8話 DP交換
ダンジョンについては何と無く分かったのでメニュー画面を1つ戻し、メニュー画面のダンジョンマスターをタップする
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ダンジョンマスター
・スキル
翻訳 Lv10
鑑定Lv10
ホムンクスル生成Lv10
NEW 魔物支配Lv10
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スキルが増えてる
「魔物支配ってスキルが増えてるけどこれは?」
「魔物支配はですね、マスターの安全のためと仕事の効率のためです。そのスキルがありますと、マスターに近づく魔物はマスターに逆らえなくなります。範囲はLv10なので半径1kmほどですね」
「俺から1km圏内にいる魔物は俺には逆らえないって事か?」
「そうなります。またこのスキルは発動したい時に発動させたり。発動する範囲を決められたり。個々に発動させたりとかなり利便性が高いです」
「このスキルは常に発動してる訳じゃ無いんだな」
そっちの方が楽じゃない?翻訳スキルみたいにさ
と言うかスキルを切ったり出来るんだ
「確かにその方が分かりやすいのですが、それだと町の近くにいる魔物にまで影響してしまい、見つかる可能性が高くなってしまいます」
「なるほど…なんでこのスキルあるんだ?」
「ダンジョンマスターがDPで生み出した魔物に殺されたらなんの意味がありませんし。生み出したにも関わらず言う事を聞かない、など意味ないですから」
「そりゃそうか」
逆にこのスキルが無いと言うことを聞かないのか、DP交換で生み出したのに殺されるとか…気をつけよう
「また、一度支配してしまえば発動範囲から出てしまっても大丈夫です」
「一度支配していればどこにいようが操れるってことか?」
「そうなります」
それは有り難いな、一々支配し直すのは面倒くさい
そう思いながらメニュー画面を前に戻し今度はDP交換をタップする
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DP交換
DP:100
・魔物
・物
・ダンジョン
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DP交換をタップするとこっちにもDPのポイントが書いてある、そして魔物、物、ダンジョンの項目がある
「今、DP交換をタップしたんだけどこれはなに?」
「どれでしょう?」
ミレイが覗き込んでくる
「えっと、まずここにもDPのポイント書いてあるんだな」
「はい、そこに書いてないと一々画面を戻して見なくてはいけなくなるので」
「あー…確かにな、他のは?」
「魔物、物、ダンジョンとは交換するものを項目ごとに分けてあるリストですね。タップすれば分かると思います」
ミレイに言われるがままタップしてみる。とりあえず魔物かな?
魔物の項目をタップすると多種多様な魔物の名前が書いてある。めちゃくちゃある、すごいある。
名前の隣にはポイントが書いてあってそれが交換に必要なポイントのようだ
1番上は1DPからあり、下の方にスライドすると、どんどんDPが高くなる。しかしいくら下にスライドして最後まで辿りつけない
果てしない数の魔物の名前が連なっている
「おお〜、ものすごい数の魔物がいるんだな」
隣で一緒にメニュー画面を見てるミレイに言う
「そうですね、魔物はかなりの数がいるのですが…これはなんでしょう?」
「ん?これ?」
「それです」
俺も指差して確認する、ミレイが聞いてきた魔物は『河童』という魔物だ
「…何って河童だろ?川とかに住んでる妖怪だよ」
後は、頭に皿があるとか胡瓜が好きだとか尻子玉を抜くとかだっけ?
「なんですか?それ」
ミレイは心底わからないといった顔をする
「あれ?知らない?」
「フィアリスにいない魔物については分かりません」
「この世界に妖怪はいないの?」
「妖怪?」
ミレイは妖怪がわからないみたいだ
まぁ普通に魔物とか言う人を殺す化け物が?いる世界だもんな
「えっと…なんて言えばいいんだ?」
妖怪ってどうやって説明すればいいんだ?
「とりあえず鑑定を発動しながら河童をタップしてください」
「ん?交換すんの?」
「いえ、実物を見てみたいという気持ちはありますが、鑑定を発動しながらタップすると説明が出てくるはずです」
「マジか」
ミレイに言われるがまま、鑑定を発動し河童をタップする
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河童
全長1.5m、全身が緑色、川に住み群れで生活する。胡瓜が好物であり頭には皿がある、皿が割れると死んでしまう。人を川に引きずり込み尻子玉を抜く
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河童ついての説明がメニュー画面に出てきた、その隣には別の画面が出ており、河童の写真が写っている、画面の中で河童がゆっくり回っている
「初めてみる魔物ですね。どうやらマスターの知識がDP交換に影響して新たな魔物が生み出されている様です」
「俺の知識が?俺、別に妖怪とか詳しくないよ」
妖怪とかそこまで好きじゃないし
「人の記憶とは曖昧な物で思い出せない事の方が多いのですが、思い出せないだけで忘れた訳では無いです。マスターが地球で生きてきた数十年間の目に映った情報、耳にしたデータなど認識した全てがマスターのリストに反映されていると思います」
「マジか…まぁとりあえず魔物を交換する時はこんな感じで説明を見ればいいんだな?見た目もわかるし」
「そうですね、そうしてもらえたらいいと思います」
「りょーかい…そう言えば穴を掘る魔物ってどんなのが居るんだ?」
下水道に侵入する魔物とか気になるんだけど
「そうですね…『アント』という魔物でしょうか」
「アント?」
「見てみます?」
ミレイが自分のメニュー画面を開きDP交換をタップ、魔物のリストをタップするとミレイはリストを下げ、「検索」と書いてある場所を出す
「え?」
ミレイは「アント」と入力して検索するとリストがすごい勢いで流れていき、アントのところでピタリと止まった
「これがアントです」
ミレイがアントをタップする
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アント
全長2mほど、全身が黒く群れで行動する。アントは食べるものにより見た目が変化する。群れにはクイーンアントと呼ばれるアントの上位種がおりクイーンを守っている。
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横の画面には超巨大な蟻が写っていた。ちなみに1匹のDPは100ポイントだ
「デカイな」
ミレイがメニュー画面を閉じる
「そうですね、またアントは様々な変化をします」
「様々な変化って?」
「鉄を食べれば『アイアン・アント』に金を食べれば『ゴールデン・アント』になります。食べる量が増えれば『ビック・アント』になったりと様々な変化をします。このことを進化といいます」
「進化?」
「魔物は人や魔物を殺すことにより魔力を吸収し成長します。それが進化です」
「魔力を吸収?」
「魔物はですね、殺した相手から魔力を吸収します。それが一定以上の量になると身体が変質化し、様々な能力を身につけます。これが進化です。これは元の姿の上位種と呼ばれ元の姿の時より多くの能力を待っています。先程言った「アイアン・アント」は「アント」の上位種、ということになり「アント」より硬く力が強いのが特徴です」
ポケ◯ンみたいな感じか?上位種とかそんな感じだし
「魔力を吸収するって言ってたけど、DPに影響する?」
「DPに影響はございません。魔物が吸収するのはDPに変化させることのできない残りカスのようなものですから」
「残りカスって…魂以外ってことか?」
「そうなります」
「魔物は魂を吸収できないのか?」
「ダンジョンコアがあって初めて魂を魔力に変化させることができるのです。ただの魔物にはできません」
「なるほど」
ダンジョンコアがないとDPを作り出すことも使うこともできないのか、そしてダンジョンコアが破壊されたら俺も死ぬと…マジで気をつけないとな
「というか、検索とかできたんだ」
「気づきませんでした?」
「気づきませんでした」
「この機能は交換したい魔物を一々スライドで探していたら大変ですからね、必要なときに使ってください」
「はい…」
メニュー画面を開き、今度は物のリストを開く、こっちも魔物と一緒でめちゃくちゃある
「今、物のリストを開いたんだけどこっちもたくさんあるんだな」
1ポイントのは小石とか木の枝とかあるんだけど
「物はDPを多くすることで質を変えることができますよ。今、リストに出ているのは1番一般的なものです。DPを増やすことにより様々な力を付け加えることができます。不壊や切れ味とかですね」
「へえー、つまり安いのでもDPを増やせばいいのが出てくるのか」
「限界はありますけどね」
「限界…つまりもともと高いのとは比べられないみたいな感じか?」
「そんな感じです」
「そうか」
そりゃそうか、どんなに木の枝の質を上げても所詮は木の枝、金属には負けるか
そう考えながら画面を戻して最後のリスト、ダンジョンをタップする
ダンジョンも他の2つと同様にとんでもない量がある。罠だったり部屋だったり、森とか川、空なんてものまである。
しかし、1番とんでもないものがあった。「スキル一覧」だ
「…ミレイ、スキル一覧ってのがあるんだけど」
「はい」
「…スキルもDPと交換できるの?」
「はい、できますよ?」
「マジか」
えー、最強じゃん、やりたい放題じゃん!なんでもできるじゃん
スキル一覧をタップする、これもとんでもない数がある。すげえ色々ある。全てのスキルが1000ポイントだ
「全部1000ポイントなのか?」
「はい、全部ですよ、その1000ポイントで手に入るのはLv1ですから」
ああ、なんだLv1か
「Lv1しか手に入らないのか?」
「Lvも変えることができます。高くなりますけどね」
「どんくらい?」
「Lv10なら1万ポイントは必要ですね」
つまりLv1ごとに1000ポイントか…高いな
「そっか」
そんなに上手いこといかないか1000ポイントだって手に入れるのに10日はかかるし…無理だな、今はまだ
「しっかし、スキルも交換できるんだな」
「ええ必要ですから」
「と言いますと?」
「例えばですね、水の中でしか生きららない魔物がいます。その魔物に「乾燥耐性」のスキルや「陸生」のスキルを与えれば陸の上でも活動ができるようになりますから」
「あーなるほど、そうやって人々の意表を突いていくのか」
「そうなります、と言っても最終防衛のためにあるようなものですけどね。ダンジョンが攻められたとき、1番強い敵が炎の魔法を使うのであれば水系の魔物に「炎耐性」をつけて戦わせると言った使い方です」
「あーなるほど、そうやって使うのか」
「基本はですけど」
「そうか」
画面を戻し、魔物のリストを開く、そろそろ何か決めないとな
出来るだけ節約できて、強くて、使い勝手が良くて…そんな都合のいい魔物はいないかとリストをスライドさせていく、そして
「ミレイ」
「はい、なんでしょう」
「この『ゴーレムのコア』と『ゴーレム』って何が違うんだ?」