どうなっても戦争
おっさん
〝共通点は…まあわからん″
ドラキー
〝ううん″
おっさん
〝一通り子供達の事は把握したが別に優秀って訳でも無く。
俺が来たことによってショタコン説は無くなった訳だし、一年ここにいるが姫様の判断基準は全くわからん
だが恐らく″
おっさんは恐らくを力強く言った。
おっさん
〝恐らくだが…俺は姫様の仙術が関係してると睨んでいる
誰も知らないんだ、姫様の能力の事は
だがもう三年生だし、少なくとも肉体強化は仙人前だから何かしらの能力は持ってるとは思うんだが…″
ドラキー
〝操り易いから…とか″
おっさん
〝人を操る仙術…ってのは聞いたことねぇな、あり得るのか?
無いとも言い切れねえから何とも言えねえが″
「先生、あり得るんですか?
そんな仙術」
俺が先生に問う。
「仙術に不可能が無いのは会長が証明しています」
と、答えられた。
まあ、なんとも言えないって事だ。
おっさん
〝だったら姫様の目的は本当に軍隊を作る事とかか?
うーん…よくわからねぇが確かに姫様は完璧主義者なんだ、サッカーでフォワードもミッドもディフェもキーパーも完璧でも補欠に一人それに劣ってる奴がいたらその穴を埋める為に世界中走り回るようなな…。
先鋭部隊を作ってRの戦力に…?″
ドラキー
〝そういえば…おじさんの仙術はどんなのなの?″
おっさん
〝俺か?
あ、そうか仙術の共通点…盲点だった
俺の能力は…これだ″
おっさんがグッと拳を前に出すと、突然まるでその中で何かが拡大しているかの様にその握りが膨らんでゆく。
指の間に隙間が出来るか出来ないか位その拳が膨らんだ時、勢い良くそれは握り締められた。
すると紙を破ったかのような小さな音。
おっさん
〝ってぇぇ〜。
っとぉ、まあこんな音が出る程度なんだがな、会長と同じ能力にするつもりだ
もう三年間修行してこれだぜ、あと何百年修行したら会長に追いつけんだかな…″
ドラキー
〝あ…それ俺も同んなじ奴″
おっさん
〝おっ!お前もか!
会長の能力は誰が見ても最強だからな!
…ん?じゃあやっぱり姫様の判断基準は俺たちの仙術?″
ドラキー
〝でも俺まだ仙術発現してないよ…頑張ってるのに…″
おっさん
〝なーに、俺だって発現し始めたのは三年になった後だ″
ドラキー
〝俺も三年…″
おっさん
〝お…!? おお…それはご愁傷。
つっても年齢的な差だろ、お前は小さすぎて発現しにくいんだ。
俺だって年の割りには遅いって散々いわれたぜ?今年で33なのによ。
仙術は精神年齢が密接に関係している…ん?
精神年齢…?″
ドラキー
〝おっさん?″
おっさん
〝ま…まさか姫様の判断基準ってのは…いや、認めざるを得ねえ…!
ボウズ!お前のお陰でわかったぞ!!
姫様は……!……………………!!…………………………………!!…………………………………………!!″
ドラキー
〝え?何おっさん?″
突如途絶えたハンの耳から入る全ての音。
目の前ではおっさんが忙しく口を動かし、その後ろでは子供達が変わらず駆け回っているのに。
〝そのまま聞いて下さい、私の存在が悟られぬ様に″
そして突如聞こえ始めた男の声。
その声がハンの右耳付近に後ろからかけられている事は明らか、だがハンは振り向かなかった。
恐怖故なのはわかった。
俺達視聴覚室組も同じだった。
〝あなたが麻先生の差し金だと言う事はわかっています
後にその装置も回収します
ご主人様から「貴方達のみ」にお話がありますので…深夜迎えに参ります″