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33.


魔物も、化獣も、人も、何一つ動けない。

まるで時間が止まったような感覚だ。


カランッ


静まり返った空間に、落ちた剣の音が響いた。

続いて、二つ、三つ……


一瞬にして心がおられた騎士は、無意識のうちに剣をその手から滑り落とし、震える足は役目を放棄した。


「立てっ!ここでやらねば、何も守れないぞ!!」


総団長の声が響くが、受け止めた人数は少なかった。


あぁ、これはもう駄目ね。


私は現場を冷静に見つめ、一人そう思った。

心が折れれば、戦えない。

立ち上がることすら難しい。


このままだったら、ね?


《このてーどかぁ?つまんねーなぁ。じゃあ、死ね。》


「だーめ。」


私は上空に数多の氷の剣を出現させると、魔物と化獣に落とした。

人間だけを器用に避けて落とされたそれは、動きを止めていた魔物たちに全て命中した。


一拍遅れて、魔物たちの悲鳴が、あたりを包み込んだ。


パチンッと指を鳴らすと、刺さった氷の剣を中心に、氷が身体全体を包み、悲鳴をも飲み込んで氷像を作った。


《誰だぁ、おまぇ。》


私の魔法を防ぎ切ったそれは、真っ直ぐ私を見つめた。


「初めまして、堕人さん。そして、さようなら。私はあなたたちの天敵よ。」


私はゆっくり最前線まで歩いて、立ち止まる。

それと同時に、誤魔化していた気配を元に戻した。

もちろん、完全にではない。

完全に戻したら、私が人間を殺してしまうから。


《ああ?ガハハハハ!!おまぇ、竜かぁ!!!》


「ご名答。」


手を一振りして、全ての人間を後方に送る。


ハッと気がつき、動ける者は、怪我人の手当てを始めた。


《おまぇを喰えばぁ、もっと強くなれるなぁ!!》


「生意気ね。お前程度が、頭が高い。」


《グアッ!?》


重力五倍と威圧をプレゼントしてあげた。


ついでに、人型を解き、竜の姿を現した。

久しぶりの竜の姿に、んーっと翼を広げた。

人型の方が便利だが、やっぱり竜の姿の方が落ち着く。


《お゙ま゙ぇー!》


可哀想なので重力を緩めてあげると、馬鹿みたいに真っ直ぐ飛び出してきた。


私は自慢の尻尾で、ハエ叩きのように地面にはたき落とし、おまけの竜パンチ!


《グボッ!》


堕人は半身を潰されながらも、まだ生きていた。

結構、頑丈らしい。


『ドラゴン・スラーッシュ!なんちゃって。』


浄化を付与した爪で、トドメの一撃。


オーバーキルだったようで、悲鳴すらなく、塵すら残さず、跡形もなく浄化された。


フスーッ


どうよ?

見たか、私の実力!


自信満々に振り返ると、ポカンっとした騎士たちと目があった。

お互い、しばしの間、静かに見つめ合うのだった。






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