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最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第1章 アランベルト王国編
31/56

31話 剥奪




高さとは、とても恐ろしい物である



例えばだ、2mの場合



2mを身長と考えると2mはそれ程とは感じない。2mの高さなど男性の平均身長よりも少し高い高さであり、2mを距離と考えたとしても2mなど歩いて数歩で事足りる長さである



しかし、2mの高さから飛び降りる、もしくは2mの高さを登らなければならない時、果たしてどれ程の人が出来るだろうか



例え出来たとしても、人によっては怪我をするだろう。落ちて捻挫や骨折、打ち所が悪ければ死んでしまうかもしれない



たかが2mの高さでこれだ



これがもし3mだったら?4mだったら?



果たしてどれ程、危険なのか



高さとは脅威である



これは自然の摂理であり、当たり前の事である



今回、イーリスの町の下に掘った空間にはかなりの高さがある



これがどういう事か



「ミレイさん…」



「す、すごいですね…」



2人してメニュー画面を見て震える



イーリスの町は8割方、ダンジョンの中に落ちたと言った所だろう



まだまだ落ちきっていないし、ダンジョンの中には沢山の生き残りがいる



それなのにだ



町から入手したDPが3000000DPを超えた!!!



単純計算でも落ちただけで、3万人以上の人が死んだという事になる



とんでもない数のDPだ。今までコツコツと増やしていたのが馬鹿みたい



しかも、生き残った大半の人が瓦礫の下だ



放っておけば死ぬまでの間、DPになるという事になる



しばらくの間はDPに困る事は無い



はぁ〜…自分が怖い



さてさてどうするかな〜何に使おうかな〜



「マスターマスター、朗報です」



「お?朗報?」



なんだ?これ以上のいい事なんてあるのか?



「イーリスの町を管理しているシティーコアが今現在、ダンジョン内にあります」



「お、おう」



町ごと落としたんだもんな、そりゃそうか



「それにより、シティーコアの管理権を剥奪する事ができます。いかがしますか?」



「え?そんな事出来るの?」



「はい。シティーコアには手が加えられていますが所詮はダンジョンコアです。私にかかればなんて事ありません」



ミレイさんは自分の胸に手を当て自慢気に言う



嬉しくて仕方ないって感じだ



「そうか、それは凄い!流石はミレイさん!」



ミレイさんが嬉しそうにしてるので褒めておく



「当然です!!!…と言いましてもシティーコアの管理権を奪うには我々のダンジョン内に移動させるか私が直接触れる必要があるので不可能と思っていました」



「なるほど」



色々条件があるのか…まぁ当たり前か。そんな事が出来るなら最初からやればいいだけの話だしな



「それで、いかがしますか?」



ミレイさんがソワソワしながら聞いてくる



そんなのは決まっている



「ミレイさん、奪え!」



「はい!!!………終わりました」



はやっ!?



「え?もう?」



「私にかかれば当然です!…また、シティーコアの管理権を剥奪した事によりこのシティーコアが管理下に置いておいた全ての場所がダンジョン内に統合されます」



「全ての場所って?」



「そうですね…イーリスの町を中心にここら一帯全てと、複数の村落ですね」



「ここら一帯?」



「はい。今、私達がいる草原や墓山があった場所などを含め、かなり幅広い領域を手に入れる事が出来ました」



「ん?シティーコアは町を守ってるんじゃなかったっけ?」



確か前にそんな説明をしてた気が



「そのようなのですが、どうやらシティーコアには領土を管理する能力もあるようです」



「つまりその領土をまるまる奪えたって事?」



「そうなります」



「そうか…大きすぎてピンとこないな。その奪った領土での1日にもらえるDPはいくらくらいになる?」



「そうですね…最低でも500000DPは確実かと」



「…おお!!!!!」



それは凄い!今までいたダンジョンは10部屋で1000DP、地下の巨大なダンジョンでも5000DPくらいだ



なのに!なのにだ!



「すっげ!!!」



「そうです!凄いんです!!!」



2人して凄いを連呼し、小躍りをしてしまう



めっちゃ楽しい



少しの間2人で騒いでいると



イーリスの町のほとんどがダンジョンに落ちたようだ



「お、もうそろそろかな?ミレイさん!」



「かしこまりました!」



ミレイさんはまだ興奮している様子



一瞬でメニュー画面を開き、続いての作戦を開始する



俺とミレイさんの目の前に大量のモニターが現れる



ミレイさんが何をしたのかと言うと、大量のインビジブル・アイをボックスから地下のあちこちに出したのだ



ダンジョン中であれば、ボックスから好きな場所に物を出す事が出来る。その機能を利用している



これによりインビジブル・アイが見ている映像が映し出される為、生き残り達が何をしようとしてるのか一目瞭然になる



さてさて、どんくらい生き残って



インビジブル・アイの映像を確認しようとした所



ゾクリっ…



突然、俺の体にわけのわからない悪寒と恐怖が走り去る



は?



悪寒と恐怖は原因はすぐそこから感じる



その方向を見るとミレイさんから出てはいけない、何か黒い物が溢れ出ていた



「ミ、ミレイさん?」



身体の震えるがとりあえず声をかけてみる



「マスター!あの者を殺してもよろしいでしょうか!!」



声をかけた途端、ミレイさんは正気を取り戻しミレイさんから溢れ出ていた黒い何かは引っ込んでいった



なんだったんだ一体



………凄い怖かった



ミレイさんが指を指している方向を見ると1つのモニターに怪我をしたおっさんが写っていた



え?誰?



「あの男は…あの男は!あのクソまずい飲み物を私に売りつけた男です!!!」



…………え?そんだけ?



そんだけであの訳の分からない黒いもの出したの?え?



「よろしいですか?!今すぐ許可を!早く!」



ミレイさんは凄い剣幕で詰め寄ってくる



「あ、はい。お好きにどうぞ。それと、ついでに作戦を次の段階に進めてね」



「了解です!!!!!」



…………ミレイさんはすぐ様、メニュー画面を開き何かし始める



うん、俺は深く考えるのを辞めて他のモニターに目をやる



映し出されているモニターには突如として現れた、大量のゴーレムが生き残りを襲い始めていた



俺は今回の作戦の為に様々なゴーレムを作ってきた



例えば、普通の作業ゴーレムの両手を武器に変えただけの『簡易型戦闘ゴーレム』



このゴーレムは手を武器に変えているだけなので簡単に作る事が出来る



欠点は動きが遅く、弱いところだろう



その欠点を踏まえた上で次に作ったのが『スケルトンゴーレム』



スケルトンゴーレムは『スケルトン』という人の骨が魔物化した魔物をゴーレムで覆う事により、複雑な戦闘が出来るようにした工夫したゴーレムだ



スケルトンという魔物は墓山の下から大量に出てきたアンデットの一種である



墓山に居たアンデットは、ゾンビやレイスといった死んで間もない死体が魔物化した物や実体がない物、その上位種がなどが沢山居た



しかし、地下にたアンデットはスケルトンしか居なかったのだ



長い年月の間、地面の中にいる事で肉が削げ落ち、スケルトンになったのだろう



他のアンデットは色々と使い道があるのだが、スケルトンはかなり弱い



古い骨ばかりなので骨が脆く、転んだだけでバラバラに崩れてしまう



これでは使えないと色々と試行錯誤した結果、ゴーレムで覆うことで骨を補強、強固に。そして、ゴーレムに筋肉の様な役割をさせる事で膂力と素早さを出させる事が出来たのだ



スケルトンゴーレムは複雑な動きが出来るため強く、とても素早い



欠点としてはスケルトンに戦闘面を委ねているため個体差が激しく。補強と筋肉の為のゴーレムと骨を覆うゴーレム、2体が必要になってしまう事だろう



まぁこれは仕方ないと思っている



その次に作ったのは少々工夫を凝らした、拘束ゴーレム



前に地下の犯罪者達に使っていたゴーレムとは違い、胴体の部分が樽の様な空洞になっている。その胴体の部分は簡単に開閉する事が出来るので、近くにいる人を簡単に閉じ込めてる事が出来る



それにより、ゴーレムの中に人がいるのでは?という疑心暗鬼を相手に持たせ、ゴーレムを倒す事に躊躇させる為のゴーレムだ



そのまま檻としても使えるので利便性が高い



欠点としては、人を閉じ込めるのが目的なのでそこまで強くは無く、近くにいる人を閉じ込め様とするので戦える人を入れてしまった場合、内側から破壊されてしまう可能性がある



1人だけで無く何人も閉じ込め様とするのも欠点だな



その次に作ったのが『(むち)ゴーレム』



スケルトンゴーレムの時の、2体のゴーレムを別の目的で活用する事からヒントを得たゴーレムである



鞭ゴーレムはとても大きく3m程の大きさがあり、両腕が巨大な鞭状になっている



この両腕を使い、広範囲に複雑な攻撃出来る



欠点としては、1体の鞭ゴーレムに7体の特殊なゴーレムが必要になってしまう



ここで重要なのが7体分ではなく7体のゴーレム



鞭ゴーレムの軸となり腰から足にかけて活動するゴーレムが1体、下半身を守り腰から頭までの胴体の役割をするのが2体。肩から腕にかけて鞭になっており、軸の行動に合わせて攻撃するゴーレムが2体。鞭の途中から先端にかけての鞭になっており、撃ち漏らした敵に攻撃するゴーレムが2体の計7体だ



1体1体の形が違う上、個別の命令をしなくてはならないので手間がかかってしまう



だがその分、動きが複雑過ぎてかなり強いと思う



そしてその次に作ったのが『泥ゴーレム』



ぱっと見た感じ、泥にしか見えないゴーレムである



泥ゴーレムは人の手足などに覆う様にくっつき、ゆっくりと広がって行くゴーレムである



ある程度広がるとくっついた人の身体を無理矢理動かし暴れさせるのだ



人の身体を覆っている為、泥ゴーレムを攻撃すると人にも影響してしまうので大変倒しにくくなっている



身体を無理矢理動かすのは同士討ちをさせる事が目的だ



欠点としては、くっつかないと何も出来ない事だ



これらをダンジョンの中に大量に送り込み、生き残りと戦わせる



それによりたくさんのDPが手に入るってもんだ



しかもこのゴーレム達は俺の魔力で生み出したもの。よってダンジョン内にいる間は完全に破壊されない限り復活をする!



強すぎるぜ…



そうそう、最後にギガントゴーレム



こいつの説明を忘れていた



前にも言った通りギガントゴーレムは墓山で作られている



と言ってもギガントゴーレムは1体の大きなゴーレムで出来ているわけではない



沢山のゴーレムを繋ぎ合わせて作っているのだ



しかもギガントゴーレムの体内にはスケルトン以外のアンデットが大量に詰め込められている



これがどういう事か



当初、ギガントゴーレムを作った時は驚いた、動かないんだもの



ミレイさんに聞いた所、大き過ぎるのが原因



身体が重過ぎて動けないそうだ



ならば軸を作り、大量のゴーレムを繋ぎ合わせる様にすれば動くのではとやってみたが、それでも動かなかった



ミレイさんが言うには、今度は処理能力の限界なんだとか



末端にまで制御が届かず動く事が出来ない



それならばと、今まで貯めていたDPのほとんどを使い『マザーゴーレム』を交換してみた



マザーゴーレムとはゴーレムの上位種であり、かなり強いゴーレムとの事



普通のゴーレムとは違い、処理能力が桁違いなんだとか



マザーゴーレムを軸にした所、ギガントゴーレムはすんなりと動く事が出来た



ギガントゴーレムは町を崩壊させ地下のダンジョンに叩き落す為に作った



今は地上に残った瓦礫や城壁の1部、自らの肉体の一部などを人が集まっている部分に投擲し嫌がらせをして貰っている



そしてギガントゴーレムには最後、マザーゴーレムをボックス内にしまう事でギガント状態を解除し、体内に閉じ込めているアンデットを解き放つ準備をしている



アンデット達には生き残りを掃討してもらう予定だ



ここまでの予定は全く問題なく快調快調



うまく行きすぎてて怖いくらいだ



などと考えていると



「マスター」



ミレイさんが声を掛けてくる



「ミレイさん、どうした?」



ミレイさんに問いかけながら近付くと、ミレイさんは1つのモニターを指差している



そこには



襲いかかるゴーレム達を巨大な木々が次々と破壊しており、その木に守られる様にしている少年がいた



なんとなくわかる



「新種族か…」



「その様です…」



ミレイさんは辛そうな顔をしている



それもそうだろう、これでリックと合わせて2人目だ



1つの町に2人の新種族。一体どれほどの新種族がいるのか…考えたくもない



そしてこいつの問題はかなり強そうだ



ミレイさんはモニターを見ながら、次々とゴーレムを送り込んでいる



しかし、鞭ゴーレムでさえ一瞬で壊されてしまった



かなり強いな…



はぁ…やるしかないか



「ミレイさん」



「はい」



「プランBで行く」



俺がそう言うとミレイさんは何か言いたげにするが



「…かしこまりました」



納得してくれた様子



さて、やりますか





注釈


ハルバード伯爵領は町1つと数個の村落しかないとても小さな領でした


現当主がリックから取り上げた魔剣を使い、時には賄賂にし時には金にしと頑張り、アランベルト王国の中で3番目に大きな町にする事が出来ました


しかし結局は伯爵止まり、大きく出来たのも自分が住む町だけ、魔剣だけでは限界が来ていました。そこで色々と考えた結果、娘をと…


主人公はそこに横槍を入れた感じです

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