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英雄の旅路  作者: トンヌラ
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狂馬

強者こそ正義。

まさに混沌の象徴とも言えるこの言葉。

しかし弱者が強者を制御出来るのか。そう思ってしまう。

ある意味弱者でも強者に勝るものがある。そんなことがあるから正義と悪が曖昧なのだ。

しかしもし全てが天性の強者以上の能力を持つ人物がこの世に存在したら。

いったいどうなってしまうのだろうか

――――――――――王都フィヴァル



「殺された勇者の分は補充出来ているのだろうな。」


玉座に座る王様が魔術師などに聞く。

魔術師は黙ってうなずく。



「よい。では招来の儀を開始しろ!」



王様の声が響けば魔方陣が魔力に反応して光り始める。

姫も王妃もあの忌々しい化け物の子を腹に宿しているためこんな重要なところに呼ぶわけにもいかない。

今勇者に助けを求める演技をする役は一番美しいメイドが担当している。



「き、来ます!」


魔術師が叫び魔方陣が少し眩しく輝き煙が部屋を蔽う。

勇者の姿を確認すればメイドがいつもの言葉を言う。



「あぁ!勇者様!我が世界をお救いくださいっ!」

「・・・・・・・・・」


勇者は黙っている。

王様は別に驚きもしなかった。異世界から召喚された人間は大抵驚いて黙っていると知っているからだ。



「あんたが王様か。」


ゆっくりと顔を上げ勇者が王様に言う。

ちょっと無礼な言葉だったためか少し体を震わせる王様。

だがここで堪えればまた強力な兵器である勇者を獲得できるのだ。


「う、うむ。・・・勇者よ。我が世界は魔族に侵攻されており民草が次々になぎ倒されておる。勇者よ。そなたの力でこの世界を救ってはくれないだろうか。」

「・・・・・・・いくら出す。そんな願い。生半可な報酬じゃ俺は動かないぞ。」


王様は流石にこの反応は予想はしてなかった。

困惑して流れのまま勇者として我が国に従うか煽てられていい気になって従うかの2種類だった。

だがまぁ、金品を要求してくるならそれでもいい。


「ふむ。それならば宝物庫にある宝を分け与えよう。」

「・・・・・いいだろう。しかし一つ言いたい。」

「なんだろうか?」

「俺は勇者じゃない。傭兵だ。・・・・この牙で自分の首を引裂れないようにしっかり手綱を握っておくんだな。」


新たに異世界から来た人間はあくまでも我が国の兵士となるがその気になればいつでも裏切るということを仄めかしていた。


「・・・し、して傭兵様。お名前は・・・」

「・・・名前などない。とうの昔に捨てた。」


そう言いながら玉座の間から立ち去ろうとする傭兵。

少し慌て始める宰相。困惑して固まるメイド。


「おっほん。待たれよ。傭兵殿。」

「・・・・他に何か。手短にしてくれ。俺はながったるいのは嫌いだからな。」

「宰相。彼に武具一式と地図を与えよ。」



この人間は重厚な鎧も強大な剣も持っていなかった。

このままではあの化け物に一方的に殺されてしまう。

そう思い武具を与えるように指示をしたが。



「武具はいらない。地図だけくれ。」

「・・・・は、はぁ・・・」



地図だけを要求する傭兵。不可解極まりない行動だしよくわからない。

玉座の間にいる人間が困惑して固まる中その傭兵は地図を持ち退室した。

支度金すら要求しないその姿は謎を呼ぶばかりだった。




――――――――――――――エリアアルカディア/国境付近



「はぁ・・・・何度来てもここの雰囲気は慣れないな・・・」


目の前に巨大な関所。そして魔王を案内すべく参上したケンタウロスの男性2人。

ケンタウロスは巨大で龍にも体躯で勝るものがいると聞いたことがあるがまさかここまで差があるとは思わなかった。

いや、参上したケンタウロスが巨大なのはわかる。それでも市民として暮らしているケンタウロスは4m前後は身長がある。確かにこれならば戦闘をしても連戦連勝であろう。



「魔王殿。そういや長が変わったこと知らなかったよなー。」

「そそ。変わったんですよー。」


ケンタウロスの長が変わった?そんなこと知らされてない。

やはりこの国の入国し難さも相まって情報が中々出てこない。

しかし長が変わったのが吉と出るか凶と出るかわからないのが恐ろしい。

だがここまで来たのだからしっかり面会はしておきたい。




―――――――――――――エリアアルカディア/ケイローン城/天守閣



「姫様。魔王様をお連れしました。」


一際巨大な城の更に巨大な天守閣に連れてこられた。

そして私は案内のケンタウロスから降りて前に歩き出す。

・・・が、反応がない。


「あれ?いるはずだよな。」

「あぁ。・・・・・・あ、ちょい見てくるわ。もしかしたら肉便器種付けしてるかもしれねぇ。魔王様。ちょっと苗床部屋見に行くから待っててな。あ、お前も来る?城内の雌喰いながら行こうぜ。」

「魔王様が来てるんだぞ。少しは我慢しなさい。・・・・俺・・いや。私も行きたいですけど。」


真面目に振る舞っているケンタウロスの男性が軽く首を横に振るが軽く息が荒くなる。

それを見て粗暴な方のケンタウロスの男性は苦笑してから全裸になりそのまま天守閣から出て行った。


ケンタウロスは言葉も性格も粗暴だがそれ故に上下関係がはっきりしている。

というかはっきりしすぎている。この国では力なきものはゴミ同然の扱いを受ける。

そしてこの国はなんと貨幣経済ではない・・・というか未だに物々交換が主流の国だ。

それ故に酒場なんてものは無く酒屋から直接酒を交換してくるのだ。



――――――――――――エリアアルカディア/ケイローン城/苗床部屋



「姫様ー。魔王来たぞー。」

「はぁ・・・はぁっ。あ、マジ?やべーやべー。暇だったからそこら辺の雌レイプしてたわ。」



粗暴な男性よりも大きいケンタウロスの女性がドスン・・ドスン・・・と腹に響くような足音を響かせながら暗闇からヌゥ・・と出てくる。


「あとさ。てめぇ何度も言ってるが俺のこと”姫様”って呼ぶんじゃねぇ。殺すぞ。」

「へーへー。てかそもそも雌のお前が何でケンタウロスの長になってんのか俺達も知りてぇよ。」

「は?あのな。先代の長を俺がブッ飛ばした。けちょんけちょんにな。そんなこともわけらねーのか?お前脳みそあんのか?」


そう言いながらその女性は男性のケンタウロスを睨みつけてから「どけ。」と言い男性をどかす。


「あ。俺のこと嫌いならいつでもかかってこいや。骨の一本一本丁寧に折ってやるよ。」

「・・・・・・・・・・」


女性はどうやら嫌われているらしいが長ということはそれだけ実力があるということ。

それにこの男性に限らずアルカディア内ではこの女性のことを長と認めないケンタウロスは少なからずいるようだ。



―――――――――――――エリアアルカディア/ケイローン城/天守閣


「・・・あ、来た・・・来ましたね。」


廊下から足音が聞こえてくれば天守閣の襖が壊される。


「あのなぁーーー!襖いらねぇって言ったよな!」

「・・・・・す。すみませんっ!」

「お前は衛兵だから謝るんじゃねぇよ!!ここ担当じゃねぇだろカス!」


かなり理不尽な態度を取るケンタウロスの女性。

二人の男性の会話から予想していたが案の定全裸だった。



「あーー・・・まずはお前が来たことを忘れて種付けしに行ってたのは謝罪しよう。」

「うむ。私は魔王だぞ。それになんだその姿は。人に会う態度とは思えんな。」

「・・・・おい。いつまでそこでぼさっとしてるんだボンクラ。とっとと出てけってんだよ!」



男性に殴りかかり天守閣から追い出す女性。

そもそも先代の長の名前すらわからない以上今までの中で一番難航を極める交渉になるだろう。



「・・・・はぁ。魔王ラインハルト。よく俺の国に入国できた。そこは誉めてやろう。・・・俺の名前は玄馬 風月だ。」

「風月か。覚えておこう。」

「は?覚えておこうじゃなくて覚えますだろうが。だいたいな。なんだってこんな時期に俺の国に来たんだよ。とっとと人間皆殺ししろって。遅すぎるぞ。」



開幕から手厳しく辛辣な言葉の数々を言いながら私の前に仁王立ちする風月。名前がわかれば多少なりはわかる。

玄馬家の長女でありアルカディア最狂最悪の雌と聞いている。

内乱時に諸国を平らげた元凶ともいえる人物だ。

そもそも玄馬家自体がケンタウロス族の中でも段違いに戦闘特化の家系のため内政になんて向いていないはずなのだが”強さこそ正義”のこの国では一番長になる可能性があるということである。



そんな人物と私は今この場で話し合わなければならない。

冷や汗が垂れ息が詰まるような空気の中私は話を切り出した。



「・・・・風月。人間世界に電撃戦を仕掛けてほしい。」



その言葉を言った瞬間部屋の空気が止まり凍った。

玄馬 風月


所属:エリアアルカディア

性別:ふたなり

種族:ケンタウロス


身長29m(馬部分含む)のふたなりのケンタウロス。彼女が戦場に立つだけで勝敗が決するくらいの軍神であり武器が必要ないくらい素手の力も強いのに両手で大剣を操っている。


玄馬家の現家長。

エリアアルカディアの先代の長を絶命させるまで戦いをやめず長になった。

その暴力性と実力は国内でも意見が割れている。

しかし彼女のおかげで次々に大鉱脈が見つかったり様々な作物の生産量が跳ねあがったりしている。

この国に貨幣経済を取り入れようとしているのもありかなりストレスがたまっている模様。


この国一番の巨体。それに性欲も飛びぬけて一番ある。

かつて周辺国を襲った際女子供をこれでもかというくらい強姦した挙句男は皆殺しという典型的な大悪党っぷりを発揮した。


体つきはまさにラーズグリーズに似ている。

重量感のある筋肉に分厚い腹筋。そして臍が見えないほど巨大な乳。

馬の部分も人間の部分に劣らないほど筋肉がある。


ラーズグリーズについては「青二才」と言っていることから自分に敵う相手ではないとおもっている。

何故戦闘狂なのに人間世界に侵攻しないのかというと”人間世界に行くのがめんどくさい”のと”新兵の訓練が終ってない”からである。



実はラミア族の族長と結婚している。



スキル:【超人の指揮】→自分が指揮する部隊のステータスが120%上昇する。

    【超威圧感】→敵対する部隊全てに【残り兵力半分未満になったら逃亡】と【士気が120以下になったら必ず逃亡】を付与し味方部隊の逃亡を無効にする

    【大型種】→ダメージをカットする代わりに全ての攻撃に対する回避率が-65%

    【戦闘狂】→降伏している敵含め全ての敵を倒すまで戦闘を継続する。攻撃力に+12000% ケンタウロス族限定

    【軍神】→士気が下がらない。戦場にいる味方全てのステータスが199%上昇する

    【皆殺し】→自分以外の全ての生物へ与えるダメージがとても増える。

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