魔法適正は...
まず、情報を整理しよう。
俺の名前は、エルミアというらしい。
性別は...まぁ名前から察するに...女性だ。
まぁ知ってたよ。
無かったもん。
さ、気を取り直して。
歳はまぁ当たり前だが5歳。
俺の両親は、あの時、俺の世話をしてくれてた人が母親らしい。
父親は家にいない所を見るに、他界したか、遠くに行っているのかもしれない。
それと、あとは5歳になると、魔法適性検査というものを受けるらしい。
前世でも受けたことがあるので、要領はわかっている。
ま、適正は無かったけどな!!
クソが。
おっと失礼。
俺の知っている情報はこのくらいだ。
そして今日、その適性検査を受けるのだ!
正直、めちゃくちゃ楽しみだ。
だって、エルフ。
エルフと言ったら?
耳!
って違う違う。
まぁ耳も特徴的だが。
じゃあ弓!
そうそうって違ーう!
魔法適性検査っつって言ってんだろうが。
魔法だよ魔法!
って俺は一体何をしていたんだ。
まぁ、それは置いといて。
魔法!
俺が、どんな才能を持っているのか。
気になって気になって、夜も眠れなかったぐらいだ。
まぁ寝たけど。
5歳だから、多分睡眠を欲してるんだろうけど。
まぁそのぐらい楽しみだったことが、ようやく分かるのだ!
うかれるなというほうが無茶だ。
と、言うわけで。
いま、俺はギルドに来ている。
というのも、ギルドにこの適性検査を受ける子を集合させて、その適正を見てもらうらしい。
前世では、違うところで受けたので、詳しくは分からないが、その適正検査方法は一緒だろう。
特殊な水晶に手を触れ、ある魔法をかけるとその適正が分かるらしい。
例えば、炎の適性があれば赤くひかり、水なら青。
風なら緑と、それぞれにあった色が光る。
そして、光の場合、色は明るくなり、闇の場合、色が暗くなる。
この世界の魔法属性は、全部で5つ。
炎、水、風、光、闇。
そして、炎、水、風は精霊魔法。
光、闇は天魔法と呼ばれている。
何故ならば、精霊魔法は精霊に呼びかけて魔法を行使するが、天魔法は天使や悪魔に呼びかけて魔法を行使するからだ。
何が違うかというと、精霊魔法は、炎や水が実体を持っているように、実体がある。
逆に、天魔法は、傷を回復させたり、呪いをかけたりと実体がない。
そして、適性がある属性は2つ。
精霊魔法と天魔法の1つずつだ。
何故かは、たとえ適性があろうとも、自分が使う属性の中で1番適性が高いものに応じた色が光るからだ。
そして、精霊魔法と天魔法は根本的に造りが違うため、分けて考えられる。
だから、適性がある属性は2つなのだ。
そして、ここに表示される属性は、あくまで自分が使う属性の中で1番適性が高いというだけで、ほかの属性の適性が無いという事ではない。
つまり、適性があればほかの属性の魔法もつかえるのだ。
そして、エルフ。
エルフと言ったら風!
というイメージがあるし、実際そうだ。
だが、中には炎の人もいるし、水の人もいる。
光と闇は、種族関係無くちょうど5分と言ったところだ。
なので、俺は自分がどの属性に適性があるのかが楽しみで仕方なかった。
そして、遂に俺の番。
「では、水晶に手を触れて下さい。」
ドキドキしながら、触れた結果は...
「はい、わかりました」
出た光の色は...
あれ?
なんか変な色なんですけど...
なんか、虹にモヤがかかったような。
それでいて、光っているような。
「あれれー、おかしいですね。ちょっとギルマスに聞いてきますねー。」
そう言って水晶を出してきた受付嬢は奥へいってしまった。
少ししたら、奥の方から偉そうなおねーさんと、さっきの受付嬢がきた。
「紹介します、この偉そう...コホンッ、このおねーさんがギルマスのアルドーさんです。」
「おい、今偉そうって言わなかったか?まぁいいか。私がこの支部のギルドマスターのアルドーだ。それでこの水晶に触ったのはお前か?」
いきなりギルマスが出てきたので驚いたが、とりあえず答える。
「はい」
「そうか。このひかり方、なるほど、こういう者がいてもおかしくないのか...」
と何やら偉そうな人もとい、アルドーさんが呟いていたので、聞いてみた。
「あの、私、適性の表示がある属性って2つって聞いていたんですけど、違うんですか?」
一人称が私?
女の子なのだから仕方ないだろう?
まぁ気にするな。
それより今はアルドーさんの話の方が重要だ。
「ああ、その通りだ。じゃあ、なぜそう言われているか分かるか?」
「えっと、はい。適正が高いものが表示されるからですよね?それで、精霊魔法と天魔法は別物だからそれぞれ1つずつで、合計2つですよね?」
「おお、まだ小さいのによく知ってるなぁ。まぁ実際その通りなんだが、じゃあその適正値が全く一緒だったらどうなると思う?」
「うーん...全部混ざる?」
「そう、その通りだ。そして、このひかり方、全部混ざっているようには見えないか?」
「言われていればそんな気がするような...」
「つまり、お前さんの魔法適性は、全部同等って事だな。」
どうなんだろう。
適性がすべてあるのは喜ばしいことなのだろうが...
それでも、自分がどんな魔法を使えるのか、どれが一番得意なのか分からなかったら器用貧乏になってしまうのではないか?
微妙すぎるっ!
「あの、これっていい事なんですか?それとも悪いこと?」
「んーー、一途には言えないな。というか、こんな例見たことないし。ただ、全ての属性を、同じように操れるとしたらすごいことだと思うぞ。」
「なら、よかったのかな?。悪いですけどなんかこれ説明するの大変そうなんで親への説明手伝って貰ってもいいですか?」
「あ、あぁ、まぁたしかにそうだな。このギルド内に居るのか?」
「はい、連れてきてもらったので居ます。」
「じゃあここに連れてきてくれ。」
「はい、わかりました。」
まぁ、とりあえず。
母さんを呼びに行くか。
「連れてきました。」
「お、早かったな。」
「えーっとー、エルミアの母の、ジェシカです」
なんか、いつものほほんとしてるな、母さんは。
「あ、どうも。ギルドマスターのアルドーです。それで、娘さんの適性検査なんですが、この通り、全部混ざっているような色なんですよ。」
あ、アルドーさん意外と丁寧に対応してる。
「あ、、ほんとですね。」
「はい、それで、恐らく、全属性の魔法適性が同じだから、こういったことが起きたのではないかと。」
「うーん、、つまり?」
「えーっと、娘さんは全ての属性を同じように操れるかも知れません。」
「あらぁ、それはすごいわね」
「はい、そこで提案なんですが...」
そこでアルドーさんが提案したのは、意外というか、やはりというか。
魔法学校に行ってみないかという提案だった。
もちろん、魔法を使いたいし、魔法使いになりたいから、この提案は願ったり叶ったりなんだが、母さんはいいのかな?
「あらまぁ、いいじゃないですか!エルメス、行ってみたい?」
「え、私?お母さんがいいんなら行ってみたい。」
「ならいいじゃないの、行ってみなさい!」
「ほんと?ありがとー」
「えっと、それでその学校は何歳になったら入れるんですか?」
「7歳からですね。」
「この娘、今5歳なので、2年後ですね。では、それまでに用意が必要なものを教えていただけますか?」
「えーっと、今回の場合、私の推薦という形での入学となるので、学費は必要ありません。ですが、試験は受けてもらいます。一定以上の魔力、知力がなければ入学できない規則となっておりますので。また、クラス分けにもその結果を使いますので、それだけ準備して頂ければ結構です。」
「わかりました。」
「はい。それで、試験の内容なのですが、筆記試験は一般的な国語、算数。魔法試験は、魔法を放ってもらい、魔力の計測をするくらいですね。」
「わかりました。」
「では、1月20日に試験がありますので、2年後のその日の1週間前ぐらいにギルドに来て頂いて、名乗ってもらえれば推薦状をお渡し致しますので、またその日に。」
「はい、ありがとうございます!」
ということになって、家に帰った。
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