14話 豪腕のジョゼ
※今回も少しだけ胸糞展開がありますご注意を
side犯罪者ボス、ジョゼ視点
俺の名前はジョゼ
いかした名前だろ?アランベルト王国っていう国のイーリスって街を裏で仕切ってる
この街は俺の街って言ってもおかしくは無い程だ
今はこんな汚ねえ地下で暮らしているがいつかはこの街を乗っ取って貴族になってやるつもりで居る
「ボ、ボスなに1人でニヤニヤしてるんですか?」
「…あ?うるせぇ!黙ってろ!」
「ガバァッ?!!」
あ、ついムカついて部下を殴っちまった。この間なんか3人も殺しちまったからな、きーつけてたのによ
まーどってことねーけど
「そいつ生きてっか?」
殴り飛ばした奴を起こそうとしてる奴に聞く
「へ、へい生きてやりやす」
「んだよ、生きてんのか」
「へい、えっと…そんでこいつどうしやしょう」
「あ?なにが?」
「なにがって…「奥にある倉庫のポーションを与えてあげてください、1本だけですよ」へ、へい」
そう言って殴り飛ばした奴を抱えて走っていった
んだよ、ムカつくな。せっかく楽しく飲んでたのに酒が不味くなったぜ
「おい!勝手にポーションやってんじゃねーよ!ノイマン!」
「そうは言ってもジョゼ、君がやったことだろ?部下は大事にしなくちゃ」
そう言ってノイマンはカウンターで飲んでる俺の隣に座る
こいつとは5年以上の付き合いだがどうにも好きになれねー。見た目もヒョロヒョロで戦えないくせに頭がいいからって調子に乗りやがって
「てめぇ人間の分際でいい気になってんじゃねーぞ」
そう言ってノイマンの胸ぐら掴む
「人間の分際でって君も人間だろ?…そういえば君はドワーフと魔人のハーフだったね、だから能無しなんだ」
あ?
「てめぇもっぺんいってみろ?殺すぞ」
「誰のおかげでここまでこれたかわかってないようだね、僕を殺せばすぐに君たちも死ぬことになるよ」
「…チッ」
ノイマンの胸ぐらを離し突き飛ばす。ノイマンはやっぱりヒョロヒョロですぐに倒れる
「イテテ、あれ?どこに行くんだい?」
「酒が不味くなった、少しスッキリしてくる」
「いい加減やる度に殺すのはやめてくれよ?補充するのも大変なんだから」
「うるせぇな!死んだらまた新しく捕まえてくりゃいいだろうが!」
わかってねーな、死ぬ瞬間の絶望に染まった女の顔こそ興奮するものはねーんだよ
「はぁ〜まったく、あ、今日は倉庫ではやらないでくれよ?大事なお客さんがいるんだから、言っとくけど彼女になにかあったらいくら代官とつながっていても僕らは簡単に殺されるからね」
「せーな!わかってるよ!」
うるせぇな!!!
「はぁやれやれ…ん?なんか息苦しくないかい?」
「へ?そうですかい?」
「そうだよ、そろそろ空気が濁ってきたかな?空気を綺麗にする魔道具うごかさなきゃ」
なんか後ろでごちゃごちゃ言ってるけど気にしねぇ、しばらくノイマンの声は聞きたくない
女を好き勝手やっていい場所を通って奥の倉庫に向かう、昔はアジトのそこらじゅうで好き勝手やってたけど、これもノイマンが決めたことだ
あいつはいちいちうるせぇんだよ
倉庫に入っていく、倉庫には酒や食いもん、裏取引に使うもの、武器や魔道具、ポーション、そして奴隷商に売る商品がいる
ちなみに本当に売るものはノイマンが先に仕分けているのでそっちには手を出しちゃいけねえ
ますますムカついてきたな…小さな檻に1人1人入っている奴じゃなくて大きな檻に入れられてる奴らを引っ張り出す、んだよ3人しかいねーのか
女たちはくっついて震えている
基本檻に鍵はかかってない、鍵をいちいちかけるのはめんどくせぇからな
檻に入って誰と遊ぶか考える、女は素っ裸にしてるのでどんなことをするか、色々思いつく
こいつは獣人か、殴ったら魔物みたいな声を出すかな?いやほとんどのやつが魔物みたいな声を出すか…こいつは人間、俺の力で殴るとすぐ死ぬからなー人間は…お?エルフか?でも耳が少し短えからハーフか、うん、足が長えーな、指も細くていいな…折ったらどんな声で鳴くかな?よし!エルフにしよう
エルフの髪を掴んで引きずり出す
「いやぁ!!!離して!!!」
いいねいいね、いい声出すじゃねーか
エルフを引きずりながら戻ろうとしたところ戦闘音がしてきた
「あ?」
エルフを離し慌てて戻る、倉庫の扉を開けると
部下と大量のゴーレムが戦っていた
「どういうこった」
今までこんなことなかったぞ、しかも魔物なんて
「ジョゼ!大変だ!突然魔物がグヘェ!」
「ノイマン!」
ノイマンがゴーレムに殴られて吹っ飛ぶ
こいつら普通じゃねえ、両手が武器になってやがる
「ボス!こいつらいったいなんなんですか?!」
「チッ!うろたえるんじゃねぇ!所詮泥人形だ!コアさえ破壊しちまえばどおってこたぁーねー!!!」
そう言いながら近くに落ちてる剣を拾い、ゴーレムに斬りかかる
思っていたよりもゴーレムはもろく一撃で倒すことができた
倒したゴーレムは中から白い煙と水をこぼしてぶっ倒れた、こぼれた水からは白い煙が未だに出てきている
「毒か!」
少し吸っちまった、やべぇ!解毒のポーションを!
慌てて倉庫に戻ろうとしたところ
…お?なんともない?
体はなんともなかった、毒ガスかと思ったんだが
そう思ってると部下たちもゴーレムを倒し始めた、ゴーレムはどれもこれも白い煙と水を出しながら倒れていく
部下を見てもなんともなさそうだ、よくよく見ると空気を綺麗にする魔道具も動いている、もし毒ガスだとしても解毒のポーションもあるしあの魔道具もある
「てめぇら!さっさと残りもぶっ壊すぞ!」
そう部下に声をかけ次々壊していく
全部で50はいたんじゃねーかな?まぁ俺にかかればこんなもんよ
「はあはあ、疲れたな」
「やりましたねボス」
「ああ、お前は倒れてるやつで死んだやつがいないか確認しろ俺は少し休む」
「へい、わかりやした」
息を整えるために椅子に座る
あのゴーレム、一体なんだったんだ?あんなゴーレム普通じゃね、まさか代官のやろう…うら…ぎ…
意識が朦朧としてきた
「はぁ…はぁ…」
どういうこった、魔道具は?
ちらりと魔道具を見るとしっかりと動いている、あれはダンジョン産の特別なもんだこんな部屋すぐに綺麗にできるはずなのに
ポーション!そうだ!ポーション
体を引きずりながら倉庫に向かう、よくよく見ると他の部下も全員膝をついたり、倒れていた
どうなってやがる、あの女を殴るのが好きなやつ、毒耐性のスキルがあるから毒はきかねえ筈だ
毒じゃない?
ノイマン!ノイマンならなにかわかるかもしれない
そう思い、倒れているノイマンの方に向かっていく
「…………クソっ…意識が…」
視界がどんどん暗くなっていく
ーーー
ーー
ー
「なんかびっくりするくらい上手くいった」