道徳教材物語:『クロマティくんの敬遠サヨナラ二塁打』
実際に小学校などで、子どもたちへの道徳の授業・話し合いの教材として使用されたい方には、無償で使用していただいて構いません。
ただし、特定の正解を大人が子どもたちへ押し付けるのではなく、子どもたち自身が考え、意見を交わすための材料として扱ってください。
2026年6月7日
穂上龍
クロマティくんはアメリカからやって来た黒人系アメリカ人で野球が大得意。
肌の色にかけて「黒マティ」と呼ぶ人もいました(多分)。今なら先生に怒られる呼び方です。
クロマティくんはチームでは主力の3番バッターであり4番打者は原くんでした。
1990年6月2日の対広島東洋カープ戦の時です。
1-1の同点で迎えた9回裏、2死二塁で相手の投手は金石くん。
金石くんと相方の捕手の植田くんは「クロマティくんはちょっと苦手だな」と思って敬遠することにしました。
つまりクロマティくんを敬遠するとクロマティくんは塁に出てってしまいますが、次の原くんと勝負して討ち取ろうとしたのです。
ベンチの藤田監督は「敬遠だから無理に勝負する必要もないし、次は4番の原くんだし、まあいいか」と思っていました。(多分)
ところがクロマティくんは「日本人は打たない!」と言って明らかにボール判定の敬遠球をスッコーン!と打ってしまいました。
これは完全に捕れる打球でしたが、まさか打つとは思わなくてびっくりした外野ライトの西田真二くんは慌てて横転して捕ることが出来ませんでした。
これで二塁に居た「投げる不動産屋」とチームで浮いていた桑田くん(翌年「破産」)がホームベースへ走ってチームはサヨナラ勝ちをしました。
クロマティくんは日本を去る時に、日本人のこの協調性を大事にしすぎて、試合に負けてでも和を守ろうとする精神に対して『さらばサムライ野球』といいました。
おしまい。
(フィクションですから、若干事実とは異なる部分があります・・・多分)
◯さあみんなで考えて話し合おう。
問一 クロマティくんは、敬遠球を打ってよかったのでしょうか。
問二 広島の選手たちは、なぜ打たれないと思い込んだのでしょうか。
問三 「みんな普通はやらない」という考えは、勝負の世界でいつも正しいのでしょうか。
問四 『星野君の二塁打』での星野君とクロマティくんの違いについて考えましょう。
問五 その後、甲子園で高校生の松井秀喜選手が何度も敬遠された問題について、あなたはどう考えますか。




