表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬱な詩集  作者: 壬宇羅
3/3

人は

桜並木の道、満開の桜を眺める。

もう二度と見ることは無いかもしれない。

多くの知人の顔が脳裏をよぎる。

今思うと、彼はそんなに悪い奴じゃなかったかもしれない。

彼も、彼女も、あの人も……。


人はどうして、思い出すのはいい事ばかりなのだろう。

嫌な事を思い出しても、その時はとても嫌だったとしても、思いでの中ではその思いは薄れてしまう。


そう考えると、今の自分はまだやれるのではないかとも考えてしまう。

あと一歩、もう一歩。

そうやって、人生と言うものは茨の道を、歯を食いしばりながら歩いて行く事のようにおもう。


しかし、その茨の痛さは、次の茨へ向かう途中にはもう忘れていて。オブラートに包まれた記憶と化す。


限界だった。もう無理だと思った。

自分が、無価値なものに思え、世界のすべてが敵に思えた。


自分のできる事は全部したのかと問われた。


逃げ出す事もできた。

しかし、それは、自分の弱さでできないでいた。


それならいっそすべてを捨てたほうが楽だと思った。


だから、今こうしているのに…、いざとなると、その理由さえもオブラートに包まれた記憶と化していて。


桜並木の道を楽しそうに歩く子供がいた。

彼らは知らないだろう、この人生と言う茨の道の怖さを。

いや、知る事は無いかもしれないし、程度は違え知る事になるかもしれない。

むしろ知らない方が幸せなのだ。

万物すべてを満足に出来る人なんていない。

そうした、道で知る事になるだろう。

そう考えていたら。

肩の荷が下りたように、気分が軽くなった。

よし、もう一歩頑張ってみようと思えた。

世界の人々は、多かれ少なかれ、壁にぶつかっているんだ。


逃げる事はいつでもできる。

なら、頑張って、その壁を壊す事をしよう。


来年また、この桜を見に来ようと胸に誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ