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最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第1章 アランベルト王国編
39/56

39話 シュナの戦闘(編集しました)

※グロいシーンや人が死ぬ描写があります。ご注文を




side 灼熱のシュナ




…………魔導師様が目を瞑り、長距離転移の為の魔力を練っている



その間、一歩も動けなくなり自分を守る事さえ出来なくなるとの事



「シュナは魔導師様を頼んだよ。その折れた魔剣じゃ何も出来ないだろうし」



シルフィンに言われ私は自分の魔剣を見る



剣の中央部分から先が無くなった私の「業火」



あの化け物の舌を切ろうとしただけで魔剣の本体が無くなるとは思わなかった



「そうです。姉さんは魔導師様を…あれは僕達に任せて下さい」



ジルがカッコつけながら言う



…………いつの間にこんなにも大きくなったのだろう



昔は私の後をちょこちょこ付いてくるだけだったのに



ジルを見て過去の思い出に浸りながら私は覚悟を決める



「…………わかった。頼んだよジル、シルフィン。魔導師様の事は気にせず本気でやって頂戴」



魔導師様は私が守る…絶対に



「シルフィン…か、昔から思ってたけどシュナってやばい状況になると私の事シルフィンって呼ぶよね」



シルフィンがふと、そんな事を言い出した



「…………ダメ?」



私はシルフィンに向かって笑みを浮かべながら聞く



…………全然気が付かなかった…確かにそう言われるとそうだね



…なんだろう…凄い恥ずかしい



顔が火照っていくのを感じる



「全然。シュナにならなんて呼ばれようが気にしないわよ…さて、行くわよ、ジル!ゴードンを殺した事、後悔させてやりましょう」



シルフィンが背を向け歩き出す



「ええ、行きましょう。シルフィン…………姉さん」



シルフィンがピシリと止まると



「あ…あんたね!…なんで今なのよ!!!」



そう騒ぎ出す



「だって昔から姉さんって呼んで欲しいって言ってたじゃないですか」



「そ、それはそうだけど!!!」



耳の先まで真っ赤になったシルフィンがジルに気圧されている



こいつらは一体何をしてるんだか



「ちょっとあんたら!痴話喧嘩なら帰ってからにしなさい!」



あの化け物を前にしていつもの痴話喧嘩を始めるとか何を考えているの!?



「痴話喧嘩じゃ無いもん!!!」



シルフィンが必死そうな顔で言う



しかし、その真っ赤にした顔で言われても説得力がない



「…僕としては、痴話喧嘩と言われるの嬉しいのですが…」



…今日のジルはグイグイ行くな



「あんた本気!?だって私…ハーフだし…」



…だからあんたら戦闘中なんだっつの



まだ敵、いるっつの



「…だったら約束して下さい。生きて帰ったら結婚してくれると」



「え?!!?!」



…………ダメだこりゃ…



「えっと…ええっと…………ば、化け物!良く聞きなさい!あんたを倒して私は幸せになるんだから!!!」



空気に耐えられなくなったシルフィンが走り出す



…えっと…つまり、シルフィンが妹になるって事でいいのかな?



「よしっ!…………では姉さん!行ってきます!!!」



満面の笑みを浮かべたジルも走り出した



………まぁいいや、深く考えるのはよそう



そう思い、折れた魔剣を構える



一瞬の間に魔剣解放を発動するシルフィン



数多の魔剣の分体を生み出すジル



2人が近いた事で化け物が行動を始めた



全身から垂れ下がる舌が縦横無尽に暴れまくる



「シルフィンさん!舌には触れないで下さい。掠っただけでも溶けますよ!」



「分かってる!!!」



ジルは例え舌に溶かされようともいくらでも魔剣の分体を生み出す事が出来る



ジルの周りには様々な能力の「氷水」が浮いていた



「当たらなきゃいいのよ!神速!!!」



シルフィンの姿が消える



シルフィンは自らのスピードを極限まで高め、縦横無尽に暴れる舌を交わしている



「魔剣解放モード「霞」、霞隠れ」



ジルが魔剣解放を発動すると、ジルを中心に霧が立ち込め流れ出た霧が化け物を覆う様に辺り一面に広がって行く



【グガアアアァァァァァ!!!!!】



姿を消したジルに化け物、キングトロールが苛立ちを見せながら舌で攻撃を加えるがジルには当たらない



「………霞の戦士…」



霧の何処からかジルの声が聞こえる



するとキングトロールを覆う霧から何十、何百と沢山の人型の霞が飛び出す



人型の霞には色が付き、次の瞬間には大量のジルとシルフィンになった



四方八方から攻撃するジルとシルフィン



舌の攻撃でほとんどが一瞬のうちに消されるが何体かはキングトロールに辿り着く



しかし、所詮は霞



当たった瞬間に霧散してしまう



キングトロールが全身の口でニタリと笑う



でも残念



斬撃斬(ざんげきせん)八の式、八方惨(はっぽうざん)!!!」



何処からか現れるシルフィン



キングトロールの舌が八本、根元の口ごと切られ吹き飛んだ



【グガァァァァァ!!!】



キングトロールは残った口で叫び声を上げる



と同時に残った舌でシルフィンに攻撃を加える



それも残念



「木の葉の舞」



キングトロールの舌が当たる瞬間、シルフィンはまるで風に舞う落ち葉の様に攻撃を交わす



何度でも何度でも



何度でも



「水神、水斬り!!!」



シルフィンに気を取られていたキングトロールにジルの攻撃が当たる



ジルの周りには5つの水球が浮いており、その水球1つ1つから、一点に集中された水が飛び出す



見た目はただ真っ直ぐに伸びただけの水なのに、キングトロールの両足を切り落としてしまった



倒れ込むキングトロール



キングトロールも負けじと舌を動かしジルを横薙ぎに切り裂いた



ジルの名前を叫び、今にも駆けつけたいが私が油断をすると後ろにいる魔導師様がやられてしまう



今でもキングトロールの舌が定期的に、魔導師様に襲いかかってきている



私はここから動けない



私が泣きそうになっていると切り裂かれたジルが水になり崩れ、何処からか3人のジルが現れた



イラっと



悲しみが一点してイラつきに変わる



あの野郎…水分身ならそうならそうと



水分身は魔剣の分体をジルの姿形そっくりにして操作する能力



本来なら1人操るだけでも大変なのにジルは訓練により3人までは自由自在に操る事が出来る様になった



3人でキングトロールの攻撃を交わし、往なすジル



「神速!!!」



再びシルフィンが神速を発動し、ジルの援護に回る



1人のジルが腹を突き貫かれると崩れ、キングトロールの舌ごと凍りつく



そしてその凍りついた舌を直ぐ様シルフィンが叩っ斬る



もう1人のジルは腕が片方無くなると崩れてしまい



もう1人は首が無くなって崩れた



神速を解除して距離を取るシルフィン



【グガァァァァァ!?!?!!】



ジルを見失い、困惑しているとキングトロールが雄叫びを上げる



3人のジルとシルフィンが戦っていた反対側のキングトロールの身体に3本の真っ白な魔剣が突き刺さっていた



あれはジルの魔剣の能力の(はく)



真っ白な魔剣から冷気が立ち込もり、徐々に広がって行く



キングトロールは魔剣を叩き落とそうと舌を伸ばすが魔剣に舌がくっ付いた瞬間、舌も凍りついて離れなくなる



【グガァ!?】



キングトロールが困惑し、もがいていると



「シルフィンさん今です!!!」



何処からかジルが現れる



あれはジルの能力の「蜃気楼(ミラージュ)



自身を透明にする事が出来る能力



「了解!行くわよジル!!!」



シルフィンは魔剣に風の渦を発生させ、横薙ぎに降る



すると、魔剣から離れた風の渦が巨大になる



「疾風大竜巻!!!」



シルフィンが生み出した巨大な竜巻が、今もなおもがいているキングトロールに襲いかかる



「シルフィンさん行きますよ!魔剣解放!!モード「氷結」」



真っ白な魔力の鎧に包まれたジルから目に見えるほどの冷気が立ち込める



「ジル!!早く!!!」



キングトロールを中心している巨大な竜巻



竜巻が移動しない様にシルフィンがなんとかしている



「…全てを覆い尽くし呑み込む神の氷よ、大地を蝕み凍らす風よ」



ジルがとんでもない量の魔力を魔剣に注ぎ込み始める



「全てを呑み込む神の風よ!!全てを覆い尽くし風を凍らす神の息吹を!!!」



ジルに合わせてシルフィンも魔剣に魔力を注ぎ込み始める



「全てよ凍れ!」「全てよ凍てつけ」



「「魔剣混合奥義!氷神!!氷河期(アイス・エイジ)!!!」」



ジルの魔剣から発生した冷気がシルフィンの竜巻を飲み込み、全てを蝕みながら凍っていく



風を凍らせ、空気を凍らせ、大地を空を凍らせる



そこには天にまで届く巨大な氷の塔が出来ていた



それを見て私の身体から緊張が抜けていく



あの魔法が直撃したんじゃ生きているはずがない



私の「業火」はキングトロールを燃やし尽くせない可能性が十分にあった



でもあの魔法は違う



髪の毛1本、汗1滴に至るまで凍らせる神の冷気



身体の中から凍ったんじゃ活動は出来ない



例え倒せなかったとしても数十年の間は大丈夫



あの氷は溶けないから



まぁこんな往来のど真ん中であれを使うのは不味かったかもしれない



その時は魔導師様になんとかしてもらおう



「ジル!!!」



そう考えているとシルフィンの声が聞こえる



ジルを見るとジルは蹲っていた



「ジ…」



私もすぐに駆けつけようと思ったがシルフィンを見て思い留まる



我慢よ我慢!未来の妹の為なんだから我慢!



「ジル…大丈夫?」



ジルの元に駆けつけ優しく介抱するシルフィン



「さ、寒いです。凍えて、しまいそう、です」



シルフィンに介抱されながら私の所にまで聞こえるくらいにカチカチと歯を歯をぶつけて鳴らせているジル



そこには2人の世界が出来ていた



………お姉ちゃん悲しい、ぐすん



まぁともあれ、なんとかなったので魔導師様を…いやこのまま放って置いた方がいいのかな?その方が早く帰れ



ゾクリ!?!?!!



後ろを向いて魔導師様に声をかけるかどうか悩んでいた私の背後から悪寒が走る



「危ない!!!」



ジルの叫び声が聞こえる



私は咄嗟に魔剣を構えるが遅く、()()()()()()()()()



「いっ!?!!?」



痛い、でもそんな痛みもすぐに無くなる



私が倒れ込む視界の先ではシルフィンを庇い、身体に何本もの()が突き刺さるジルが



「ジル!!!!!」



ジルに突き刺さった舌が暴れジルをバラバラにする



舌は氷の塔の中に戻っていった



そんな…うそでしょ



私は脚の痛みと恐怖で頭が真っ白になっていると



「………あ…ああ…あああああ!!!!!殺す!!!!!」



シルフィンが雄叫びを上げながら走り出す



「シルフィン!!!駄目!!!!!」



【グガアアアァァァァァ!!!!!】



キングトロールがまたしても無傷な状態で氷の塔を破壊しながら出てきた



そんな!!!



「あああああ!!!!!」



魔剣解放をし無理矢理攻撃をするシルフィン



お願い止まって、シルフィン…お願い



シルフィンの脚が無くなる。腕が、肩が



………シルフィンは靴を1つ残し居なくなってしまった



【グガアアアァァァァァ!!!!!】



キングトロールが勝利の雄叫びを上げている



そんな…嘘よ…



頭の中がぐしゃぐしゃになる



目からボロボロと涙が溢れる



許さない



私は魔剣を構える



脚がなくなって立てない?なら生やせばいい



炎で出来た脚を生やして立ち上がる



「………かかって来なさい、化け物。あんたは絶対許さないんだから!!!!!」




ーーー



5分間なんとか魔導師様を守り抜き、王都に送り出す事が出来た



もうボロボロだ



もうじき魔力も尽きてしまう



憎っくきキングトロールは今もピンピンとしている



ゆっくりと私に舌を向けて笑っている



私が殺されるのも時間の問題だろう



だから



だから



ごめんね「業火」



「………代償召喚」



私がそう言うと握っている「業火」がバラバラに吹き飛び



中から赤く燃え盛る結晶が出てくる



これは「業火」のコア



魔剣の全てであり中心、魔剣の能力の全てを担っている部分



魔剣はコアさえ無事なら何度でも作り直す事が出来る



逆に言えばコアが無くなったり壊れたら2度と使えない



コアは魔剣にとって大事な部分



それを()()にする



「業火」のコアが天高く昇っていく



「業火」のコアから発せられる熱が、真っ赤に輝く光が強くなる



「業火」のコアはある一定の高さに届くと止まった



キングトロールはコアを不思議そうに見ている



「神級魔法!「煉獄(れんごく)」」



その瞬間、大気が熱を帯び辺りが焦土と化す



空にぽっかりと大きな黒い穴が開き膨大な魔力が穴の中で暴れている



「………死の世界を呼び出したよ…死に…な」



あまりの熱量で私の身体が燃える



火と炎の耐性スキルを持っているがそんなのでは耐えられないレベルの熱



見るとキングトロールが燃えている



行ける!!!



私はそう思いながらもう後押しを決める



「業火」私の全てを持ってきな



()の代償召喚



神級魔法「炎雷(えんらい)



ドクンッ



心臓が強く脈を打ったかと思うと身体から力が抜ける



私は壊れる前の「業火」に私の魂を捧げた



私の魂を代償にもう一つの神級魔法を召喚する



穴の中で巨大な炎が発生し雷が鳴り響く



半径10kmを吹き飛ばす神の雷、全てを燃やす尽くす神の炎



死ね、キングトロール!!!



薄れ行く意識の中キングトロールを眺めていると



【【【………喰らいつくす者】】】



………嘘でしょ?



………キングトロールが喋った?



違う、そうじゃない



…この()



ジル?シルフィン?…ゴードン?



キングトロールは3人の声で声を出した



私が信じられず呆然と見ていると視界から一瞬で消えるキングトロール



舌を縦横無尽に振り回して空高く昇っていった



舌が何も無い空間を掴み空を進んでいく



そんな…どうやって



早く!お願い!発動して!!!



しかし、私の願いが届かず「業火」のコアまで辿り着くキングトロール



神様…お願い



大きく開いたお腹の口で「業火」のコアをキングトロールが呑み込む



ドクンッ



再び心臓が脈打つ



空に空いた穴が閉じてしまい、熱が消える



魂は使ってしまった



私は直ぐに死ぬ



ごめんね…みんな…



仇…取れなかった



ごめん…ね



キングトロールが大きな音を立てながら着地をしたのを最後に私の世界は終わりを告げた





注釈1・代償召喚魔法


代償召喚魔法とはなんらかの物を代償に強力な魔法を召喚する魔法の事です


「業火」のコアを代償に神級魔法「煉獄」


発動すると大気と大地が常人では耐えられない程の熱量を帯び、天空に穴が開きます。その穴に魔力が溜まると半径10kmを燃やし尽くす巨大な炎が烈火の如く降り注ぎます


そこにシュナは自らの魂を代償にしもう一つの神級魔法「炎雷」を召喚しました


炎雷は煉獄と同時に発動する事が出来る特別な魔法で煉獄に雷の魔法を追加で付加する事が出来ます


攻撃範囲は変わらないものの威力は数十倍にまで跳ね上がります



注釈2・失敗理由


代償召喚は魔法の完全発動と同時に適用されます。完全発動の前にキングトロールに喰われた為に失敗しました


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