30.
その日は、いつもと違っていた。
全ての準備を終え、朝八時前に騎士団本部前の訓練場に集まる。
そこには、鎧を着た騎士が整列している。
いかにも、戦闘準備完了しました、と言いたい光景だ。
何故そうなっているのかと言うと、今日は第一の森に、魔物討伐に行くからだ。
第一の森とは、私がよく魔物討伐に行くあの森である。
ここ最近魔物が増えており、職業斡旋所から討伐要請の連絡が来たのだ。
第一の森の魔物が溢れて仕舞えば、街道を使う旅人や商人や王都イーズの住民に被害が及ぶ。
よって、総団長が騎士を率いて魔物討伐をすることになったのだ。
第一騎士団からは、団長と私、そして第一部隊、計二十二人。
第三騎士団からは、団長と、第一部隊、計百一人。
第四騎士団からは、第一、第二部隊、計二十人。
第五騎士団からは、団長と従者、第一、第二部隊、計二十二人。
第六騎士団からは、第一、第二部隊、計四十人。
総勢二百六人。
これが今回のメンバーだ。
第三騎士団はすでに徒歩で移動しており、残りのメンバーは、今から馬で移動することになっている。
私は馬に乗ったことがないので、第五騎士団の従者の人に相乗りさせてもらうことになった。
私は馬が怯えないように、いつもより気をつけている。
魔物討伐がどれくらい時間がかかるかわからないため、昼食を持っての出発だ。
今日中には帰ってきたい。
普段剣を持たない私も、今日は念の為に剣を履いでいる。
使わないに越したことはないが、何もないのは格好がつかないからだ。
何かあったとしても、やっぱり剣は使わないだろう。
私なら、魔法を使う方が断然早いからだ。
最終確認と点呼が終わり、いよいよ出発だ。
「ディナさん、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしく。しっかり捕まっていてね。」
ディナさんに手伝ってもらいながら、馬上に上がる。
新鮮な高さだ。
ディナさんは、私の後ろに優雅に乗った。
乗り方一つとっても、すごく様になってかっこいい。
本来第一騎士団所属の私は、先頭に行かなければいけないが、相乗りさせてもらっている関係で、一番後ろの第六騎士団と一緒に行くことになった。
さらにその後ろには、荷馬車ご続いている。
第一騎士団長とは、現場についてから合流することになっている。
門までは馬を歩かせて向かい、門を過ぎてからは馬を駆って進む。
王都内で馬を走らせたら、普通に危ないからね。
一応騎士団から住民に呼びかけておいたのか、道を歩く人は見かけなかった。
スムーズに行けば目的地まで一時間半ほどで着く予定だ。




