表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第1章 アランベルト王国編
7/56

7話 アランベルト王国




メニュー画面のダンジョンをタップした途端、コアが光りはじめた



「ダンジョンコアが始動します!!!」



となりにいるミレイはかなり興奮している



コアの光がどんどん強くなる



「おおー!」



ゆっくりだが回転もしはじめた。光はどんどん強くなる



「うっ…眩しい」



腕をつかって光を遮る。回転スピードも速くなり、速くなればなるほど光も強くなる



「これ大丈夫なやつ!?」



「大丈夫なやつです!!!」



ミレイも腕で光を遮っている



コアはありえない速さで回転し始め、とんでもない光量が部屋を照らしている。その上点滅も、しはじめた



「すげえ!」



部屋の端の方からゆっくりと色が変わり始めていき、コンクリートの様な物から土になっていく



部屋全体が土になると



「移動が完了しました」



さっきとは打って変わって落ち着いた声でミレイが言う



コアの光は徐々に弱くなりスピードも収まってきた



部屋は完全に土色になっている。天井や床、布団が敷いてある長方形の塊を除いて全てが。今コアのあった部屋は正方形の、洞窟のようになっている



布団が土だらけにならなくて良かった



兄の裏から土の感触を確かめる、硬くしっかりとしている。細かい土が足の裏につくのが、気持ち悪い



「もうダンジョンは始まりか?」



「いいえ、今はとりあえず移動しただけです。ここからダンジョンを作る場所を選んでもらいます」



ミレイが両手をかざすとメニュー画面が横向きに現れ、大きく広がる



メニュー画面はタブレットほどの大きさなのだが、今出ているのは何倍もでかい、ダイニングテーブルくらいのサイズがある



そこから小さな大きさのの町が出てきた



「すげえ!立体映像だ!…これは?」



「これは私のスキルです」



「スキルってやっぱ凄いんだな」



心から思う、異世界なのに近未来に来たみたいだ



「今、この画面に出ている範囲であればどこでも大丈夫です」



メニュー画面には、円形の壁に囲まれている町が中央にあり町からそこまで遠くない森や小さな山もいくつかある。立体映像になっているから見やすい



「この町は?」



「アランベルト王国の3番目に大きい町です」



王国って…王国?



「この世界の国の大半は王権、つまり君主制となっております」



「君主制…王様が1番偉いってことか?」



王様が1番権力を持っているのが絶対君主制だっけ?



「はい、1番偉く、国のトップが王その次が王の家族や親戚などの王族。その次が王に権力を持つことが許可された貴族、その次が平民、そして奴隷の順で位が決まってます」



「王様がやりたいっていったらどんなことでもできるの?」



「はい?大抵何処の国でもそうかと」



ミレイは何言ってるんだろうって顔をする。やっぱり絶対君主制か



「奴隷って?奴隷がいるのか?」



奴隷って昔にいたやつだよな?世界史で習ったぞ



「はい、人としての権利を剥奪され金品等で売り買いされる人のことを奴隷呼び、また奴隷魔法というものがあるのでその魔法がかけられているものが奴隷です」



「奴隷魔法?そんなものあるのか?」



「はい、あります。ちなみに奴隷魔法は闇魔法の派生の1つですね」



「ほぉー…奴隷魔法か、やっぱり人々を減らすためにあるのか?」



「そうですよ。人は他人を下に見ることで優越感を感じる生き物です。奴隷魔法があれば簡単に自分より下にできますから」



「なるほどな…そんでえっと、ランベルト?王国?」



「アランベルト王国です」



「そうそう、アランベルト王国ってどんな国?」



「そうですね…まぁパッとしない国のパッとしない町ですね。初めてのダンジョンならやりやすいと思いますよ」



よかった…とりあえず大変そうじゃなくて



「このさ、町をぐるって囲んでる壁は何?」



画面に出ている立体映像の町は高い壁に囲まれている



「魔物がいるのでその魔物が町に入ってこないようにするための外壁ですね。戦争にも利用されています。今は別の使われ方が大半ですが」



「別の使われ方とは?」



そういうとミレイの顔が暗くなる



「…()()()()()()です」



なんですそれ?



「…シティーコアとはダンジョンが人々にもたらしてしまった文明の一つですね。ダンジョンは、ダンジョンマスターとダンジョンコアのそのどちらが破壊されてしまうと終わってしまいます。そうならない為にダミーコアという偽物のコアがあります。コアが1番奥にあると思わせて別の場所に隠しておく。と言った使い方ですね。言わば囮です」



「あー、だからダミー」



「はい、しかし人々はそのダミーコアをつかって新たな魔道具作り出しました」



「魔道具とは?」



「魔道具とはなんからの魔法が使える道具ですね。付与魔法で魔法を付与されたものでも魔道具です」



つまり魔法の力が使える物や道具って事かな?



「ほぉー、で、新たな魔道具ってのがシティーコア?」



「…シティーコアとは町や都市を守るために作られた魔道具です。シティーコアは決められた範囲内に結界を張ることができます。結界とは魔力で出来た目に見えない壁の事ですね、ドーム状に町を包んでおり町を守っています。魔力や空気などは通り抜けます。後は町の中の温度をある程度変えることができる。シティーコアにはその2つの力があります」



「結構すごいんだなシティーコア」



その結界ってのがあるんじゃあ、空からは入れないか



「…………はい、シティーコアの影響で文明は大きく発展してしまいました…」



ミレイがどんどん暗くなる



「あー…えっと、その決められた範囲内って町の周りをぐるって囲んでる壁か?」



「はい、外壁の範囲内がシティーコアの影響下にあります。外壁がある町にはシティーコアがあると思ってください」



「なるほど」



シティーコアか…面倒そうだな



「それで何処にしますか?」



ミレイが少し明るさを取り戻して言う



「この中ならどこでもいいの?」



「はい」



町を指差してきく



「…………町の下はどうなってるの?」



「町の下ですか?」



「地下、地下」



「地下…ですか?…ダンジョンで掘り進めるのではなく、既存の物と言う事で?」



「そゆこと」



「わかりました?」



ミレイが右手を画面に向けると立体映像がゆっくり上に伸びていく



山の中にはうねうねした線が、森の中や草原には細長く伸びている線があちこちにあった



「このうねうねは?」



「それは穴を掘り進める魔物が作った空洞です」



「穴を掘る魔物?そんなのもいるんだ?」



「はい、色々と居ますよ」



「ふーん」



穴を掘る魔物か



「まぁそれは置いておいてこれは?」



俺は町の下を見る。町の下は町より少し大きく、町と同じ円形、少し間を開けての3層に分かれている縦穴があった



「そこは…下水道ですね」



「下水道?そんなものまであるのか」



「はい。何度も言う様ですが、人々はシティーコアの影響で文明を大きく発展させましたから」



ミレイが忌々しそうに言う



「この3階層になっている部分と町との間の空間は何?」



「そこはただの土です。ある程度地盤を残しておかないと脆くなりますから」



「あーなるほど」



町のすぐ下に横穴掘ったら脆くなって当然か、だからちょっと開けての下水道ね



「でもなんで縦穴なんだ?普通横じゃね?」



地球では横長だったぞ、よく知らんけど



「それは、シティーコアと魔物の影響ですね。シティーコアは外壁の中にしか結界をはれません。また、横に作るとなると町の外に大きく広げることになります」



「そりゃそうだ」



「しかし、外壁の外には魔物がいます。横に大きく作ってしまいますと魔物が壊してしまう可能性や魔物が住処にしてしまう可能性が高くなり、その結果から、町の下から魔物が入り込む可能性も高くなってしまいます」



「あーなるほど、だから縦穴なのか。下水道に結界は?」



「どうやらシティーコアは利便性に欠けるらしく、一部に結界をはる事は出来ない様です」



「じゃあ地下に結界は無いのか?」



「そこはなんとも言えません。個人で結界を張る事が出来る人もいます…しかし、時々穴を掘る魔物が侵入する事もありますのでなんとも…」



個人で張れる人も居るのか、そして時々魔物が地下から侵入していると



「と言いましても直ぐに討伐されてしまいます。ちなみに下水道は生活排水が流されたのちに浄化魔法により綺麗にされ、流れを生む魔法により再び地上に戻され、生活に使われています」



「ほーしっかり出来てんだな」



「ええ、本当にムカつくくらいしっかり出来てますよね!そのせいで貧民や子供の死亡率が激減しましたから!ちなみにアランベルト王国が国として認められるようになったのはこの下水道の文化を作り多くの国に広めたことが理由ですね」



ミレイが皮肉を込めて言う



「国として認められる?」



「パッとしない国ですから。近くの大国に攻められれば即刻潰されます。下水道の文化のお陰で国として残っているのです」



「つまり戦争か、どこの世界も一緒なんだな」



いくら種族間の争いが少なくなったと言っても国同士の戦争が無くなる訳ないか



「…それで何処にダンジョンを作りますか?」



「あ〜そうだった」



ダンジョンを作る場所を探して居たんだった



「それで?どこにします?」



ミレイがそわそわしながら聞いてくる



「ん〜…そだな…よし!下水道の1番奥の奥にしよう!」



「…………はい?」



「あれ?もしかしてできない?」



「いや、まぁ…出来ない事は無いと思いますが…人々はダンジョンの危険性や有用性を理解しています。見つかったら殺されますよ?」



「うん、わかってる。でも、俺の()()()()にいけばそこが1番だからさ」



上手く行けばだけど



「……………………わかりました。町の下、下水道の奥の奥にダンジョンを作ります…」



ミレイはしばらく考えた後に許可をしてくれた



「上手く行くばすごい事になるはずだからさ、泥舟に乗ったつもりでいてくれ!」



冗談混じりでサムズアップをする



「…」



ミレイはジト目を向けてくる。美人メイドのジト目とか癖になりそう



ミレイは黙ったままメニュー画面を出し、何かしている



すると



ズンっ!!!



身体全身になにかが降ってきた様な、重力が10倍の部屋に入った様な重さを感じた



何かされたか?と一瞬思ったが何と無く分かった。ダンジョンが()()()()のだと



「マスターのダンジョンはアランベルト王国の3番目に大きい町の地下、下水道の奥の奥、死角の部分に作りました。これより準備期間に入ります。期限は30日、それでまで頑張りましょーう!」



ミレイが両手を上げて言う



「おおー!!!………で、何から始めればいいの?」



「はい、ではとりあえずメニュー画面を開いてください」



言われたままにメニュー画面を開く。…もしかして聞かれるの待ってた?



ーーーーーーーーーーーーーーーー


メニュー



NEW DP:100



NEW・ダンジョンマスター


・DP交換


NEW・ダンジョン



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「…なんかNEWって書いてあるんだけど」



「マスターの力が変化、またはスキルが増加、もしくは能力が変化した場合などその様に分かりやすくなっています」



「へーそうなのか…DPって項目が増えて、このDPってやつを集めて魔物と交換、DPは部屋1つにつき毎日100DPもらえるだっけ?」



「そうなります」



この部屋は貰えるはずだから最低でも毎日100DPか



「そうか…このダンジョンのNEWってのは?」



「それは、ダンジョン内のトラップや部屋の増加、部屋の場所や魔物などを配置したい場所に移動させたりする事が出来る様になったと言う事です」



「部屋の移動とか配置ってそんなこともできるの?」



「はい、ある程度DPはかかりますが一々部屋を新しく作ったり魔物を配置したい場所まで移動させるのは時間が無駄ですから」



「それもそうか」



まぁそっちのほうがわかりやすくていいか。まるでゲームだな





結界は、結界魔法、風魔法の派生です


浄化魔法は光魔法の派生


流れを生む魔法とは風魔法であったり水魔法であったりと様々なので流れを生む魔法と書きました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ