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最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第1章 アランベルト王国編
9/56

9話 ゴーレムコア




「ゴーレムのコアとゴーレムの違いですか?」



「そう」



「そうですね、先程説明したように魔物にはコアが存在します。しかし、ゴーレムは少々違います。ゴーレムのリストを鑑定を使って開いてください」



鑑定を使ってリストのゴーレムをタップする



ーーーーーーーーーーーーーーーー


ゴーレム



姿形は決まっておらず、様々な形になる魔物。長年、魔力に晒され続けた土や岩が、魔物化したもの。初めて見た動く物の形を真似する特徴があるが、上手くいかず大半が似たような形になる。身体が土などでできているためコアを破壊するか奪うかしないと討伐はできない。エルフは精霊の一種であると主張しておりエルフの前でゴーレムを討伐すると問題になると言う



ーーーーーーーーーーーーーーーー



アントより説明が細かいな



「これがゴーレムか」



横に出た画面にはドロドロに溶けたような塊が両手を伸ばしていたり水たまりが蠢いている感じになっている



なんだっけ?あのご飯を腐らせる温泉に入るやつに似てる。あとあのドロドローみたいな名前のよく博士に襲いかかる奴にも似てる



「はい、それがゴーレムです。ゴーレムはですね、ゴーレムのコアを破壊しない状態で回収し何らかの加工を施さないと復活します。これはゴーレムだけの特徴であり他の魔物ではその様な事は出来ません」



「つまりゴーレムは、コアを破壊しない限りは死なないのか」



「そうなります。また、1つ2つの命令なら聞くこともできますので人々に重宝されていますね」



「人でも魔物を操れるのか?」



「テイマーというスキルがあります。そのスキルを持っていれば魔物を操ることができます。と言いましても大体がLv1や高くても、せいぜいLv5ほどなので強い魔物は操れません。1度に操れる数も数匹程度ですね。マスターや私が操られることはありません。また、マスターの魔物支配はテイマーの上位互換のようなものです」



「なるほど」



テイマーか、そんなスキルもあるんだ。まぁとりあえず俺たちは操られないようでよかった



それにしてもゴーレムか、ゴーレムは一体?1匹?まぁ一体でいいや生物っぽくないし。



俺がここまで悩んでる理由は簡単だ安い



ゴーレム一体は100ポイント



弱い魔物は100ポイントからが基本の様だ。



これ以上下がると虫とかになってしまう。虫なら強いのでは?と思うかもしれないが説明を読んでもイマイチ要領を得ない



ちなみに「アント」は1匹100DP



しかーしここでゴーレムのコアだ。ゴーレムコアはなんと!1つ10ポイント!安い!



「ゴーレムコアの場合ってなにか問題ってある?」



ミレイに聞く



「そうですね…手間がかかるかどうかくらいでしょうか」



「手間?」



「普通の場所であれば放っておいてもゴーレムは勝手に復活を始めます。と言っても形はどんなのになるかわかりませんし大きさもバラバラです。しかし、ここはダンジョン内です。ダンジョンはマスターの、ダンジョンコアの一部の様な物なので魔物であるゴーレムが奪う事は出来ません」



「つまりゴーレムはダンジョン内では復活できない?」



「そうなります。これはゴーレムを使ってダンジョンを襲撃する者に対する対策ですね」



「そんな奴いんの?」



「テイマースキルがありますから」



「そうか、それもそうだな。ならゴーレムは交換しても意味ないのか?」



「それは違います、ゴーレムコアにあらかじめ入れ物を作っておけばいいのです。予めダンジョンマスターがダンジョンの一部を使って入れ物を作っておけばゴーレムはダンジョンの一部となります」



「あーなるほど、ダンジョンの一部だから復活できるのか」



「そうなります」



「ダンジョンマスターが作ったやつならいいんだ」



「ダンジョンマスターはダンジョンの管理者ですからね。マスターが手を加えていれば大丈夫です」



「なるほど。ゴーレムコアいいじゃん」



「と言いましても、ゴーレムコア1つに身体1つ必要なので大変手間がかかります。ですのでゴーレムコアは10ポイントと安いのです。使い勝手はいいですけどね」



「と言うと?」



「ゴーレムコアなら予め身体を決めることが出来ますから、姿、形を統一する事が出来ます。また、土や木からも作れるので材料も手に入れやすいです。そして、何よりも食料を必要としないので大変使い勝手がいいのです」



「なるほど」



そっか、魔物も生き物だもんな。腹も減るのか



「どうします?ゴーレムコアをDP交換しますか?」



「…そうだな。色々と使えそうだしそうするか」



メニュー画面を開きゴーレムコアをDP交換しようと…



「お待ちください」



ミレイから待ったがかかった



「…何?」



「1つお聞きしたいのですが、何個交換するつもりですか?」



「何個って…10個だけど?」



1日1部屋100ポイント、ゴーレムコアは1つ10ポイントだから10個だろ?



「…………どうやってゴーレムコアの入れ物を作るのですか?」



「…………へ?」



どうやってって…素手?



「…もしかしますけど、素手でやるつもりですか?」



「そうだけど…」



素手じゃなかったらどうやって作るのさ



「作るのは素手で結構です。ですがどうやって土を掘るのですか?」



「…あっ!」



今は四方八方、土の壁に囲まれている。もし全部交換してしまったら明日まで待つか素手で掘ることになるところだった



「わかっていただけましたか?」



「わかっていただけました」



DP交換の画面を1つ戻し物のリストを開く



下に掘るより上の方がいいかな?いや上は届かないし危ない。横だな、横穴を掘ることに決めた。横穴を掘るための道具は…



リストをどんどんスライドさせていく、ここら辺かな?基本的な道具が多くあるところにあった



「…スコップとピッケル、かな?やっぱ。ともに10ポイントか。あ、50ポイントにすると質が上がって壊れにくくなるのか」



スコップとピッケルか…横穴ならピッケルかな?いざという時、武器になりそう…てかなるな。両端、鋭利な刃物みたいだし



「じゃあ、ピッケルを50ポイントで壊れにくいのを交換。ゴーレムコアを5個交換で」



ミレイに確認する。ミレイは静かに頷いてくれた



交換するとダンジョンコアが少し輝き、ダンジョンコアの前にビー玉の様な玉とピッケルが現れた



「DP交換が終わりました。本日のDPは0になります」



「こんな感じで出て来るのか…魔物もこんな風に出てくる?」



「はい、そうです。ダンジョン内の別の場所で出現させることもできます」



ダンジョン内なら別の場所でも出せるのか



「なるほど」



まぁとりあえずやったりますか



ピッケルを持ち上げ、壁に向かって振り下ろす。壁はとりあえずベット?の正面を掘ってみた



掘って掘って掘りまくる



5分ほどで動けなくなった



「はぁ…はぁ…しんどい、もう無理」



床に横たわりグッタリする。よくよく考えたら最後に運動したのっていつだ?3年?5年前?覚えてない



「大丈夫ですか?」



ミレイが膝をついて顔を覗き込んでくる。可愛い!



「…………大丈夫ばないです」



「私が掘りましょうか?」



「…いや、それはちょっと」



「そうですか?」



いや、辛いのは辛いんだよ?でも、ミレイにさせるのはなんか違う気がする



「…とりあえず、人1人分は掘ったからとりあえず、ゴーレムの入れ物作ってみる」



「それが宜しいかと」



息を整えて掘り出した土山に向かう、土山に手を伸ばそうとして



「…どうすりゃいいの?」



ゴーレムの作り方を知らなかった



「この土はダンジョンの一部です。マスターが形を想像しながら整えていけば想像した形になるはずですよ」



「マジか」



陶芸家もびっくりだなそりゃ



土山の前で膝を折り、手を伸ばす。掘っている時は普通の土だったし、今持ってる土も普通の湿っている土だ



「想像しながらだっけ?」



「はい」



隣で見ているミレイに聞く



…………隣?



ミレイは土をいじっている俺の真横にいた



「あの?ミレイさん?」



「なんでしょう?マスター」



「近くない?」



「そうですか?」



そうですかって気にしないならいいけど



想像しながらか、とりあえず固まりを想像したら。サラサラの土の感触が一変し粘土のようなもにゅもにゅ?感になった



「おお〜こうやって形にしていけばいいのか」



「そうです、そうです」



ミレイが何度も頷く



「…なんか楽しそうだな」



「楽しいですよ?」



「土を捏ねるだけだよ?」



「楽しいですよ?」



「ああ、そう」



とりあえず、土山全体を粘土のようにする。どんな形にしようかな。さっきリストで見たのだと動きづらそうだったしなー、人型でいっか



人型に合わせて形を整えていく



こんなもんかな?不恰好だけど20分くらいでなんとか形にはなった。ちなみにミレイは、ずっと横で見てた



ゴーレムの大きさは身長が170cmほどの細身の人くらいになった。土が足りなくて細いけど大丈夫かな?なんというか木偶人形って感じだ



「で…えっと」



「こちらを」



ミレイがゴーレムコアを渡してくれた。掘ってる途中で無くなってたけどミレイが持ってたのか



「お、ありがとう。コアはどこでもいいのか?」



「はい、どこでも大丈夫です。ですがコアが壊れてしまうと死んでしまうのでなるべく安全な場所がおススメです」



「了解」



安全な場所か…心臓のとこでいっか



ゴーレムコアを1つ、心臓のところに埋め込む



すると、ゴーレムがゆっっっくりと起き上がった



「「おおー!」」



2人して叫んでしまった



「これでゴーレムは完成?」



「完成です」



ゴーレム、簡単だな。時間かかるけど



「何か命令してみますか?」



「命令聞くの?支配してないのに?」



「このゴーレムはマスターが1から作りダンジョンの1部を使ってます。また、マスターが直接触っているので自動的に魔物支配がかかっていますよ」



「自動的にも発動するんだ、魔物支配」



「Lv10ですから」



「なるほど」



Lv10じゃないと自動的には発動しないのかな?それにしても命令か



「そうだな…とりあえず、壁を掘ってくれ」



そういうと、ゴーレムはゆっくり向かっていき先程掘っていた場所から手で掘り始めた。腕ボロボロ落ちてますけど?



「…………どうしたらいい?」



「今の命令では、穴を掘るしかしません。ピッケルを使って穴を掘れという感じで命令をしなければなりません」



「ああ、そう言う事か」



ピッケルを持ち上げ、現在進行形で穴より腕を削っているゴーレムにピッケルを渡す



「これを使って穴を掘れ」



ゴーレムは短くなった腕で、ピッケルをゆっくり受け取り穴を掘り始めた



「…………あれで大丈夫かな?」



「上出来だと思いますよ」



ミレイはニコニコしている、本当に楽しそうだ




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