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35.


「あー……ごめんなさい?」


とりあえず、謝っておこう。


「服は?」


「ちゃんと着ましたよ。」


ヴィルは長いため息を吐くと、こちらを振り返った。

騎士たちも、恐る恐るこちらを振り返る。


「はぁ……後で色々聞かせてもらう。」


「どうぞ。」


「小隊長は各自状況を報告!無事な者は、周囲を警戒!」


「「「「「「はっ!!」」」」」」


「あ、瘴気に侵された人は私が治すので、こっちに連れてきてください!」


「「「「「「はあ!?」」」」」」


駆け出そうとした姿勢はそのままに、停止して一斉に私を見る。


「はぁ……言う通りに!」


「「「「「「はっ!!」」」」」」


私の元には、次々と瘴気に侵された人が運び込まれてきた。

運ばれた順に手をかざし、浄化の魔法を発動させる。

完全に浄化したら、第四騎士団にパスしていく。

何度か繰り返していると、あっという間に、瘴気に侵された人はいなくなった。


怪我人は第四騎士団が治療し、怪我が酷い場合は騎士団本部の治療院に戻って入院することになる。


私が治してもいいけど、死にそうな人はいないから手は出さない。

簡単に手を出してしまうと、それが当たり前のように取られてしまう。

人間は楽な方に流される生き物だから、ほっとけば治る怪我に関しては、楽を感じさせてはいけない。

ゆっくり休んで、怪我を治すといい。


「少しいいか?」


「はい?」


「あの氷、溶かすことはできるか?素材を持って帰りたい。」


「いいですよ!……はい!」


手を一振り。


魔物は事切れた状態で地面に横たわり、化獣は煙のように消えていった。

化獣は瘴気の塊なので、遺体が残らないのだ。

例え残ったとしても瘴気はそのままなので、焼却処分しか方法はないが。


「助かった。」


「どういたしまして。」


あの持って帰った肉は、今日のご飯になるのだろうか?


どうでもいいことが頭に浮かんだ。


ヴィルの姿をボッーと眺めていると、いつの間にか撤収作業が終わったみたいだ。


「では、帰還する!」


怪我人は荷馬車や馬に乗せ、帰りは皆んな歩いて帰る。


私はもちろん、ヴィルの横を歩いている。


私の横にいるヴィルや、少し後ろにいる第一騎士団長がチラチラと私を見てくる。

聞きたいことが、たくさんあるのだろう。

全部が全部話せるわけではないが、ある程度の話は共有しておきたい。


こうなったら、この地位を利用して、やるべきことをやろう。

ヴィルは王弟であると言うし、きっと力になってくれるはず。

と言うより、力になってくれないと、人間も結構危ないからね。


私は今後の計画を立てながら、帰路についた。






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