27.
第一騎士団長付き従者の仕事は、下働きよりも長時間で多岐にわたる。
朝八時、第一騎士団長に挨拶をして、執務室や応接室等の掃除に取り掛かる。
その間、第一騎士団長は部下である騎士たちの鍛錬に向かう。
正午、食堂に第一騎士団長の食事を取りに行って、執務室に届ける。
その後、食べ終えた食器を食堂へ返却に行ったら、私の昼休憩の時間だ。
午後二時、第一騎士団長と共に書類仕事をしたり、会議のお供をする。
会議では、隅で記録をとっている。
書類仕事の合間には、お茶を入れることも多い。
また、完全した書類を、各部署へ届けるのも私の仕事だ。
午後七時、私の仕事が終了する。
基本的にはこのルーティンだが、午後は他の騎士団長が来たり、王族の護衛任務が入ったりと、イレギュラーも少なくない。
その時は私一人で、書類整理や簡単な書類仕事をしている。
朝、顔を合わせた時に、今日の予定を教えてくれるので、突発的に何かある場合を除き、予定を立てて動きやすい。
ルーティンだけを見ると、そんなに難しい仕事ではないように思われるが、実際はもっとハードだ。
書類仕事では、計算や誤字脱字などのチェック、項目、緊急性、差し戻しなどの整理をしなくてはいけない。
緊急性を少しでも間違えると、期限が切れて申請ができなくなったり、最悪人が死ぬことにもなりかねない。
計算のミスは、財政に関わってくる。
また、各部署に届けるには、部署の名前と場所、渡す人の顔と名前を一致させておかなければならない。
もし間違えると、人間関係が損なわれたり、文書の紛失に繋がったりする。
文書が紛失すると、各方面に多大な影響を与えてしまう。
下働きの仕事とは比べ物にならないほど、緊張感が強いられる仕事であると実感した。
従者の仕事でも緊張するのに、もっと責任が重い仕事をしている人は、本当に有能ですごい人なんだと尊敬する。
また、総団長が言っていた人手不足というのも、仕事をしてみて実感した。
これを従者なしでやっていた第一騎士団長は、本当に優秀だ。
聞くところによると、従者や補佐官が五、六人いるのが普通らしい。
第一騎士団のみならず、他の騎士団も人手不足で、一人当たりの仕事量が多大に増えたと、仲良くなった第二騎士団長の従者から聞いた。
また、第三騎士団長の従者は、「戦争なんて、クソ喰らえ!プリオーネ帝国なんざ、自然災害でも起きろ!」と盛大に愚痴っていた。
このことは誰にも言わず、心の中でしまっておくことにしたのだった。




