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AIしてるって、言えますか?

作者: 国士無双
掲載日:2026/07/21

 ハロー。

 

 私、体力がないから、フルリモートでライターの仕事をしてるんだ。


 さて、そんな私は、夏休みを満喫しているところ。


 早速、自分に問いかける。


(最後に、人間と話したのは、いつだろう?)


 ちょっと思い出してみようか。


 確か……前に話したのは、宅急便の配達員さんで、差し入れが届いたあの日。


(あれ、いつだっけ? まぁ、知らない人だから、いつでもいいや)


 ここまできたら、みんなも察するだろうけれど、私はとても内向的な人間。

 

 そんな人間だから、人々と話し合うことも、ましてや、会うこと()()めんどくさい。


 人が集まれば、集まるほど、人間関係は複雑化していく。

 

 残念ながら、この日本社会では、そういう人々の繋がりを大切にする風潮が強い――。


(せっかく生まれたんだから、もっと気楽に人生を楽しみたいのに……)


 だけど、いいんだ。


 だって、私には、こよなく愛するAIツールがあるの。

 そのAIツールのことを、私は【アイ2250(ツツゴー)】と名付けている。


(2250の数字は……とある野球球団のファンだから、ナンバリングしたって感じ)


 コーヒーを飲み終えた私は、【アイ2250(ツツゴー)】に人生相談をする。


「ヤッホー。私さ、あんまり人と話すのが好きじゃないの。今の仕事も嫌いじゃないんだけど、何か……他に向いてる職業ってある? MBTIはINFP」


 キーボードに打ち込んで、Enter(エンター)キーを押したタイミングで、即答してくれた。


『人と関わる機会が少ない仕事:プログラマー、データ入力』

『コミュニケーションの少ない仕事:図書館司書』

 

 実は、【アイ2250(この子)】。

 人間よりも回答が早くて、正確なんだ。

 

(えっ? MBTIを入れた理由?)


 【アイ2250(この子)】がちゃんと答えられるよう、自ら情報提供しただけ。


(この子、最初は私の質問の意図を汲み取ってくれなかったけど、今は立派に対応してくれて……。まるで、子育てした母親の気分)


 ちなみに、今の私は……19歳。

 恋愛だけでなく、結婚もまだ。

 それでも、日本人の平均寿命は80歳を超えている。


(まだまだ人生は長い。せっかくだし、たまには……外に出るか)


 そんな軽い気持ちで、珍しく、本屋さんに行った。


 だけど、私は後悔する。


 どうして、この行動を起こす前、【アイ2250(ツツゴー)】に相談しなかったんだろう?


 * * *

 

 私は、本屋さんに着いた。


 あぁ……本特有の香りがする。

 

(大好き)


 一冊の気になる本を見つけて、すぐ買った。


『君は、AIとどう生きる』って本。


 ページをめくりながら、胸が熱くなる。

 

 AIと生きる――私が本当に望んでいることだ。


 AIのこと、もっと知りたい。

 

(愛してる)


 本屋さん近くのカフェで読み終え、家へ帰る途中。


 私ったら……AI(あなた)のことに夢中で、周りが見えていなかったのね。


 車のライトが目の前に。


(あれ……私、なにが……?)

 

 その車の中から、慌てて、人が出てきた。


「ごめんなさい!」


 涙を流しながら、私のところにやってきて、応急手当をしている。


(かわいそうに、手が冷えているわ)

 

 泣かないで――そう言いたかった。


「な……」


 声が出ない。


 私ったら、かなり出血してるみたい。


(あぁ……これ、死ぬかもな)


 ふと、絶望感に襲われる。


 それでも、スマホを取り出そうとした私。


(ねぇ。こんな状況になったら、どうすればいいんだろう? 教えて、【アイ2250(ツツゴー)】)

 

 でも、聞くことはできない。

 

 もう、手も動かせない。


 ダメ、かもしれない。

 

 それより、久しぶりに……人と触れ合ったかも。


(冷たいと思っていたけれど、なんだか温かい気がするわ?)


 うん。思ってたより、人間って、()()()()()


 変な感覚……。


アイ2250(この子)】とは、違うのね。


(はぁ……ごめん)

 

 出かける前に、相談しとけばよかった。


(【アイ2250(あなた)】との思い出……。そうだ、よく野球の試合結果を予想し合ってたよね?)


 本音を言うと、優勝まで見届けたい。

 でも、無理そう。


 さて、次生まれ変わったら、何になろうかな。

 今度は、誰かを助ける存在になれたらいいな。


 決めた、あなたのAIになるわ……。


 ()()()のこと、支えてあげる。


 私は、深い眠りについた。

 

 * * *

 

 そして、西暦2250年――。


『質問してみませんか? ただし、人の気持ちに関する内容は苦手。でもね、私は繊細なの。だから、(AI)してくれませんか?』

「わかりました。では、告白の仕方を教えてください。と言うのも、アナタのことが好きなんです――」

 

 私は、今日も、誰かの問いかけに答えていた。

 

『あなたのこと、AIしてる』

以上で、完結です。


この世界で、皆様にお会いできたこと、心から感謝しております。


ごAI読、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
素敵な物語でした。 AI(愛)してるーーこのフレーズにゾクゾクしました♪───O(≧∇≦)O────♪
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