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第一話 動き出した出会い

勢いでやってる感がパナイですが読んでみてください

非日常は日常の延長線上にあるからこそ、そう呼ばれる。

日本の首都東京。見た目は平和なこの都市の裏側に何が隠されているのか、大多数の人間が知らないとしても彼らの延長線上にそれはあるのだ。

いたって平凡な広場。休日の午前中にふさわしい光景が広がっている。

その日常とかけ離れた非日常の使者、赤髪に中肉中背の見た目高校生程度のとある少年は今まさにターゲットの元へ近づこうとしていた。

彼の自慢の黒いローブをなびかせて。

ターゲットの少女にもターゲットがいる。だがむしろ、彼女にとっては探し人の方が近いニュアンスだ。

くしくも彼女はその探し人と最悪の再会を果たしてしまう。

彼女に自慢の黒髪をなびかせる余裕はなかった。


北氏(きたうじ)みさこだな?」


赤髪に黒いローブの少年はターゲットに問いかける。


「え?なに?誰ですか?」


みさこは目の前の得体の知れない人間に対して挙動不審だ。

彼女が怖がりなことも手助けして声はとてもか細い。


「同業者からは赤毛の魔術師と呼ばれてる。ちょっとばかりの間さらわれてくれるとありがたいんだけど。」


赤毛の魔術師と名乗る少年は告げる。


「いやっ‥」


恐怖を感じ取ったみさこは彼に背を向けて逃げようと走りだすが

ゴン!


「いたぁ!」


透明な何かにぶつかってしまってその場に倒れてしまった。

みさこは状況がつかめずしゃがみながら辺りを見回す。

そこで彼女は異変に気付いた。


「人がいない‥?」


困惑するみさこに間髪いれずに赤毛の魔術師は答えた。


「もう空間は分離させてもらった。悪いけどもう俺からは逃げられないさ。」


たっくしかたないな。そう付け加えると彼は頭を会釈するように下げ掌を空にむけて両手を肩の高さまで上げた。

そして唱える


「我が炎よ。我が力を糧とする炎よ。目の前のクズをも糧とし輝きを増せ!」


彼の両手からは勢いよく炎がふきだした。彼こそはまぎれもなく赤毛の 魔 術 師


「キャァァァァ!!!」


彼女の意識は途絶えるのであった。



◆ ▼ ◆ ▼ ◆ ▼



「うぅん‥?」


(ここはどこ?)

みさこはおぼろげな意識の中で情報を集めようとしていた

先ほどまでいたはずの広場とは全く異なった景色である。みさこの両手は近くの柱につながれていた。

全体的に薄暗く物が多い。子供の秘密基地というよりは悪党のアジトといった雰囲気だ。みさこの目の前にはビリヤード台ほどの机が置かれ、その上にも様々な物が散乱していた。一体何が始まろうと言うのか‥不安で少女の胸は押しつぶされていく。


「目が覚めた様ね」


みさこに話しかけてきたのは金髪の眼鏡少女だった。髪色こそ外人のものだが顔立ちは日本人のようだ。背はみさこよりわずかに低そうだが、堂々とした態度からはあまり小ささは感じられない。


「こ、こは‥ あなたは?」


みさこは震えた口調で金髪の少女に問う。


「私の名前は永作輪音(ながさくりんね)。この組織の代表みたいなものね。」


永作は優しさの垣間見える笑みと共に答えた。

だが、この一見の優しさが彼女のやりくちである。


「あなたには特に危害を加えるつもりはないわ。ただ私達の交渉材料になってもらいたいの。」


続けて永作は言った。


「交渉ざいりょ‥?」


いまいち状況をつかめない様子のみさこである。

若干の舌足らずは彼女の特徴の一つでもあった。


「そう。これからあなたにはあなたを襲撃した男と共にある取引を行ってもらうわ。大丈夫。あなたはアイツの隣で笑ってればいいから。」


永作はそう言って親指で彼女の背後の階段に座っていたその男を指さす。赤毛の魔術師とみさこに名乗った男だ。


「永作。もう説明はすんだろ?さっさと交渉に向かわせてくれよ。」


赤毛の魔術師はめんどくさそうに立ち上がりながら言った。

彼はそのままみさこの元へやってきて怯えるみさこを尻目に彼女の文字どおりの足かせを外す。

みさこは立ち上がって永作の方を見た。


「さっきも言った通り。あなたはソイツの隣で笑ってればノープログレム。全て終わったら解放するわよ。」


永作は腕組みをしながらみさこの目配せに返事をする。


「ついてきてくれ。」


赤毛の魔術師はみさこにそう言うとツカツカと歩き出した。

(一刻も早くお家に帰るには付いていくしかないよね‥)

あきらめムードでしたがうみさこである。


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