17.
「終わったーー!!」
「緊張したね〜」
「二人ともお疲れ。」
午後六時。
初日の業務が終了した。
今日は先輩の下働きの人に教えてもらいながら、仕事をこなした。
明日からは、基本的に一人でやらないといけない。
他の下働きの人と役割分担をしていかないといけないので、つきっきりで教えてもらうことができない。
お互い忙しいから、そんな暇はないのだ。
明日から、本当の頑張りどころだ。
三人で夕食を食べた後、部屋に戻って、今日の報告会をすることになった。
「どうだった?」
「先輩、優しかったよ〜」
「えー……いいなぁ。こっちの先輩は厳しかったよ!」
「私の所も優しかったかな?でも基本は個々でやりましょうってタイプの人だった。」
「それはそれで大変そうだね〜」
「そう?むしろそっちの方が自分のペースでできるから、やり易くない?」
「ええ!?」
三つの寮それぞれが、タイプの違う先輩だったようだ。
見事に被らないので、これはこれで面白い。
アンナの所の先輩に当たらなくて良かったと、少しホッとした。
アンナ、頑張って!
愚痴くらいなら、いつでも聞くよ!
心の中で、応援だけはしておく。
「そう言えば、ここの騎士様、皆んなかっこいいよね!?」
「見た、見た〜。素敵だったよね〜」
「観賞用って感じ?」
「ふはっ。か、観賞用って!」
「だって平民の私たちからすれば、遠い人でしょう?どうこうなるわけないし、観賞用でしょ?」
「そう言われれば、確かに!!」
「贅沢な、観賞用だね〜」
女が三人よれば話題が尽きないのは当然で、初日の疲れなど感じていないかのように、夜中までお喋りを続けていた。
そうして、初日は過ぎていった。
――――――
翌日から、忙しい日々が始まった。
最初の数日は要領が掴めずに、休憩時間なく働いていたが、次第に慣れてくると上手く休憩を取ることができてきた。
仕事は問題ない。
下働きの人間関係も、基本的には業務関係以外で話をすることもないし、お互い不干渉だ。
問題なのは……
「ちょっと、そこの白髪の平民!」
「はい!」
「あなた、第一騎士団の団長様と話をするなんて、何様のつもりなのかしら!?」
「そんな……私は何も……」
「私に向かって、口ごたえするつもり!?」
「申し訳ありません。」
そう、問題はお貴族様のご令嬢に、突っかかられるようになったこと。
……面倒なことに巻き込まれてしまった。
そもそもの原因は、このご令嬢にあるんだから、私を責める前に、自分の行いを反省すればいいのに。




