8.
今日はなんと、別の竜の集落に行くことになった。
各集落の村長が集まって、話をする必要ができたみたいで、それに私も同行することになった。
五歳から十五歳までの幼竜の交流も目的としているため、私たち一家と村長、その他二頭の竜が同行することになったのだ。
場所はこの集落から二時間の距離にあって、海を越えていく。
長距離飛行の訓練も兼ねているため、私も兄さんも竜の姿で飛んで行く。
初めての長距離飛行なので少し不安だが、皆んながフォローしてくれると言うし、きっと大丈夫だろう。
いざ、飛翔!!
森を越えて、山を越えて、今世初めての海が見えた。
都会の濁った海ではなく、テレビで見た海外の美しい海がどこまでも広がっていた。
『海……綺麗!』
『そう言えば、二人とも初めてだったなぁ。』
『集落に引きこもっていたら、見れないものね。』
『竜は飛ぶことが好きだが、引きこもりも好きだから仕方ないだろう。』
……竜って引きこもりが好きなんだ……
村長の言葉に衝撃を受けた。
『百年くらいなら、昼寝の範囲だものね。』
『良いよなぁ、昼寝。』
同行している水竜のお姉さんと火竜のお兄さんが、うっとりと呟いた。
さすがは、竜。
感覚が全然違う。
私の時間感覚はいまだに前世よりなので、百年とか言われると途方もない時間に思える。
これから百年二百年過ごしていれば、私もそうなるのだろうか。
先のこと過ぎて、今はよくわからない。
『父さん。今から行く集落は、どんなとこ?』
『一言で言うと、島だな。島の全てが、竜の集落になっている。そこには、精霊族や妖精族もいるぞ。気まぐれだから会えるかわからないがな。』
でた!精霊族と妖精族!
楽しみ、と言いたいところだけど、実はもう会っている。
誰にも言っていなかったが、魔法の研究をしていると時に、ちょくちょく見に来ていたのだ。
そこから親しくなって、精霊魔法や妖精魔法を教えてもらった。
代わりに、私もいくつかの魔法を教えた。
とっても喜んでくれていた。
それから時々、誰もいないところで交流は続いている。
『島の集落には光竜が居るはずだ。ルクセイラ、色々話を聞いてみるといい。』
『本当!?聞きたいことがあったの。嬉しい。』
治癒系統の魔法について聞きたかったのだ。
前世のゲームの治癒と言えば、ステータスなんかの回復だったから、今世の治癒がよくわからない。
攻撃も大事だけど、治癒はもっと大事。
たくさん聞いて、マスター出来るようになりたい。
『そろそろ着きますよ。』
村長の合図とともに、降下に入ったのだった。




