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最恐のダンジョンマスター〜殺戮記〜  作者: TATUJI
第1章 アランベルト王国編
10/56

10話 準備期間




30日目



「ミレイさんや〜おーい?」



ミレイさんはここ3日ほど布団にくるまったまま、まったく口を聞いてくれない



「ミレイさ〜ん、頼むから返事してくれよー」



不貞寝しているミレイさんに何度も声をかける



「…」



しかし返事は一切帰ってこない。ただの屍の様だ



「はぁー…どうしよう、明日はダンジョンの開放日なのに」



「…………です」



「え?なに?」



反応してくれた



「それは!こっちのセリフです!!!」



ミレイさんは布団を吹き飛ばし、両手を上げ叫ぶ…その布団高かったんだけど



「ゼェ…ゼェ…」



息切らしてるし。布団の中暑かったのかな?



「まあまあ、落ち着いて」



「落ち着いていられますか!いいですかマスター!この30日間一体なにをしました?!」



「え?ゴーレム作ってました!」



「…………他には?」



「他?…部屋増やした?」



「何部屋ですか?」



「今日10部屋目が完成する予定!」



「部屋の配置は?」



「まっすぐ縦列!」



「も〜〜〜〜〜〜!!!!!」



さっきから叫んだばかりだな



「どしたん、さっきから」



「…はぁ、マスターはどういうつもりなのですか?」



「え?」



どういうつもり?



「マスターはダンジョンマスターです。今までのダンジョンマスターは時間はかかっても迷路状にしたりトラップや強い魔物を使用したり扉や仕切りなどでダンジョンコアに辿り着けない努力をしていました…まあ最後には裏切られましたけど」



「うん」



「…マスターは、このダンジョンはこのままではすぐに奪われてしまいます。そのためにもこの30日間が大事なのです!」



「うん」



「それなのに!マスターは!この30日間!一体なにをしましたか?!」



「いや、だから、ゴーレムを」



「ダンジョンを守るために魔物を作るのは大変いいことです。しかし、来る日も来る日もゴーレムを作る毎日、というかゴーレムしか作ってないじゃないですか!」



「まあそうだけど…そのかわり人形創造者(ゴーレムクリエイター)ってスキルを手に入れたよ?」



「あれだけ作れば当然です!毎日作って今では500体に近いじゃないですか!」



「いや〜人形創造者(ゴーレムクリエイター)はいいね。コアじゃなくてスキル所有者の魔力でゴーレムを生み出せるようになるから、しかも一々人型にしなくてもいいし、土山に手を突っ込んで想像すれば勝手にゴーレムになるから大助かりだよ」



「…………はぁ…もういいです」



ミレイはもう疲れたと言った顔でがっくりしてしまった



「あ、えっと、ほら、ゴーレム以外にも魔物はいるよ?この『トレント』さんが」



この魔物は3日ほど前にDP交換した魔物だ。ちなみに1体300DPでした



ーーーーーーーーーーーーーーーー


トレント



木型の魔物、一見葉の落ちきった木にしか見えないが幹の部分に人間の顔のようなものがある。口のような穴からは不気味な笑い声を出し、人々や他の魔物を枝や蔦を使って襲う。死体を枝の先にぶら下げたり根や蔦で絡めとり養分にするのが目的



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「…………その魔物は布団を私が占領してしまったかわりに交換した魔物でしょ!?」



「1度ハンモックで寝てみたくて」



トレントの枝の先には丈夫な布がハンモックのように結ばれている。今はここで寝ている



「というか、なんで毎日眠るんですか!」



「眠らなくていいってあれ嘘だろ?眠くなるし寝ないと体調悪くなるもん」



眠くても平気って言うからさ試したけど元の世界となにも変わらなかったぞ



「…………それはマスターが異世界の住人であったために魔力に身体が馴染んでないのが原因だと思われます」



「馴染んでないって普通にスキル使えるぞ?」



「はい、ですのでマスターの身体は完全に魔力に馴染んでいます。にもかかわらず毎日眠るじゃないですか」



「だって眠らないといけない気がするし、眠くなるし」



「それは錯覚です。気のせいです。ダンジョンマスターなのですから大丈夫なはずです」



「それでも俺は寝ます」



眠った方がすっきりするもん



「はぁ…………わかりました。そこについてはもう文句は言いません。しかし1つ聞かせてください」



「なに?」



「ダンジョンを広げる為、ゴーレムの身体にする為にダンジョンを掘らせるのはいいのです。しかし何故縦列なのですか?何故扉や仕切りなどを使用しないのですか?」



「…………必要ないから?」



「必要ないって…はぁ…」



「まあまあ、これでもちゃんと考えてるから信用してよ、ね?」



マジでちゃんと考えてるから



「…わかりました。もういいです」



「お?」



「もともと、この世界は作り直す予定でしたからね、もういいです。好きにしてください」



そう言ってミレイは落ちてる布団を拾いまた包まってしまった



「…………ま、いっか」



好きにしていいなら好きにするか、とりあえずメニューを開く。日課のスキル確認だ



ーーーーーーーーーーーーーーーー


ダンジョンマスター



・スキル


翻訳 Lv10


鑑定Lv10


ホムンクスル生成Lv10


魔物支配Lv10


New モニターLv10


New ボックスLv10


New 人形創造者(ゴーレムクリエイター)Lv3



ーーーーーーーーーーーーーーーー



この1ヶ月で3つのスキルが増えた。まあうち2つはある条件をクリアすれば手に入るってプレゼント型だったけど



まず、モニター。このスキルは魔物『インビブル・アイ』と言う魔物を呼び出した時に手に入れた



ーーーーーーーーーーーーーーーー



インビブル・アイ



1㎝ほどの大きさの虫型の魔物。小さな目玉に羽が生えているだけであり透明。飛び回ることしかできない



ーーーーーーーーーーーーーーーー


と言う魔物だ。まあ簡単な話、蠅と一緒だ。しかし、この魔物は1匹10DPにもかかわらず素晴らしい能力を持っている



なんと監視カメラになるのだ



1匹につき1つモニター画面が表示され、Lv10だから画質も良好。音声も拾える優れもの。最高だね!近くにいると羽音がするのが欠点



2つ目はボックス、このスキルも本当に凄かった



このスキルは中に邪魔な物を仕舞う事が出来るスキル。しかも魔物でも物でもOKと素晴らしい。このスキルはダンジョン内の魔物を10匹以上にすることが条件だった



このスキルがなかったらダンジョン内はゴーレムで溢れかえっていただろう。Lv10だから無限に近く入れることができるそうだ。メニュー画面でなにが入っているかも確認できるし最高



そして、最後に人形創造者(ゴーレムクリエイター)これはこの世界に昔からあるスキルだそうだ



取得には可動するゴーレムを100体作る必要がある。ゴーレムって作れるのか?と思ったけどゴーレムのコアさえあれば勝手にゴーレムになるので結構メジャーなスキルらしい



その分、作りすぎたゴーレムに殺されることも多いので戦争が多かった昔ならともかく今は持ってる人は少ないそうだ



人形創造者(ゴーレムクリエイター)のお陰でゴーレムを作るのも簡単になった



1部屋から大体50体分の土が手に入るため今では500体近くのゴーレムがいる。こんだけ作ればスキルLvも上がるってもんだ



まあこんなところだな、他のスキルに変化はなし…



ちらっとミレイを見る、ミレイは相変わらず布団に潜ったままだ



「…………まあゴーレム作りますか」



そう言って、ゴーレム達が絶賛掘り進めている部屋に向かっていく



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