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最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第1章 アランベルト王国編
33/56

閑話休題1 我の名前は「ベルゼブブ」




「待ってくれ!話と違うではないか!」



今日も今日とて馬鹿が騒ぐ



《話とはなんだ?》



「貴様ら()()は魂を代償になんでも願いを叶えてくれるのではなかったのか!!!」



《その通りだが?》



「ならなぜ願いを叶えてくれない!その為に私は家族を贄に捧げたのだぞ!!!」



《だからなんだ?》



「だからなんだだと!!?貴様!!!」



馬鹿が騒ぐ。うるさくて仕方がない



そもそもの話



《順番が違うのだ》



「…順番だと?」



《我を呼び出すには膨大な魔力が必要となる》



「それは知っている!現に数多くの魔物のコアと魔道具を用意した!」



ふむ、それはたしかに



我は()()()()。普通の悪魔とは違いそう簡単には呼び出す事は出来ない



しかし



《贄とは足りぬ魔力を補う為に必要なのだ》



「…なんだと?」



男は驚いた顔になる



それはそうだろう、この馬鹿がやった事は無駄なのだから



《我は呼び出されている。贄など必要ない。だが主は贄を捧げた》



この男は我を呼び出した時、家族を自分の魂の代わりに捧げるから願いを叶えてくれと言ってきた



よって



《主の願いは家族を贄に捧げる事。願いは叶えたぞ》



「は?は?はあ?」



なんなんだこの馬鹿は?口を開けながらパクパクして気色悪い



ぶくぶく太った醜い男がそんな事をしても見苦しいだけだぞ



《願いは叶えた。お前の魂を頂こう》



「待ってくれ!違う!そうじゃない!!!」



面倒な



《頂こう》



「待て!嫌だ!!!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤ!!!!!」



馬鹿が逃げようとするが、逃すはずがない



我は我の分身である蝿を大量に召喚し、馬鹿を襲わせる



蝿達は馬鹿の足に飛び掛かって転ばせ、身体に群がっていく



関節の間や耳の中、口の中と柔らかい部分からじわりじわりと血肉を貪っていき、体内に侵入していく



「ぎゃあああああ?!!?!」



馬鹿はのたうち回りなんとか蝿を叩き落とそうとしているが、そのような事でやられる程、我の分身はヤワではない



馬鹿は次第に動かなくなっていき、徐々に骨が見えるようになっていった



そこまで行くと馬鹿の心臓部から青く燃える光の玉が出てくる



この馬鹿の魂である



このままでは創造神の元へ行ってしまうので馬鹿の魂を手に取り、弄ぶ



やはり人は魂のままの方が何倍も…美しい



魂をわざと離し少し離れるとまた手に取る。片手から片手に投げ、手で回転させる



…何故だか楽しい



この行動には特に理由も無い為、我は魂を口に含む



ふむ、少々脂っこいがまあまあの味



ゴクリと音を立てて魂を飲み込む



青い光が喉を通っていき、胃に辿り着く。胃がじんわりと熱くなり心地よい熱が全身に広がる



これでこの馬鹿の魂は消滅した



しかし、今日だけで5人の魂を食せるとは大変喜ばしい事である



いつもなら1人の魂を食すのに大体、2ヶ月はかかるというのに



実に運がいい



何か良いことでも起こるのだろうか…



ああ、自己紹介がまだだったな



我が名はベルゼブブ



蝿という虫を模した特級悪魔である



特級悪魔とは普通の悪魔とは違う



下級から上級の悪魔はこの世界で生まれ、命を得たが



特級悪魔は2()()()()()()によって生み出された崇高なる存在だ



言わば私は神の使いであり神そのもの



私の行いは神の行いである



ふっふっふっ



不満があるとすれば生み出された際、創造神に「お前は暴食な」と言われたぐらいだろう



何を持って暴食なのか…



暴食とは無闇やたらに沢山食べる事を指す



私は必要以上に食べるという事に…興味がない



そもそも特級悪魔は腹を空かせない



人の魂をどうにかして奪い取り、食す事で魂を消滅させる



それが特級悪魔の仕事だ



他の悪魔は知らんが、特級悪魔は魂を食すれば食するほど強くなる



そうして強くなり、魂を狩って行くのだ



ただ、普通に魂を狩っていくだけではつまらない



私は契約の元に魂を奪い、人を弄んで楽しんでから食すのだ



何百年もしている事なので生き甲斐とも言える



しかし、いつも思う…暴食とは一体



過去に1度、我以外の特級悪魔に会った事がある



そいつもこの事について悩んでいた



そいつの名前は…レヴィアタンだったか?



海に住む馬鹿でかい悪魔であった



レヴィアタンも我と同じで創造神に言われたそうだ



「お前は嫉妬だ」と



嫉妬とは…と気持ちの悪いくらい言っていたな



だが分からなくも無い



我々、特級悪魔は感覚が違うのだ



例えば我は蝿という虫の悪魔、レヴィアタンは大きな海の魔物だ



…どう嫉妬する?



人の姿が羨ましいとかか?



それに対しての答えは、全く無いである



そもそもの話、我々の見た目は創造神が作ったのだ。この世界を作った創造神が作った肉体だぞ?不満などはない



人には心や愛がある?



それを壊し弄ぶのが楽しいのではないか



嫉妬する訳が無い



人は色々と成長をする?



…成長する一歩手前で殺すのが楽しいでは無いか



この考えはレヴィアタンも一緒で、何に嫉妬すれば…ブツブツと言っていた



と言っても嫉妬はレヴィアタンの仕事



我には関係ない



我も暴食を理解しなくては



…ん?遥か遠くから召喚魔法の波動を感じる。誰かが我を呼び出そうとしているのか?



この悪魔用の召喚魔法は私が過去に人にばら撒いた物



暇で物思いに耽っていた所、ちょうどいいではないか



我は呼ばれるがままに召喚された



〜〜〜



〜〜





空間を破りながら少々の演出も込めて召喚に応じる



《我が名はベルゼブブ、何の用だ》



どうやら我を呼び出したのは魔導師と剣士の2人であった



たった2人で我を呼び出すか、驚いたな。かなり強い魔導師と剣士の様だ



「…望みがある、我々2人の命はどうなってもいい!…だから!この町を救ってくれ!!!」



剣士がそう叫び、2人が我に跪く



町だと?



そう思い、我は辺りを見回す



瓦礫の山か?いや、この魔力の感じはダンジョン?



かなり大きなダンジョンと言う事か?



まあ大方、ダンジョンを管理しているものが謀反を起こし、町を壊滅させたと言った所だろう



ならば簡単だ、そのダンジョンマスターを殺せばいい



《…………その願い聞き届け…》



“貴方は一体何をしているのですか?”



………我に対して念話を送ってくるだと?



そんな事は魔力差的に不可能なはず…この魔力!?



まさか創造神?!!?!



《え?なぜあなたが?!》



“裏切ったのですか?”



《いや、裏切ったわけでは!待ってくだ!》



我の身体が何かに無理矢理引っ張られるのを感じ、周りの空間が歪む



我の意思とは関係なく、無理矢理に召喚された?



本来、召喚とは呼び出された側が了承した場合でしか成功しないはず



我は了承を出していない



それなのに我は呼び出された?



これは[強制召喚]と言い、召喚するものよりも何倍もの魔力が必要とされる



我は特級悪魔だぞ?その我が強制召喚されるだと?



理解が追いつかないまま、我は草むらに叩き落される



何処だここは?



「言い訳はありますか?」



声がする方向を見ると



創造神と同じ魔力の波動を感じる、見知らぬメイド姿の女がいた



…………誰だ?



「言い訳はありますか?」



にこやかな笑顔を向けてくるが我が恐怖を感じる程の殺意を感じる



《言い訳だと?》



何に対して言い訳だ?そもそも裏切ったとは?



先程は動揺してしまい答えたが我は裏切ってなどいない



弁明をするために立ち上がろうとすると



「跪きなさい」



ズンッ!!!



その言葉と共に我の身体が何十倍も重くなる



我は何もできずに跪いてしまう



これは重力魔法?!



馬鹿な!!!重力魔法は光魔法と闇魔法、風魔法、水魔法の全てを有し、その全てがレベル7以上でなければ使えないはず!!!



この女、化け物か?



「質問します。貴方は何者ですか?」



…どういうことだ?我の事を知らないだと?ならこの女は何故、裏切ったと言ったのだ?



《…………我の名前はベルゼブブ、古により人の魂を》



「そういう事ではありません」



ズンッ!!!!



我の回答は違ったらしく、機嫌を損ねた女によって重力魔法が強くされてしまう



…重い



先程までは何とか膝をつく程度で済んでいたが、身体全体が地べたに押さえつけられる程の強さだ



手足を使い、何とか身体を支える



「…創造神様達によって生み出された特級悪魔ベルゼブブよ、貴方は何者ですか?」



女が聞いてくる



しかし…我についてはそれが全てなのだが?



もしくは…我は我でも知らない力を持っているのか?



我が答えられないでいると



「…」



ズンッ!!!!!



また重力魔法が強くされる



ゔぬぬぬぬ!!!



我の身体から軋むような音がし始める



このままでは耐えられない!



何とか身体を強化しなければ…()()()()()()()()されているだと?!



この女!何をしやがった!!!



悪魔は特級や普通の悪魔も含め、身体のほとんどが魔力で出来ている



その為に、己の魔力以外の周りの魔力を活用して悪魔は強い魔法を発動したり肉体を回復したりするのだ



しかし、周りの魔力から隔絶された今



これではすぐに限界が来てしまう!



このままでは消滅してしまうではないか!!!



何とかしなければ



我は身体に限界が来る前に己の魔力を使い、魔法を発動する



魔法を発動すると、我の蝿の身体が徐々に変わっていき、()()の姿になる



この魔法は町などに潜入するときに使う魔法である



この姿の時は、魔法やスキルが一切使えなくなってしまうが、その代わりに魔力を体内に抑え込む事が出来るのだ



本来は魔力を抑え込む事によって悪魔という事を見破られないようにする為だが、今は魔力を抑え込む事によって消滅しないようにするのが目的



あちこちの骨に罅が入り、痛みが走るが消滅するよりはマシだ



「…………人間の姿になれるのですか?」



女が聞いてくる



我は答えるために顔を上げると



女はまるでゴミを見るような、汚いものを見るような冷たい目をしていた



ズンッ!!!!!!



の"お"お"お"お"!?!?



何故?!何故、重力魔法を強くする!!!



身体中から骨が砕ける音と激痛が走り押し潰されてしまう



これでは消滅した方がマシではないか!!!



あまりの激痛に消滅が救いのように感じてしまう



今、回復してもすぐに折られてしまうので回復する事も出来ない



どうしたら!?我はどうしたらいいのだ!!!



「もう1度聞きます。貴方は何者ですか?」



またその質問か!我は何と!何と答えれば!!!



「我は…いや、私は…創造神…様により生み出していただき、創造神様の部下にして創造神様の手足!創造神様の言うことは命をかけてでも成し遂げる創造神様の奴隷です!!!」



私にはこう言うしかなかった



このお方は裏切ったと言った、そしてこのお方からは創造神様と同じ魔力の波動を感じる



裏切ると言うならばこれしかないはず!



すると



「…………ふむ…まぁいいでしょう」



私から重力魔法が解除される!



………た、助かった



私は己の魔力を使い、ゆっくりと身体を治していく



まだ周りの魔力とは隔絶されているため、時間をかけてゆっくりと回復していく



そしてどうにか、よつん這いの状態に戻る事が出来た



…………しかし…死ぬかと思った



なんて恐ろしい女性だ



そんな事を考えていると



「どっこいしょっと」



うぐっ!?



女性が私の背に乗ってきた



「…………あの?」



「裏切ろうとした罰です。しばらくそうしていなさい」



罰?なら先程のは一体…



いや、やめておこう。もうあんな目には会いたくない



女性は私の背の上で、紅茶のようなものを飲み始めた



「ふむ…この紅茶はまあまあですね…40点といったところですか…そういえばマスターのリストには異世界の料理もあるのでしょうか?…帰ってきたら聞いてみますか」



私の背中の上で物思いにふけっている



………私はどうしたらいいのだろうか



私はピクリとも動く事が出来ず、椅子に徹する



…誰か…助けてくれ〜〜〜!!!!!



注釈


特級悪魔達は創造神の2人が勢いとノリで作り、作った瞬間にフィアリスに解き放ったために自分達について何も知りません


ミレイさんについてやダンジョンのこと、世界のことに関しても何1つ知らず、また何故自分達が暴食や嫉妬など決められたのも理解できていません


創造神達が説明をしなかったからです



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