24.
24.
早いもので、騎士団寮の下働きの仕事は、残り一週間を切った。
多少のトラブルはあったが、なんだかんだ皆んないい人ばかりで、問題なく仕事が終えられそう……と、思ったのに……
掃除道具を片付けていると、後ろから騎士に呼び止められた。
振り返ると、五人の騎士がこちらを見てニヤニヤ笑っている。
またトラブルの予感。
「えっと、どうしましたか?何が用でも?」
「そうそう。」
「用事、用事。」
「ちょっと一緒に来てくれない?」
「申し訳ありません。まだ仕事が残っていますので。」
「いーじゃないか、そんなの。」
「そうそう、ちょっとだけだって。」
近づいて来た先頭の男に、右手を掴まれる。
一般的な女性なら、痛みと恐怖で泣き出しそうな場面だ。
「離してください!」
「いいから来いって!」
「嫌だって、言ってるで、しょ!」
引っ張られている方にわざと力を加えると、男がバランスを崩した。
すかさず、手を振り払う。
「てめぇ!」
「優しくしてりゃ、いい気になりやがって!」
……よし、沈めよう!
片足を半歩後ろに引き、伸ばされた腕を掴んで足を引っ掛け、そのまま背中から落とす。
そのまま男の急所を力一杯踏む。
「ぐっ……!」
背後から近づいて来た男には、回し蹴りで男の急所を抉る。
「がっ……!」
あと三人。
次は…………
「そこ!何してる!?」
「「「げっ!」」」
「君!大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。」
「お前たちっ!か弱い女性に向かって……?」
「あれのどこが、か弱いんだよ!?」
「と、とにかく来い!話を聞かせてもらう!君も同行してくれるか?」
「はい。でも、仕事が……」
「そちらは、こちらで連絡を入れよう。」
「わかりました。」
男たちが蹲っている仲間の男に手を貸し、助けに来てくれた騎士に続いて歩く。
私はその後ろを、少し離れて着いて行った。
連れてこられたのは、騎士団本部第二騎士団長の執務室だった。
「団長。」
「どうした?」
「婦女暴行の現行犯です。」
「何?お前たち、どこの所属だ。」
「……第三騎士団です。」
「そちらの女性が被害者か?」
「はい。」
「では別室で事情を聞いてくれ。こちらの五人は、私が尋問する。」
「「「「「ひっ!」」」」」
「はっ!お嬢さん、こちらに。」
騎士に連れて行かれたのは、隣の別室。
簡素な木の机と椅子が置いてあるだけの部屋だ。
それから一時間ほど事情を聞かれた。
私は記憶を遡りながら、先ほどの出来事を丁寧に説明した。
事情聴取が終わった後は、親切な騎士が下働きの寮まで送り届けてくれたのだった。




