1話 全ての始まり
初投稿です。よろしくお願いします
全体的に編集しました
「…………起きなきゃ」
いつものように目がさめる。体に染み付いた起きる時間
行きたくないと体が駄々をこねる。しかし仕事に行かなければならない
体を嫌々動かしスマホを探す
「…………?」
いつもの定位置にスマホがない、玄関かトイレにでも忘れたかな?
そう思い体を起こして周りを見渡す
スマホを探すためであったが、部屋を見渡すことでスマホの事は記憶の彼方に追いやられた
「…は?」
何度も何度も部屋を見渡す
視界に映るのは見慣れた自分の部屋ではなく身に覚えのない場所
1LDK程の広さで、窓や入り口はなく壁や床は真っ白なコンクリートのようなもので出来ている部屋だった
「…ん?」
俺は混乱したままベットを降りようとして、妙にベットが硬いことに気が付く
違和感を感じながらベットを降りると、床は酷く冷たく体の体温を全て奪われるようであった
「…何だこれ?」
自分が寝ていたのは、まごうことなき自分の布団だ
しかし、その下はスプリングの入ったマットレスではなく白い壁から突き出した長方形の白い塊
「?」
無言のまま何度も部屋を見渡す
しかし、なにも分からない
「…」
俺は考えるのをやめ、さっきまで寝ていた布団に潜り込んだ
ーーー
…あれから数時間が経った
俺は再び目を覚ました後、自分の置かれた状況を確認している
俺に一体何があった?
俺は昨日何をした?
今の状況を説明すべく昨日の事を思い出す
しかし、昨日あった事におかしな点は無い
いつもと同じ日常
朝起きて仕事に行って、夜遅くに帰ってきて寝た
それだけだ
しかし、その事実が酷く恐ろしくなる
「???」
おかしな点は無い、ならこの状況は一体何なのか
「…」
布団に座り込んで呆然としながら部屋を眺める
…眺めているだけじゃ何も変わらないか
せめて分かる事だけでもと立ち上がり、部屋の中をくまなく調べ始める
時に壁を押し、床に張り付き、石のベットを動かそうとする
開く場所無いか、隙間ようなものは無いかを調べる。しかし何一つ見つけることは…
「…いや…あれだろうな…」
そう呟きながら部屋の中央を見つめる
部屋の中央には巨大な結晶が浮いていた
「…………やっぱり現実だよな…あれ…」
最初に目覚めた時から巨大なクリスタルの様な結晶は部屋の中央に浮いていた
しかし、その事実を現実だと認めることが出来なかった
幻覚か夢だとばっかり
だって浮いてるんだよ?でっかい結晶が!意味がわからない!しかもなんか光っているし!
巨大な結晶は部屋の中央で10cmほど浮きながら、強い光を放っている
LEDライト並でとても明るく、その光が部屋全体を照らしている
しかし、強い光にもかかわらず全く眩しくない
それどころか心地よいくらいだ
「…」
俺は無言のままクリスタルに近づき、恐る恐る触れてみる
「………?」
しかし、何も起こらなかった
「ん?」
今度はクリスタルを掴んでみたり揺すってみたり、押してみたりと色々と試してみた
しかし、何も起こらない
「えーマジか…これじゃ無いのか?」
予想とは違い何も起こらないので、これからどうしたらいいのかを考え始めた所
『リンクを確認しました。ダンジョンマスター化を開始します』
何処からとも無く声が聞こえる
「…は?リンク?」
すると
ズキンッ!!!!!
つよい衝撃を頭に受けたと思った途端に、身体が燃えるように熱くなる
「…………がっ?!?」
全身の骨が軋むような感覚を感じ、内臓は暴れ血管は蠢き、神経は暴走する
このまま死んでしまうのではないかと思う程、強烈な痛みが全身を走り抜けた
俺はうずくまりのたうちまわる、あまりの痛みで思考がまったく追いつかない
痛い痛い痛い!!!
しばらくして
『ダンジョンマスター化を完了しました』
また何処からか声がする
果たしてどれほどのたうちまわってたのか分からない
痛みがゆっくりと引いていった
「…はぁ…はぁ」
なんだったんだ今のは
しかしなぜ自分がここにいるのかは分かった
「…………ふざけんなよ、くそ女神…説明ぐらいしろや…」
そう言いながら深い眠りについた
…気絶したともいう
ーーー
「…………てください、起きてください」
心地よい声がする、優しく安心する声だ。かなり眠った気がするがまだまだ眠れそう
「起きてください!!!」
すると大声とともに体に強い衝撃を受け、吹っ飛ばされる
「ぐへぇ?!」
床に叩きつけられ、ヤム◯ャ状態になる
「やっと起きましたか」
痛む身体をさすりながら声のした方向に顔を向けると、呆れ顔のメイドがいた
メイドといっても、萌え萌えキュンの方ではない。これって死語かな?
歴史の教科書に載っいるようなちゃんとしたやつだ。ロングスカートのやつって言えばわかるかな?
「…は?」
「おはようございます、今日からよろしくお願いします」
誰?というかどうやって入った?
「?」
呆然としたままメイドさんを見つめる
少しつり上がったぱっちり目のメイドさんと視線と重なる
「…あのー?」
メイドさんが呆れた顔から困り顔になりコテンっと首を傾げる…可愛い!
ともかくすっげぇ美人だ!
「え?ああ…えっと、はい」
パニックッて慌てて返事をしてしまう
メイドさんはにっこり笑って嬉しそうに頷く。ポニーテイルに結ばれた赤みがかかった銀髪が視線を奪う
「はい、よろしくお願いします」
そう言って俺にお辞儀をする、顔は相変わらずニコニコしたままだ
「……えっと?どちら様?」
素直に疑問をぶつけることにした
ニコニコしてるから大丈夫なはずだ!たぶん
「紹介が遅れました。ダンジョンマスターのサポートを務めさせていただきます、試作機000にございます。改めましてよろしくお願いします」
そう言ってメイドさんは頭を下げる
なるほど、女神の関係者か
「…………あーはいはい、よろしくお願いします?」
「はい、よろしくお願いします」
そう言って見つめ合う
「えっと…色々質問していい?」
「はい!わたくし、試作機000はサポートが仕事なので何なりと!」
美人なメイドは張り切って答えてくれた
「俺は一体ここでなにをすればいいの?」
1番の疑問を聞いてみる
サポートならしっかり答えてくれることを願って
「…………え?」