5.
集まった人型の竜たちは、父さんと母さんに「おめでとう」とお祝いを言っている。
私に対しても「可愛い」やら「神々しい」やら褒めてくれているが、一定の距離を空けられている。
ちょっと悲しい。
理由は、何となく想像できる。
私が光竜だと言うことが原因だろう。
光竜と、そして影竜は滅多に生まれない。
数百年に一度のペースでしか生まれない、激レア竜なのである。
前回は、約八百年前に影竜が、約千五百年前に光竜が生まれている。
ちなみに、その影竜と光竜は今だに健在である。
影竜も光竜も、他の竜族より長い年月を生きるからだ。
立ち位置としては、さながら竜の王と言ったところか。
王様には畏れ多くて近づけないよね?
まぁ、つまり、そんな感じだ。
しばらく暮らしていれば、落ち着くだろう。
その時をゆっくり待とう。
「おや、お帰り。ライラック、ドルトーク、ツヴェーク。初めまして、いと尊き光のお方。私はこの集落の村長だ。名前を伺ってもよろしいか?」
ライラックは母さん、ドルトークは父さん、ツヴェークは兄さんの名だ。
それにしても村長、さすが竜族なだけあって、年齢不詳な美形だ。
竜族は美形以外生まれないと言われても不思議ではない。
「ただいま戻りました。」
「お久しぶりです、村長。」
「ただいま、村長!」
「初めまして、村長。ルクセイラです。」
「良き名だ。皆、元気そうで何より。さて、場所を移して大切な話をしよう。」
村長に促されるまま、村長の家に向かった。
後ろから熱い視線が注がれているので、ふと足を止めて手を振ってみた。
そしたら皆んな、パアッと音がつきそうなくらいの笑顔で、手を振り返してくれた。
アイドルになった気分だ。
「ルクセイラ?」
「今行くよ、母さん。」
母さんに呼ばれて、駆け足で追いかけた。
村長の家はすごく広かった。
何でも、集会所や別の竜の集落のお客様が泊まれる仕様になっているとか。
村長の家では色々な話を聞いた。
そこで、此処の他にも竜の集落があることを知った。
皆んな気づかれないように隠れて住んでいるが、集落同士は定期的に交流がある。
そのうち別の集落の竜にあったり、別の集落に行けたりするようで、今後が楽しみになった。
できれば同属の光竜とか影竜に会って、魔法のこととか生活のこととか色々話を聞いてみたい。
此処の集落にはいない、別属性の竜も見てみたい。
村長の話を聞くごとに、今後の楽しみがどんどん増えてくる。
でもそれだけではない。
竜族の役割とか、他種族、特に人間の危険性なんかも教えてくれた。
最強の竜族にとっても、やっぱり人間が一番危険であるのは変わらないみたい。
人間にもいい人はいるけど、悪い人間も多いから悪目立ちしている。
やっぱり悪いことというのは、広まりやすいのだと改めて思った。




