6.
村長の家では、いくつか新しい魔法を教えてもらった。
まずは、この集落の場所がどこにいてもわかる魔法。
これで外に出ても、迷子にならず帰って来れるようになった。
でも聞くところによると、竜は方向感覚が鋭いらしい。
だから迷子にはならないんだって、皆んなに笑われてしまった。
竜って、すごいね!
でも考えてみれば当然か。
方向感覚がなかったら、空を飛んだりできないもんね。
他にも、属性関係なく使える空間魔法、気配察知などの補助魔法、結界魔法なども一通り教えてもらった。
竜族の魔力は膨大なので、繊細な補助魔法なんかは苦手としている竜が多い。
けれど私は結構器用だったみたいで、全部が高水準で扱うことができた。
村長に、優秀だと褒められた。
属性魔法は感覚で使えるが、もっと知りたい場合は同属に教えてもらうのが一番いい。
やっぱり、同属に早く会いたい。
こういう時、少ない属性は不便に思う。
でも光竜と影竜の良いところは、対極属性以外の全ての属性魔法を高水準で使えること。
つまり、影属性以外の魔法の全てが使えるのだ。
それを知った時は、思わずバンザイするくらい嬉しかった。
兄さんには変な目で見られたけど。
まぁ、とにかく、前世では存在しなかった、憧れの魔法を使える。
小説やアニメ、漫画に出てきたすごい魔法も使えるかもしれない。
アレやコレやと妄想……想像が捗る。
こういう時、日本人ってやっぱり有利だよね。
身近に良い参考資料があったんだから。
村長の昔話をよそに、私は頭の中で色々な魔法を組み立てるのであった。
――――――
最近、妹が少しおかしい。
我が妹、ルクセイラは信じられないくらいの美竜だ。
透明感のある白銀の鱗、角度を変えるといろんな色に見えるオパールの目。
どこをとっても、世界一美しい。
身内贔屓なしの美しさだ。
集落の皆んなもそう言っているから、間違いない。
幼竜のうちからこんなに美しかったら、成竜になればもはや神なのではないだろうかと思う。
そんな妹なのだが、村長に魔法を教えてもらってから、少しおかしくなった。
以前からそういう傾向があったが、どうやら妹は大の魔法好きらしい。
それに凝る傾向もあるので、いろんな魔法を使っては改良し、使っては改良し、を繰り返している。
周囲のものを破壊しないように見守っていたら、いつの間にか時を操る魔法まで生み出していた。
つまり、壊しても、何もなかったかのように元に戻せるのだ。
よって、更に破壊行動が大胆になってきたように思う。
まぁ、結局何が言いたいかというと、破壊竜になっても、妹は世界一美しくて可愛い竜だということだ!!




