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最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第1章 アランベルト王国編
18/56

18話 階級




ダンジョンに戻ってきてから、かれこれ2週間が経った



この2週間大したこと起きていない



犯罪者共から奪ったものは大半が壊れていた為にほとんどがDPになった



よくて10DPだけど



残った物も武器や食料であったりと今は必要のないものばかり



食料を試しに食べてみたけど果物は酸っぱくて美味しくないし、肉は保存食のようで塩の味しかしなかった



酒もあったが、度数が強いだけで美味しくはなかった



まぁ腹は空かないからどうでもいいんだけどさ



ちなみに俺たちは今、ダンジョンの9部屋目にいる



その9部屋目には様々なものが置いてある



まず、俺が呼び出された時からあるベット



そろそろ変えるべきかな?



と言っても俺はここでは寝てない。ミレイさんに取られてしまった



俺の布団なのに



今もミレイさんが寝転がってゴロゴロしている



暇つぶしはメニュー画面のようだ。しょっちゅういじっている…まるでスマホだな



9部屋目の壁一面にはインビブル・アイによるモニターがビッシリと写っている



しかしほとんどが下水道内を飛んでいる為、代わり映えはない



部屋の中央にはダンジョンコアが浮かんでおり、はっきり言ってただの照明と化してる



俺はミレイさんが寝ているベットの隣でハンモックに揺られている



ここしばらくは、ここがお気に入りだ



ハンモックは前にも言ったが、トレントと言う魔物にやってもらっている



実に快適だ



部屋の端には犯罪者共からの戦利品である魔道具も置いてある



鑑定をして調べたところ、空気を綺麗にする魔道具のようだ



この魔道具があるのになんで二酸化炭素が効いたのか疑問だったのだが、この魔道具はわかりやすく言えば空気清浄機だ



それならば説明がつく



空気清浄機は空気を綺麗にするのであって酸素を生み出すわけではない



それだけの話だ



しかしこの魔道具は犯罪者共にとっては大いに役立っていた



この魔道具を動かし、ボロボロの扉から酸素を取り込んでいたようだ



なんとまぁ…杜撰(ずさん)



そのおかげで勝てたんだけどな



今はインテリアの一種として置いてある



ボックス内にしまっといてもよかったんだけど、空気清浄機だと思うと置きたくなった



時々動かして遊んでいる



隣の部屋である10部屋目には、拘束ゴーレムが並んで立っている



拘束ゴーレムは当初、犯罪者共をダンジョンまで連れ帰って殺すために作ったんだが生きていてもDPになるとわかったので檻として使っている



人は入れたままの状態だ



といっても3人ほど開口器のトリガーが発動し死んだ。ミレイさんがリーダーって言ってたやつもそうやって死んでしまった



本当にリーダーだったのだろうか?



檻に入れられていた女性たちも全員、拘束ゴーレムに入れ替えている



拘束ゴーレムは本当に良くできていると思う



例えば中で排泄しても時間をかけて土にしてしまうからだ、臭くならないので助かる



当初、放ったらかしにしていたら餓死しかけるといった事件があって大変だった



まぁ仕方ない仕方ない



そうか、人は食べなきゃ死ぬか。すっかり忘れてた



ダンジョンマスターになってからほとんど食べてないからなぁ…腹減らないし



あのギャーギャー騒いでいた、たて巻きロールも今は大人しく拘束ゴーレムに入っている



たて巻きロールを連れ帰った後、伯爵家とか貴族ギルドの仲間とか言ってたのが気になり説明させようとした



しかし、たて巻きロールはまだ子供だ。何を言ってるかイマイチ要領を得ない。文句を言うだけ



どうしようかと悩んでいたところ、たて巻きロールの後ろにいたメイドが多いに役立った



最初メイドは一言も話そうとしなかったのだけど、ミレイさんに任せてくれてと言われたので任せたところ



色々話してくてた



まぁそのメイドは最終的にはDPになったけど…拷問って怖いね



メイドが言うには心配はしなくていいそうだ。話を要約すると、あのたて巻きロールは親に売られたそうだ



貴族には階級というのがある



トップは王や王族であり、その次から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順に位がある。他にも色々あるそうだが、ほとんどはこの5種類に分かれているそうだ



なんでも、たて巻きロールの家は1つ上の階級、ベルナール侯爵家という侯爵家と仲良くしたいそうだ



今でもある程度取り引きをしているがもう1歩踏み込みたがっている



そこで娘を売ることにした。この町の代官と地下の犯罪者は繋がっており、その犯罪者を使って自分の娘とメイドを誘拐させる



そして、侯爵家の使いのものが娘とメイドを引き取りに来て侯爵家に連れ帰る



貴族にとって結婚とはとても大切な事であり血を大事にする文化があるそうだ



だから、そうやすやすと結婚をさせる事は出来ない。貴族は階級が上がれば上がるほど、いろんな(しがらみ)や関係などに気を使わなければならないからだ



それに大半に許嫁がいる



そしてこのたて巻きロールは4女。貴族としての価値は低い



しかし、今回の件。伯爵家にとっては、たて巻きロールを誘拐されたに過ぎず。侯爵家側も売られていた小娘を買ったに過ぎない



両者にとって貴族としての立場に損なことはない



わかりやすく言えば



たて巻きロールを侯爵家に売りたて巻きロールはどうしてもいい、殺しても構わないので伯爵家と仲良くしてくださいってことだ…なんとまあ



そしてこのメイドは伯爵家に帰ることが決まっていたそうだ



侯爵家に無事、たて巻きロールを届けたら解放され、伯爵家に帰る。仕事を達成したことを告げ、大金をもらい引退をする予定だったそうだ



そこに俺たちが横槍を指した感じ



まあ全員の運が悪かったということで



また、貴族ギルドとは貴族しか入ることができないギルドでたて巻きロールは1ヶ月前に入り、まだ1度も仕事を受けていないので仲間もいないそうだ



よかった、よかった



ちなみにこれを知ったミレイさんはわざわざたて巻きロールに教えに行った…性格悪いなミレイさん



そのおかげで大人しくなったから良かったけど



10部屋目との通路は犯罪者共の時にも使った巨大なゴーレムが、通路を塞いでいる。それも5重にだ



逃げる事は不可能なんじゃないかな?通路のゴーレムは保険でもある



それと、インビブル・アイのモニターで犯罪者共のアジトを監視していたところ



3日後にそれらしい2人組がやってきた



その2人は大変驚いていた。受け取りに来たらもぬけの殻だもんな



2人は少し調べた後、諦めた様子で何か魔道具を取り出し倉庫の床を調べ始めた



あの金はこいつらのだったのか



床を開けた途端、煙が吹き出てアジト内を埋め尽くした。2人は全身が焼け爛れたような酷い傷を負い。這々の体で帰っていった



横を見るとミレイさんが嬉しそうにニコニコしている…あれ仕掛けたのミレイさんか



その後、犯罪者共のアジトに来たものはいない



伯爵家にとっては地下に住む犯罪者共が裏切ったに過ぎないし、侯爵家にとっても伯爵家との取り引きをどうすればいいのか考えればいいだけだからな



おかげでこの2週間、のんびり過ごせた



と言ってもただのんびり過ごしてたわけでもない



インビブル・アイのモニターと、ハツカネズミゴーレムは1階層にまで探索を進めている



他にも()()()()()()()()()()()()



至って順調だ



「マスター、発見しました」



ミレイさんがいつのまにかベットを降りて、1つのモニターの前にいる



俺もハンモックを降りて見に行く



モニターには()()()()()()()



久々の太陽だ、なんだか嬉しい



この際だ、太陽の形が瓢箪(ひょうたん)みたいなのは置いておこう、もしかして太陽が2個並んでるのかな?…いや、置いておこう



下水道の出口は町の端のほうの、川が流れる場所だった



この川自体が下水道なのだろう。まっすぐ地下に続いている



下水道の入り口はトンネルのようになっており、そのトンネルを10mほど進むと人が入らないように鉄格子が設けられている



鉄格子の1箇所に扉もあるが鍵がかけられていない、若干空いてる



犯罪者共はここから出入りしていたのだろう



インビブル・アイが下水道を出て辺りを飛び回る



下水道の周りだからか、治安はあまり良さそうでない



古くボロボロになり、崩れている建物はそのまま



薄汚い格好をした人達やゴロツキみたいなのがうろちょろしている



通路の隅で寝転がったまま、ピクリともしない子供や年寄りが何人もいたり、半裸に近い女性がふらふら歩いている



あ、ゴロツキにぶつかった子供がぶっ飛ばされた。まだ小学生くらいなのにゴロツキが馬乗りになって殴る殴る殴る。結局ゴロツキは子供が動かなくなるまで殴るのをやめなかった



なんか…スラム街って感じだ



インビブル・アイが移動を始めると官能的な格好をした女性たちが何人もいる通りに出た



ほほぉ〜あの服、ネグリジェって言うんだっけ?異世界にもあるのか〜スケスケで眼福がん、イタタタタタっ



横を見るとミレイさんがにこやかに笑っている



ミレイさんごめんなさい、謝る、謝るから脇腹つままんといて



ミレイさんはにこやかに笑っている



ほんとごめんなさい、許して



何度も謝り懇願すると何とか離してくれた



すげ〜痛かった



ミレイさんはまだにこやかに笑っている



…インビブル・アイが再び動き出した。裏路地を少しばかり進むと今度は小綺麗ではあるが、着ている服は継ぎ接ぎだらけだの人達がいる通りに出た



八百屋のような店で男が野菜を売っている、軒先に大量の肉がぶら下がっている店もある



同じ鎧を着た2人組の男が並んで歩いて、武器を背負った人が堂々と道を歩いている



他にも籠をぶら下げた女性や、若い男女が並んで歩いていたりと多くの人が居た



中世のヨーロッパ風って感じの町だな、建物は大半が煉瓦造りのようだ



今、写っている通りは可もなく不可もないって感じだ。たぶんだけど、これがこの世界の平均なんじゃないかな?



この通りが一般的な商店街なんだと思う



その通りを少し進むと、大きな噴水のある広場に出た…この世界にも噴水があるんだ



そこにはウクレレみたいな楽器を演奏し、歌を歌っている人…吟遊詩人(ぎんゆうしじん)っていうんだっけ?



玉に乗りながらナイフをお手玉している、俗に言う大道芸をしている人



道で露店を開いている人などで溢れかえっている



なんだか祭りみたいで楽しそうだ




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