ、ここも少しは整理をしないのかな?箱だらけで要らない資料もあるんじゃないのかな」
俺は地下でいつものように箱を運んできていた。
そして、
「ねぇ、地味さん」
俺の名前を呼んだ。この世界で俺の名を知ってるのは指の数くらいだ。
振り返るとそこにミオがいた。
「ミオ。どうした?」
何回も会ってるから怖さとか無い。
「これを。もし、私たちの娘がここの職場で働くなら」
ミオはあるものを渡してきた。
そう、それが今美憂が着替えているスーツなんだ。
「もしかして!美央なのか!」
俺は声を大にして聞いた。
ミオは顔をこちらに向け、
「はぁ、バレちゃったか。そう、私は美央。あなたの妻よ」
ミオはそう言ったのだ。
「死んだはずじゃ!この世界に来たのか?」
俺は驚きを隠せない。だって美央に似ているから。
「そう、日本で亡くなり、私は長い夢なのかしら。それを見ていて、いつの間にか寝ていたの。それで目が覚めたの。それで体を見たらこの姿」
ミオは俺に向かって言った。
「ミオ、俺は美央に会えて良かったと思ってる。辛いことも悲しいことも夫婦で支えあった。美憂が産まれた時は凄く俺、嬉しかったんだ。俺たちに子供が。美央、ありがとう」
俺はミオに頭を下げる。
「はぁ、あなたは変わらないのね。仕事も性格も」
ミオは笑った。
俺も笑い
「それが俺の良いところって言ってたな」
俺はそう言った。
「そ、そうだったんだ。あれは私のママなんだ」
美憂は震える声で俺に言ってくる。
「だからさ。お前の事も美央は見ている。だから頑張れ。パパもママも応援してるからさ」
俺はそう言った。
コツコツ
「どう、似合う?」
美憂が着替えて出てきた。
「うん、似合ってるよ。さ、仕事をしような」
俺は席に座りキーボードを打つ。
「うん。頑張るよ。お母さん」
美憂も席に着き、パソコンのキーボードを打つ。
亡くなった人は絶対にどこかで見ている。だから、俺は頑張る。美憂とマラナさんの為に。
カタカタ、カタカタ
キーボードを打つ音がまた響く。
静かな昼過ぎ。特に辛さもない。楽しい職場さ。
夜
「ふわぁ~、ようやく定時だ。終わったよ」
美憂はあくびをしながら席を立つ。
「そうだな。そろそろ帰るか」
俺もパソコンの電源を切り、立ち上がる。
その時、
「お前はこの世界から逃れられはしない」
男性の声が聞こえた。
俺は辺りを見渡す。しかし、誰もいない。美憂以外。
「どうしたのパパ?帰らないの?」
美憂が不安そうな顔で聞いてきた。
「そ、そうだな。帰ろう」
俺たちは部屋から出て家に向かう。
誰なんだろうか?あの声は。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この人たちが来るのですか?あの大陸に?
ああ、それはまだ遠い先のことだ。この世界を滅ぼす。あの男と娘は我々の脅威となる。
それはそうと、アイツがやられたんです。奴を呼ばないと行けないんでしょうか?
あの冒険家は強敵だ。抜かるでない。伝説の冒険家、まずはやつらの中に敵を潜り込ませようかな。
え?誰ですか?そんなやつ居ないでしょ。
居るんだよな。これが。
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