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最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第二章 三国同時崩壊編
53/56

53話 誘い込み




side リーンヘント王国 第十六大隊 隊長




アランベルト王国が国境に突如、巨大な壁を建設



アランベルト王国とは一応密接な関係にあり、血の交換や留学等も2国間で頻繁に行われている



貿易も盛んに行われており、アランベルト王国は我がリーンヘント王国無しでは崩壊するとも聞いている



なのに何故、この様な事を?



しかし…一体どうやって作ったのか



記録によると1時間もせずに作られたと書かれている



これをか?



天に届きそうな程に大きく、威圧感を放つ壁を見ながら思う



不可能であろう…しかし、アランベルト王国はやってのけた



その事実は変わらない



どうやって



「大隊長殿」



密偵の部下が戻ってきた



「おお、どうだった」



「指示通りに門から左右2km程見てきましたが見張りの様な者はおりませんでした。また、常に一定の間隔で側防塔が建てられており、壁には胸壁以外の狭間が一切ありませんでした」



「なんだと?狭間が無いのか?」



「ええ、胸壁だけです」



何故胸壁だけなのか…堀だってないのだ、壁に張り付かれたらどうする?胸壁の上から石、熱した湯や鉄でも落とすのか?



それに強力な爆発の魔道具でも置かれてしまえば城壁など1発で崩れてしまうでは無いか



「狭間が無いとなると…まさかとは思うが」



「あの壁の中は空洞では無い、つまり通路が壁の中に無い可能性があります」



「………意味が分からん」



確かに壁自体の強度は上がるかもしれないが、不便以外の何ものでは無いではないか



雨が降ったらどうする、兵士を一晩中野晒しにしておくのか?



書類や予備の武器は何処に保管して置く



…疑問に思う私がおかしいのか?アランベルト王国の考えがまるで分からない



「それとあの壁なのですが…傷が一切入りませんでした」



「…それはどう言う「門が開き始めたぞー!!!」なに?!」



私は部下の報告を切り上げ、門を見る



両開きの大きな門がゆっくりゆっくりと開いていった



「全員に告ぐ!これより我々は商人としてアランベルト王国内に侵入する。良いか!我々は商人である、身勝手な行動は慎みたまえ!これは王命でもあるのだ!なんとしてでも情報を我らが王にお届けするのだ!」



「「「「「「「はっ!!!」」」」」」」



商人も商人になりすましている兵士もしっかりと敬礼をする



「先頭よ進め!!!」



先頭の魔車が1台、怯えながら門を潜った



………特に何も起こらんな



誰かが出てくる訳でも、攻撃してくる訳でも無い



「ふむ…ますます分からん。なら何故この様な壁を?関税をかける為では無いのか?…ええい!全部隊進め!!!」



今度の号令で今此処にいる全ての魔車が門を潜り始める



私も潜ったが特に何も起こらんかった



「如何しますか?」



「ふむ…此処から1番近い町は?」



「はい。魔車で数日行った先にあります」



「途中に村でもあるだろう、ではそこを目指すか。兵士の1人でも出て来てくれれば助かったのだがな」



我々は町を目指す事にし魔車を進ませた



しかし



「門が閉まって行くぞ!!!」



誰かが声を張り上げる



振り返ると確かに門が閉まり始めていた



「………お前は門を潜り抜け、本土に帰りこの事を伝えよ。我らが戻らぬ場合は死んだと思え」



密偵の部下にそう命令する



「かしこまりました」



そう言って部下が走り出す



門より少々離れてしまったがあの者の足ならば間に合うだろ



そう思った矢先、視界の先で部下の首が飛んだ



「なんだとグフゥッ!」



部下を見ていた私は何者かに頭を掴まれ背後に向く



身体は前を向いたままだ



薄り行く意識の中、私の頭の向きを無理矢理変えた男を睨む



「あー…失礼?」



執事服を着た男だ



此奴が壁を…作っ……たの…か?



「鎧や物資など此奴らの持つ物は全て回収しろ。なるべく原形を留めて傷等を付けない様に、人についてはお好きに」



そう言って執事服の男から大量の蝿が湧き出した



ーーー



side 第14聖王国 光神教 司祭A




「司祭様、やはりこの壁は」



門を潜り抜けると部下が声をかけてきた



「ああ、ユニークスキルであろうな。でなければ不可能である」



「おお!やはり!でしたらなんとしてでも()()()()()せねばなりませんな!」



確かにその通りである



ユニークスキルは()()()()()()、それを持つ者は選ばし者だ



神の御心を思いその力を、世界の為に使わなければならない



それにこれ程までの強力なユニークスキル、持ち帰れば私もついに光神教の本拠地、聖大陸に入る許可が降りるかも知れぬ



ふっふっふっ…私にも運が向いてきたな



「よいな、なんとしてでもユニークスキルの回収を…」



ドサリッ



「どさり?」



よく分からぬ音がして先程まで話していた隣の部下を見ると部下は上半身が無くなっていた



は?



私は頭が理解する前に門に向かって走り出した



すると視界の先でゆっくりと門が閉まり出す



待ってくれ!まだ閉まるな!!!



背後から部下達や他の司祭の叫び声がするが知らん



私は神に選ばれたのだ



私は聖大陸に行かなければならないのだ



私は!私は!



強い衝撃と共に身体が舞う



私は…私は…



何処からとも無く現れた身体中に口のある化け物が、笑っていた



ーーー



side アトランティルート王国 第7水軍 中隊長




門を抜けると、いつもと変わらぬ忌々しいアランベルト王国



俺達はいつまで冒険者などせにゃならんのか!!!



「なんなんですかね?この壁」



部下が声をかけてくるが知らん



城壁だろ、興味もない



「んな事よりアランベルトの目的だ。俺達の許可なくこんな物作りやがって、いい加減滅ぼしちまえばいいんだこんな国」



国の連中、ジジィ共は一体何を考えているんだ



こんなクソみてぇな国、潰そうと思えば簡単じゃねーか



裏でコソコソとした事ばっかさせやがって



まぁ女を誘拐して犯したり、村をコッソリ滅ぼすのは楽しいけどさ



「気にならないんすか?あの壁?」



「あ?壁?気にする事ねーだろ?あんなもん」



「…そんなもんすかねー」



こいつは昔から細かい事を気にしすぎなんだよ



男ならもっと、どしっとしていろ、どしっと



そう考えていると



「なんすかね、あれ」



「あ?」



部下が見ている方を見る



なんだありゃ?



道のど真ん中にドデカい木製…?の何かがある



人型の…木像か?にしてはデカいな



顔が3つあって手が沢山ある、なんだよありゃ



ふん、名称鑑定



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


千手(せんじゅ)阿修羅観音(あしゅらかんのん)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



あ?ますます意味が分からん



「どうします?」



「どうもこうもねーだろ、燃やせ」



そう命令すると1人の部下が松明を持って近づいて行った



魔法を使うのは勿体無いからな



それをボーッとみていると近づいた部下がバラバラに吹き飛んだ



は?



「戦闘準備!!!」



俺は声を張り上げる



すると、木像にある3つの顔の目が見開き物凄い数の腕に武器が現れる



動きやがった!!



「魔物か!!!」



俺は走りだし攻撃を加えようとしたが複数の腕が持つ盾によって弾き飛ばされた



クソっ!!!



俺の攻撃を受け止めた上で、別の盾で吹き飛ばすか



意味がわからねぇ!!!



何度も転がりながら直ぐに立ち上がる



………舐められてんな、剣や槍だったら今の一撃で俺は死んでいた



他の部下達も続々と飛びかかるが、吹き飛ばされたり簡単に殺されていく



『『『我が名は千手・阿修羅観音、我を楽しませよ』』』



喋った!?



「やっぱ魔物か!!!」



魔物の中には人の言葉を喋る奴が居ると聞く、こいつもそう言うのだろ



迫りくる剣や槍を潜り抜け剣を横薙ぎに振る



部下達が身体を張って盾を相手取ってくれた



行ける!!!



「死にやがれ!!!」



3つの首を切り落とそうとした時



『風魔法、風切り』



1つの首が魔法を発動する



は?



俺の両脚と右手が吹き飛ぶ



クソが



倒れ込む俺に向かい、何本もの槍が向かって来ていた



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



side マスター



「マスター、どう言った理由で選んだのですか?」



「何が?」



俺は今、ミレイさんと共に()()を歩いている



「あの門から侵入して来た者達とその対処に向かわせた者達です」



「ああ、ベル君とキングトロールと千手・阿修羅ね」



「そうです、そうです」



ミレイさんは何度も頷いている



「ええっとまずベル君だけど、彼本体が強いし手駒も簡単に増やせるみたいだからリーンヘントに対処して貰った」



1人で王都を落としたんだ、弱い訳が無い



「何故です?」



ミレイさんが聞いてくる、素直に疑問の様だ



「リーンヘントは軍人の偽装だけど一応商人としやってきている訳だろ?なら物資を沢山持っていると思って、ベル君にはついでにそう言った物も回収して貰おうと」



商人としてやってくるなら誤魔化す為の商品とかそれっぽいのを沢山持って来ているはずだ



元からアランベルト王国とは貿易が盛んだったし壁を作った事で物流が一時的に止まったんだ、そう言った物も沢山持っている可能性があった



「はー」



ミレイさんは興味なさげに返事をした



そっちから聞いて来たくせに!!!



「もしかしたら食い物とかもあるか「それは楽しみです!!!」………」



俺がそう言うとミレイさんは先程とは打って変わってキラキラとした目をしていた



んー…ふに落ちない



「キングトロールは?」



「キングトロールはね、光神教が相手なら回復系のスキル、治癒魔法とか持ってるかなと思って。キングトロール自身の回復能力の向上が目的」



第14聖王国から来た連中は光神教の連中が中心



キングトロールは食べた相手のスキルを自身の能力にする事が出来る



光神教、つまり宗教関係者なら治癒魔法とか回復系統の魔法を持っているはず



もしキングトロールが回復系統の魔法を覚えれば、自己再生能力だけで無く魔法で自身の怪我を治せるのでは無いかと思って向かわせた



「なるほど。では最後の千手・阿修羅観音は?」



ああ、千手・阿修羅観音



あれが産まれたのは殆ど偶然の産物だった



と言うのもあの、千手・阿修羅観音は何を隠そうマザーゴーレムである



正直言って持て余していたマザーゴーレム



いい入れ物が無いかと探していると紅が神創樹の枝を使って何か作ってみるのはどうかと提案してくれた



神創樹はそんじょそこらの樹とは違い、とんでも無く硬く魔力がこもっているそうだ



この世界の人はそんなのを薪にしようとするの?



試しに1本貰い…



神創樹は恐ろしくデカいので枝もとてもデカかった



小さめのを1本貰い、半分に切って2体の木像を紅に創って貰った



紅は身体の一部でもある神創樹なら触れるだけで幾らでも形を変えられるそうだ。鎧とか木刀にも変えていたしな



紅はイメージ通りと言うか、紅も桜と同様に俺から吸収した魔力で、ある程度の知識を俺から吸収していた



だから俺が頼んだ物を知っていた



それは千手観音と阿修羅像



紅は完璧に創ってくれた



それを偶々現れたミレイさんに見せた所、この2つは融合しないのですか?と言われた



この2つのどちらかにマザーゴーレムを使おうと思っていたが融合してしまえば1つになる



確かにと思い、早速融合



そうして産まれたのが千手・阿修羅観音



マザーゴーレムを搭載しアランベルトの兵士が持っていた剣や槍、盾を持たせてLv10の数多くの戦闘スキルも与えた



正直言ってとんでも無いのが産まれたと思う



水の国、アトランティルートは特に興味が無いのであれだな



「千手・阿修羅観音の試運転」



「なるほど」



それで納得するんだ



まぁ他に理由無いしな、マザーゴーレムが失敗したら桜か紅を向かわせるつもりだったし



「マスター、もうすぐです」



ミレイさんが嬉しそうに指を指した



俺達は今、水の国、アトランティルート



その王都に向かっていた



と言うか今着いた



俺とミレイさんはアトランティルートの王都に足を踏み入れる




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