表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄の旅路  作者: トンヌラ
9/30

拉致

人間は恐ろしい生き物だ。

勝つためには手段を択ばない。

時には様々な動物より残虐な一面を見せる。

そして・・・戦争という大量の命がかかっている時こそ

きっとその残虐性は顕著に表れるのだろう。

―――――――――――アールバシオン共和国/大使館



「ラーズグリーズ。貴公との条約の締結に我が国の意見としては大いに賛成だ。後は貴公の返事だけだ。」


貴族院の議員の一人が話しかけてくる。横にはアイザックも立っている。


「・・・・我も貴国との条約の締結に異存はない。我は良いのならここに条約の締結を宣言したい。」

「ラーズグリーズ。良き隣人として貴公を迎え入れよう。」


アイザックと我は公の場で握手を交わす。

そして書類に手際よくサインをしていく。


「・・・これでいいか。アイザックよ」

「あぁ。・・・君は本当に自由な鳥だね。魔王ともこんな感じで交渉していたんだろう?」

「うむ。まぁ、そういうことは戦後にな。」



そう言いながらアイザックと話していたら技術院の議員たちが部屋に突っ込んできた。

そして我を縄で捕獲すればそのまま技術省の研究施設に連れて行かれた。




――――――――アールバシオン共和国/技術省/最新極秘研究所


「やあやあラーズグリーズよ!よーーーっくぞ我が研究施設に拉致監禁の許可を与えてくれた!」

「・・・・・我はそのような許可は出しておらぬぞ。さっさとこの縄をほどけ。」

「またまたぁ。この紙よーっく見てごらんなさい。ほれ。」


そう言いながら条文の紙の複写を見せてもらう。

そこにはこう書かれている。


・技術省への全面的協力。期限は無期限。しかし個人の時間を尊重すること。



「ね?」


にこにこと笑いながら我のお腹を撫でてくる小娘。



「・・・・・アイザック・・・あやつ我が気が付かぬ間に勝手に条文を追加したなっ!!」

「私はそんなこと知りませーん。文句は私じゃなくて首相に言ってよ。」



若干苛立ちながら小娘を軽く蹴る。

そして軽く羽ばたきながら腕を動かせば簡単に縄が引き千切れる。

そんな茶番をしながら小娘を睨む。


「ラーズグリーズって長いよね。だから私あなたのことラー君って呼ぶからね。よろぴく。」

「勝手に愛称を決めるでない。そんなことより貴様!名前を名乗れっ。」


小娘の頭をぐりぐりと押し潰すかのように圧力をかける。

はっきり言ってこういう人間は苦手だ。自分のペースに引きずり込もうとするからな。


「いだだだだっ!!わかったわかった!わぁたしの名前はリーフ・シャルロッテっててて!!」

「よろしい。ではシャルロッテよ。我の言葉を3回繰り返せ。よいか?」

「なんでなんだよぅ。ぷじゃけるなよぅ。」


口をとがらせてぶーぶー文句を言うシャルロッテに対してまた握り拳を上げて構えれば「ひえーー」と半笑いのまま頭をかばう振りをするシャルロッテ。


「ラーズグリーズは人間ではなく魔物。さぁ3回言ってみろ小娘。言わなければ身体が潰れると思え」

「ぎゃぁっ!それだけは堪忍してぇー。」


そういいながら慌てて3回我が言ったことを言うシャルロッテ。

そしてダメ押しに軽く拳をブンブン振っておく。


「ね、怒ってる?」

「いきなり拉致監禁された挙句勝手に名前を決められ更に生意気な小娘の相手をさせられるんだから怒るぞ。だいたい我は貴様などに・・・いや。約束は果たそう。だが対価がないだろう。」

「対価ならここにいるじゃん。」


そう言いながら自分の身体をぽんぽんと叩きえっへんと胸を張るシャルロッテ。

なるほど。そう来たか。世界広しと言えどもこんな交渉する阿呆は少ないだろうな。


「我に体を売ると。」

「そ。魔族なんだから人間の血とかがいいでしょー。」

「・・・・・はぁ。しょうがない。それが対価だな。いいだろう。我は先払いが基本だ。さて、どこか防音を施されている部屋に行こうか。」

「え。えっ!本気にしたのっ!?待って!降ろしてぇっ!」


シャルロッテを脇に抱えてのっしのっしと小さな個室に移動する。

勿論邪魔になる物をちゃんと剥ぎ取って。





―――――――――数時間後




「さ・・・・さいっていぃ・・・」

「ふん。我の身体を好き勝手にした挙句知恵を奪おうというのに文句を言うか。ならもっと貪り尽くしても良いのだぞ。」


部屋は熱気にあふれ我はシャルロッテを睨む。

存分に暴れさせてもらったのだ。後はこの小娘が立ち直るのを待っておこう。


「ひっ・・・ぅ・・」

「寝る。落ち着いたら起こせ」

「けだものぅっ・・・ずるいぞぅ・・!」

「なんとでも言え。それでは」


軽く体重を壁に預け腕を組み寝始める。

明日は何をしようか。そう思い寝始めた。



――――――――――――夢の中



夢の中は不思議だった。

周りは巨大な森林に包まれていた。

そして無数の凹凸がある粘土質の灰色の大地。

天に聳えたつ土地。その上には人が暮らしている。

4つの集落。武器屋も宿屋もない。教会も。


本当に不思議だった。急斜面の村へ入る道。大地には群がる魔物。赤いの青いの。

溜まっている水は波打たず物静かに留まっている。



ふと周りを見る。大森林の向こう側。巨大な氷河が形成されている。

ぽつんと設置されている子供用の小さな滑り台。

冷たく涼しい風。


夢だと起きたらわかるだろう。きっと。

今はこの光景をしっかり焼き付けておこう。

いつか思い出すために。




――――――――――――――アールバシオン共和国/技術省/最新極秘研究所


「・・・ん・・」

「目ぇ覚めた?」

「何故我はこんな堅牢な拘束をされているのだ。」



寝起きのためあまり深くは考えられないこの状況。

ぼーっとしては軽くうつらうつら首が揺れて瞼が重くなる。


「ちょっとチクッとするよー。私を破瓜させた魔物のラー君ならよっゆーーーで大丈夫だよねぇ?」

「なんだ。恨んでいたのか。体を差し出したのは小娘の方だというのに。」


そう文句を言った瞬間体に何か刺さった。

別に痛くもないし気にしなくてもいいだろう。



「・・・・うわっ。なにこの魔力量。気持ち悪っ。」

「魔力量?そんなもの測ってどうするんだ。」

「ラー君には関係ないでしょ。」

「手伝っている以上知らせろ。それに応じて次の手を考える。」



そう言いながら魔力量を測られたり体の構造を魔法でチェックされたりした。

勿論執拗に下半身を弄ばれたのは言うまでもない。

全く。まぁ、そのうち終わるだろう。




――――――――――――2日後


「ふぅ・・・」

「もう飽きたか。それとも新しい何かを得たか?」


我の身体を調べ尽くしたのか拘束を解き満足げにしているシャルロッテ。

少し首を傾げていると満足した顔を浮かべながら腹をペシペシと叩いてくる。


「ラー君。人間にぴったりの兵器。知ってる?」

「・・・?知らん。」

「超遠距離からの1撃。これに限るねー。やっぱり。だからラー君の知識を借りたい。ラー君の世界ではそんな風な武器あった?」



超遠距離から。スナイパーライフルだろう。

しかしロケットランチャーにミサイルもある。

この世界では再現出来なさそうだが。


そうなってくるとやはり大砲か。


「ラー君なんかなーい?」

「ふむ・・・・まぁ、思いついたのを言っていくとしよう。」


思いついたのを言っていく。それをメモするシャルロッテ。

一通り記憶の端からゆっくりとそしてなるべく確実に伝えていく。



「ねぇ・・・もっとほかに豪快なのないのー?」

「・・・・一つだけある。」


我は少し苦虫を噛み潰したような顔をする。しかしシャルロッテは目を輝かせながら聞いてくる。


「・・・・・電磁誘導砲だ」

リーフ・シャルロッテ


種族:人間+ドワーフ

性別:♀

所属:アールバシオン共和国


年齢13歳の幼き天才。貧乳。

子供のころから鉱石や大規模な魔法に触れてきた生活をしてきたためそれに感化されついに魔法の道を極める気満々でアールバシオン共和国の軍人に志願した。

正直13歳ということもあり軍部は書類選考で落としたが激昂したシャルロッテはアイザック首相の元へ突撃。挙句の果てに妄想に過ぎない魔法の数々を妄想じゃないと証明するためにどうしても軍人にならなければいけないと熱弁。

しかし首相から提案されたのは新しく作る省庁の1つである技術省の特別特級官僚の席であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ