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英雄の旅路  作者: トンヌラ
28/30

海戦

――――――――――――――海


ラーズグリーズ「あれが対艦部隊か。随分と豪勢に揃えたものだ。」

ケストレル「私達でも掃討出来るくらいしか揃えてないんですが射程圏内に入れるために動くと海中から串刺しか粉砕されるんです。いくら私達の装甲が他の種族に比べて頑丈で堅牢だとしても至近距離での爆発は貫通しますから……よろしくお願いします。」


 海には戦艦や空母といった巨大な人魚から駆逐艦や偵察艇といった小型の人魚といった様々な耐久力が並んでいる。そのためそれらを一撃で沈めるかもしれない可能性がある攻撃を除去できていないと進軍できないのだろう。


ブルーエンジェルス1「ラーズグリーズ。私達はあくまで【展示飛行のための隊】であることを忘れないでね。多分そこら辺のハーピーより武装していないから。」

ブルーインパルス3「他のハーピーはケストレルの医務室に居るよ。あいつら魔法反射の結界使ってきてるんだ。それのせいで殆どがフレンドリーファイアだよ。酷い話だね!」


 魔法反射。一部の魔族では普通に使っていると聞いたがハーピーで使える人物がいるのは効いたことがない。ソルですら使えないと笑って言ってたのを覚えている。

 しかしあそこまで魔法を使える人間が集まれば不可能ではないだろう。そして魔法反射は魔法を反射するのであって物体は反射しない。つまり接近してしまえばこちらの勝利ということだ。


ラーズグリーズ「敵陣地を掃除する。ついてこい。」


 そう言い高度を下げる。高度を下げれば軸も形も乱れずにしっかりとついてくる2部隊。接近すれば確かに壁のような結界が張ってある。試しに数発魔法弾を発射すれば確かにあらぬ方向に弾かれる。


ケストレル「ラーズグリーズ。その結界に魔法は効かない。中に侵入して原因を倒してちょうだい。」

ソル「よし。私達は私達の仕事をする。前方の敵艦隊を攪乱するわよ。敵艦船の撃沈は人魚に任せるわ。」

スノウ「大まかに位置を見てきた。私は休憩すんぞ。どうやらあの結界は人間の魔法ならすり抜けるようだねぇ。人魚の魔法は人間とは違うからなぁ。」


 スノウがソルの元へ戻ってくると同時に轟音と共に勢いよく水柱が発生する。海中に仕掛けられていた魔法陣が発動したのが良くわかる。


ラーズグリーズ「海上で戦闘が発生したな。我等も早く使命を果たすぞ。」

ブルーエンジェルス2「了解。結界までの距離残り僅か!突っ込むぞー!」


 ラーズグリーズを先頭にブルーエンジェルスとブルーインパルスが突入する。それと同時に人間の防御陣地から絶え間なく対空魔法が発射される。


サンディエゴ「敵艦発見!交戦距離にはまだ遠いかな?」

U.S.S.R「艦砲射撃開始!同志達よ!KVカーヴェーシリーズの力を見せてやれ!」

スターリングラード「新兵器の試し撃ちだ!860mm4連装砲砲用意!!」


 魔法で行われる通信がどの隊が言ったのかごちゃ混ぜになってしまっている。キティートが居ないとこんなにも酷いことになるのか。と対空砲撃の雨を掻い潜りながら


ブルーインパルス1「桜吹雪展開!」

ブルーエンジェルス1「スモッグ展開!」


 ブルーインパルスとブルーエンジェルスの1番機が号令をかければラーズグリーズよりも先に飛び自由気ままに飛んでいるように見せかけてる飛行を展開する。空中に煙が散布されれば多少なり対空砲火は収まる。


ブルーエンジェルス4「ラーズグリーズ!早く攻撃して!味方艦隊が楽になるんだから!」

ブルーインパルス1「私達が攻撃を引き付ける!落とされるんじゃないぞ!」

ラーズグリーズ「問題なしだ。固まり過ぎている陣形など空から見れば格好の餌にすぎぬ」


 煙に紛れながら地上勢力を狩っていく。狩れば狩るほど人魚が進軍していく通信が混入してくる。たまにソル達の通信も入るが気にしないことにしている。

 海上では既に敵艦を次々と撃破していく様子が遠目からでもわかる。射程の違いがこのようにはっきりと勝敗を決める要因になるため、超遠距離攻撃が出来る人魚が圧倒的なのであろう。


ケストレル「いいわね。地対艦攻撃が止んでるからどんどん進軍できているわ。流石ね。」

ソル「ラーズグリーズを褒めるのもいいけどさ。私達も頑張っているんだから誉めてよね。」

ケストレル「いいじゃないのいいじゃないの。今回の世界は終わりまでいけそうね。今回のループでやっと最後のページがめくれるのかしら。」

スノウ「二人はなんのことを言ってるんだ?ソル。ケストレルは何を言ってるんだ。まぁいいか。偵察行ってくる。」


 スノウは不思議そうな顔をしつつもまた敵艦船が構築しているであろう防衛線を突破するために加速を開始する。同時期にU.S.Aが率いる艦隊が防衛線を突破したとの通信が入った。


ブルーエンジェルス2「やっぱりU.S.Aは強いねぇ。流石WW級要塞戦艦は伊達じゃない!」

ブルーインパクト4「U.S.S.Rも負けてないよー!赤軍強いよ!」

ラーズグリーズ「喋るのもいいが死ぬなよ。煙を巻き続けるのにも限界があるだろう。」


 繰り返し地上を掃除していればいつの間にか魔法反射の結界が無くなっていた。海上の攻撃が苛烈になっていく。ここまで激しいと確かに味方に誤射が発生しやすいだろう。そもそもレーザーを撃つ人魚と巨大な魔法弾を連続して発射する人魚が混成している。そのため対策を立てることが難しい。装甲自体も様々な研究が進んでいるため大砲が効かなかったり魔法が効かなかったりと滅茶苦茶なことになっている。


ケストレル「海上制圧!みんな。お疲れ様。このまま北上してフィヴァルの沖合を占領する。制海権を取るのよ!」

ソル「地上の掃除がまだ終わってない!後方の補給路までしっかり叩くのよ!」

ラーズグリーズ「補給線など伸び切っているだろう。それをまとめて撤退するのは時間を要する。それに補給部隊にも護衛は居るだろう。」

ソル「ここで叩いておくの。ケストレルが指揮権握ってるからこれ以上は言えないけどさ。」


 役割が終わればさっさとケストレルへ着艦してしまうブルーインパルスとブルーエンジェルス。目立った攻撃は一切していない以上武装は本当に【スモーク】を基準とした展示飛行向けの武装になっているのだろう。

 一通り掃討してからケストレルに着艦する。大型であるソルも楽々と着艦出来る以上ハーピーとは綿密な計算や協議がなされているのだろう。


 数日はケストレルに搭乗して少々北上してから要塞に戻るという。その間に人間の陣地が見えたら適当に攻撃してそのまますり抜けるという通り魔じみたことをやるがソル曰く「これをやらないと要塞に十数万の人間の兵士が雪崩れ込んで泥沼になったパターンがある」と言っていた。やはりこの世界のループは存在しているのだろうか。存在しているならなぜこのようにはっきりと記憶を持っている物と居ない者がいるのだろう。

 様々な不思議と疑問が残りつつもケストレルで補給を開始する。



――――――――――――――海


ケストレル「では皆さんカタパルトの場所に立って飛ぶ準備をしてくださいね。」

スノウ「カタパルト……初めてなんだけど大丈夫か……?」

ソル「ソル発進!」


 真っ先にソルがカタパルトで射出されればそのままググーッと勢いよく上空に上がっていく。我もそれに続いで構えてから射出されればそのまま高度を上げていく。他のハーピーも次々にちゃんと事故を起こすことなく空へ上がってくる。


スノウ「いや。これはキツいぞ。凄いGが来るな。」

アヴァロン「カタパルト久し振りに使ったけど慣れないねぇ。」

ソル「みんな無事ね。さーて帰りましょう。そしてケンタウロスの方が押されてたらそのまま東に飛んで援護しに行くわよ。……まぁ向こうはサンセットとキティートが行っているから多分大丈夫だと思うんだけどさ。」


 雑談しつつケストレルに手を振ればケストレルも微笑みながら手を振り返してくれる。人魚の軍艦とはこれでまたしばらくはお別れなのだろう。次に会うときはまた人魚が可笑しな状況に陥った時か敵国首都の沖合だろう。


ソル「ラーズグリーズ。マーメイド艦隊はどうだった?全滅できそう?」

ラーズグリーズ「全滅は余裕で出来る。それよりもマーメイド艦隊の対空能力は異常だ。航空戦力が乏しい対人間に効果が薄いと思うが」

スノウ「たまに召喚された召喚獣が空に留まるケースを想定してあんな武装になっているんだと。その召喚獣役はソルだったんだけどな。」


 なるほど。エースパイロットがデータを提供しているのか。それは確かに練度も高いし能力も段違いだろう。そう思いながらソルを先頭に我等は東へ向かって飛んで行く。 

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