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最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第1章 アランベルト王国編
28/56

28話 絶望の始まり4




side白騎士長、ゼパイル



私は今、ユニークスキル所有者を探し奔走している



ユニークスキル所有者ならこの町をこの状況を救えるかもしれない



そんな一抹の期待を抱き、走り続ける



しばらく走ると北区の建造物だったと思われる瓦礫が沢山ある場所に辿り着いた



北区には大きな建物が多くある為、大きな残骸があれば可能性が高い



すると



「さっさとしろ!ゴミ共が!早く掘り起こせ!!!」



何処からか怒鳴り声が聞こえてきた



この声は!



私は声のする方を頼りにいくつかの瓦礫を飛び越える



「さっさとせんか!馬鹿たれが!」



瓦礫の山の前で1人の男が命令を出し、多くの人が瓦礫を退かしているのが見える



「ガーラ殿!」



私は命令を出している男、ガーラ殿に声をかける



「ん?おお!これは白騎士長殿!ご無事でしたか!」



「ガーラ殿も無事だったか」



私はガーラ殿の元に行き、力強い握手を交わす



「はっはっはっ、私には優秀な()()がおりますゆえ」



ガーラ殿はニタニタと不気味な笑顔を見せてくる



ガーラ殿はこの町で1番大きな奴隷商の経営者だ



永久奴隷兵士にかけられる奴隷魔法や捕らえた犯罪者の大半もガーラ殿の奴隷商に送られている



見た目が少々…かなり…まぁ太っているせいでだらしないが、仕事はしっかりとするし違法な奴隷を扱わない事から気に入っている



奴隷への当たりが強いのが難点だがな



「それで、私に何か?」



ガーラ殿が聞いてくる



「そうだった、お主に頼みがある。そなたが管理しているユニークスキル所有者を貸して欲しい」



「…は?」



ガーラ殿は何を言っているんだという顔になる



「言いたいことは分かる。ガーラ殿、力を貸して欲しい」



私はガーラ殿になんとか頼み込む



「しかしですね…私も白騎士様には出来る限りの力添えをしたいのですが…何分(なにぶん)あれは、私の1番の財産でしてな…私の商会もこの有様ですし…」



そう言ってガーラ殿は瓦礫の山を見る



そうか、この瓦礫はガーラ殿の商会だったのか



しかし、しかしだ。もうどうにかすることが出来るのはユニークスキル所有者しか居ないのだ



「そうか…では、この条件ならどうだ?」



私がそう言うとガーラ殿の目の色が変わる



「…条件とは?」



「1つ、ユニークスキル持ちを貸していただけたのなら金貨500枚を贈る!2つ、ユニークスキル所有者に何かあった場合、私が人生を賭けてでも新たなユニークスキル所有者を手に入れてみせよう!これでどうだ!」



金貨500枚ならハルバート様ならなんとか出来る。ユニークスキル所有者の代償はユニークスキル所有者と昔から決まっているからな



ガーラ殿はしばし考えた後



「…………その条件では飲めませんな」



首を横に振った



「…なに?」



「その条件では、飲めないと言っているんです」



ガーラの目が鋭くなる



「その条件()()か…ならばどうすればいいのだ?」



「そうですね…まず、1つ目の条件ですがリーンヘント王国の金貨でなら、と言う事で」



「…リーンハルトの金貨だと?」



リーンヘント王国の金貨はこのアランベルト王国の3倍の価値があるんだぞ!それで言ったら金貨1500枚の値になるではないか!



「おや?私は断ってもいいのですよ?」



ガーラはニタニタと笑顔を見せてくる



クソっ!



「…わかった。その条件を飲もう」



ハルバート様なら何とか出来るはずだ…それに、例えハルバート様が無理でもこの魔剣『炎剣のブレッタ』を手放せば何とか



「次にですね…ユニークスキル所有者に何かあった場合の代わりのユニークスキル所有者ですが、それは当然として担保にあなたに様に私の奴隷になっていただきます」



「何だと?!」



私は驚愕のあまり目を見開いてしまった。私は剣を抜き



「貴様!いいかげんに「おやおや?いいのですか?そのような態度をとって、何度も言いますが私は断ってもいいのですよ?」…………クソっ!」



…背に腹は変えらんか



「わかった…その条件も…飲もう」



「それは良かった。そして最後に町を救ったらその功績の半分を私に譲ってください」



まだあったのか!がめつい男め!



「…わかった」



私は町の為にガーラの条件を飲むしかなかった



「それならば直ぐに契約いたしましょう!すぐに用意しますので少々お待ちを!…そうだ、エリア!来なさい」



ガーラがそう言うと1人の男物の服を着た、無表情の女性がやってきた



齢にして20半ばと言ったところだろうか



女性はガーラのところにやってくると頭を下げる



「何でしょう。ガーラ様」



「この男がお前に用があるそうだ。詳しく聞くといい」



「かしこまりました」



エリアという女性が再びガーラに頭を下げる



「では、私は魔法の準備をしてくるので少々お待ちを」



そう言ってガーラはどこかに行く



「…」



私はエリアという女性を見る



「何か?」



私がジロジロ見ていると、彼女は澄まし顔で聞いてきた



「そなたはユニークスキル所有者なのか?」



「ええ、そうです」



「どんな力だ」



「…()です」



「箱?」



なんだそのスキルは?



「私はどんなものであろうと、魔力で出来た箱に仕舞う事が出来ます」



そう言って彼女は、両手を合わせる



すると近くにあった人の頭程はある瓦礫の1つが魔力で出来た木箱の様な物に覆われる



木箱に覆われた瓦礫は徐々に小さくなって行き、手のひらサイズにまでなった



「これが君のユニークスキルなのか?」



「そうです」



「…中が物が入った状態で箱の大きさを変えられるか?」



「はい、大きくも小さくすることもできます。また、中のものが壊れた事は1度もありません。そして、箱の質も込める魔力量により変えることが出来ます」



魔力で出来た箱は中に物を入れた状態で大きさを変える事が出来、中の物が壊れた事は無く、箱自体の質も変えられると



「そうか…1つ聞きたい…あれは入れられるか?」



そう言って私は、巨大ゴーレムを指さす



「…何回かに分けてなら」



よし!流石はユニークスキル所有者だ!クソみたいな契約をするだけはある!この子がいれば?!



その時私は、ある事に気づいた



今、あの巨大ゴーレム…()()()()()()()()()()()()



咄嗟に振り返ると目前に城壁の1部が飛んできていた



しまった!間に合わ



「箱詰め!!!縮小!!!」



エリア殿がそう叫ぶ



すると城壁は箱に覆われて、小さくなる。まだまだかなりの大きさがあるがこれならば避けられる!



左に避け、なんとか躱す事が出来た



「…すまない。助かった」



「いえ別に。出来る事をしたまでです」



「そうか」



素っ気ない感じだが、躱す時にホッとしていたのが見えた



どうやら彼女は優しい子の様だ



「今、すごい音がしたのですが!大丈夫ですか?!」



ガーラが慌てて戻ってきた



「いや、心配はない。エリア殿のおかげで助かった」



「それはそれは。エリアよくやった」



ガーラがそう言うと



「私は出来る事をしたまでです」



彼女はそう答える。ガーラは慣れているようで気にも止めていないが彼女をよく見ると口元が緩んでいる。褒められて嬉しいのだな



「あ、そうでした。魔法の準備が出来ましたのでこちらに…おや、あのゴーレムまた何かしようとしてますな」



ガーラがそう言うので巨大ゴーレムを見ると、また何かを投げようとしていた



「無駄なことを。エリア、やりなさい」



「かしこまりました」



巨大ゴーレムがまた投げてくる



今回、巨大ゴーレムが投げたのは城壁では無く巨大な()()()()()()



土の塊?



それは猛スピードで向かってくる



「箱詰め!!!」



エリア殿がそう言うと、土の塊は魔力の箱に覆われる。だが、土の塊はその箱を突き破り真っ直ぐこっちに向かってくる



何!?



私は咄嗟にエリア殿とガーラを抱えて土の塊を避ける



土の塊は後方に落ちて行った



ドゴォォォン!!!



土の塊が落ち、その衝撃が辺りに響く



「なんだと!?そんなバカな!」



ガーラは大変に驚いている



確かに何故、ユニークスキルが破られたのだ?



エリア殿もしばし呆然としている



するとエリア殿は



「…はっ!ガーラ様お逃げください!あの塊、()()()()()()()()()



そう叫んだ



「そう言う事か!!!」



ガーラは私から降りて、一目散に逃げ出した



「どう言うことだ?」



私はエリア殿に聞く



「私のユニークスキルには1つ欠点があります。1つのものに着き1つの箱でしか入れられないのです」



「ふむ?」



「つまり、あの土の塊には!キャァァァァ!!!」



エリア殿が叫ぶ。私は咄嗟に振り返ると巨大なゴーレムが投げた土の塊から大量の「アンデット」が這い出てきた



しかもそれはスケルトンやゾンビだけで無く、レイスや上位種の『グール』、『ゴースト』や『ファントム』までいるではないか!



「エリア殿!逃げ」



ドゴォォォン!!!



ドゴォォォン!!!



ドゴォォォン!!!



逃げようと言おうとした所、先程と同じ土の塊が3つ、ここら一帯を囲むように落ちてきた



「…冗談だろ?」



投げられた土の塊からは次から次へと「アンデット」が湧き出てくる



「アンデット」達が近くにいる人を襲い始めたようで。あちこちから悲鳴が聞こえてきた



ええい!クソっ!



「エリア殿!我々だけでも逃げるぞ!」



「は、はい」



私は再びエリア殿を抱えて逃げる



エリア殿はこの町の為に必要だ!何としても生かさなければ!!!



しかし



「…ゴボッ」



抱えたエリア殿が突然咳き込む



エリア殿を見ると、口と鼻から大量の血を吐いていた。私は慌てて着地をする



「どうしたのだ!!!」



「ゴホッ…申し訳…ございま…せん…ガーラ様に…何か…あったようで、ゴホッゴホッ」



「どう言う事だ」



「ガーラ様は…私…ユニークスキル所有者を…持っていることで…同業者から…恨まれています」



動けずにいる私達に向かって「アンデット」が次々と襲いかかってくるが、エリア殿を抱き抱えているため剣が使えない



エリア殿を揺らさない様にしながら何とか「アンデット」の攻撃を躱す



「ですから…ガーラ様は…私と()()()()を…しています…」



「命の契約だと?」



襲いかかって来たグールの攻撃を躱しながら聞く。クソっ!掠った!グールの爪には毒があるためすぐに解毒のポーション…



割れてるんだった!クソがっ!!!



「命の契約とは…ガーラ様の身に何かがあった時…私も死ぬよう…に…なって…いる契約…です」



「何なんだ!その契約は!」



「そう…する事…で…ガーラ…様は…同業者に…殺され…ない…様に…したの…です」



クソっ!ガーラの野郎!命の契約なんて危険な魔法をかけたにも関わらず我先に死んでいるでは無いか!



「エリア殿!しっかりしろ!絶対に私が!」



私がそう言うと、エリア殿は笑顔を見せてくれ



「…箱詰め」



私を魔力の()()()()で覆った



「エリア殿!何を!」



箱の魔法により弾かれたエリア殿が足元に落ちる



「ガフッ…ゴホッ…私はもう…無理です…どのみち…助かりません…せめて…あなただけ…でも」



エリア殿は倒れたまま血を吐き、風の魔法を発動する



エリア殿が発動した風の魔法は私を箱ごと天高く飛ばしてしまった



「エリア殿!!!」



飛ばされながら、私はエリア殿に大量の「アンデット」が群がるのを見ているしかなかった




次回、ゼパイル最終回です。お楽しみに


はたして彼は生き抜く事が出来るのか

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