挿話3
騎士団本部の第一会議室には、騎士団総団長の指示のもと、王都に在中の七人の騎士団長が集められていた。
国の暗部を任され、決して表に出ない第0騎士団の団長オルネオ・ラトス。
王族の守護を任されている第一騎士団の団長カーライル・リンク。
王城の守護を任されている第二騎士団の団長ハワード・ペイス。
王都とその周辺の治安維持を任されている第三騎士団の団長イーグリット・ロン。
騎士団の医療関係を全般に任されている第四騎士団の団長メイナージュ・マリアン。
騎士団の魔法関連を全般に任されている第五騎士団の団長シモン・ラッセル。
臨機応変にどんな状況でも対応できる第六騎士団の団長アレン・コードウェイ。
以上が、王都在中の騎士団長である。
「今回集まってもらったのは、拘束されたプリオーネ帝国の間者の件だ。カーライル、詳細を。」
「はい。先日、私付きの従者であるルクセイラが、騎士の制服を着て怪しい動きをしていた男と、その男と密会していた男を発見。拘束しました。尋問した結果、プリオーネ帝国の間者であることが判明しています。」
「また、プリオーネ帝国の野郎か。」
「以前の間者もプリオーネ帝国じゃなかったか?」
「また戦でも仕掛けてくるのでは?」
団長たちの中で、ざわめきが広がる。
「今回の目的は、前回の戦争で竜が介入した件です。我が国が竜を使役しているのか、それを調査して報告する予定だったようですね。」
「さすがに、プリオーネ帝国と言えども、竜は怖いのか。」
「そりゃあ、怖いでしょう。私たちも怖いもの。」
「否定はせん。」
竜を直接見た面々は、表情を固くした。
こちらは竜の被害を被っていないと言っても、怖いものは怖い。
「竜の介入が偶然だと向こうが把握した場合、また戦になるだろう。あちらにはワイバーンがいる。まだどれほど残っているかわからないが、ワイバーンが出てくれば苦戦は免れない。」
黙って団長たちの意見を聞いていた私は、これから想定されることを告げた。
今の停戦は、おそらく時間稼ぎにしかならない。
プリオーネ帝国は、ワイバーンのみならず、フォレストウルフも戦争に投入した。
魔物を使役する術を持っていると考えるのが自然だ。
つまり、他にも多くの魔物を使役している可能性がある。
私たちは、魔物と兵士を同時に相手取らないといけない。
次があれば、前回以上に悲惨なことになるだろう。
「竜の介入が偶然だと知られるのは、時間の問題だ。魔物と兵士の混成をどう対処するか、各自考えておいてくれ。オルネオは、引き続き魔物使役の詳細を最優先に調べるように。」
「「「「「「「はっ!!!」」」」」」」
決定的な対処方法が決まることなく、会議は終了することになった。




